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ゆるーいエッセイ  作者: 樋口諭吉


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貧乏人がのしあがれない理由(苦学生よコネろ。めっちゃコネろ)

 今日は貧乏人がのしあがれない理由について考えてみたい。


 はじめに言っておくと貧乏人を馬鹿にする意図は全然ないし、『のしあがれない貧乏人』っていうのは、実のところぼくのことなので安心してほしい。


 ぼくはアルバイトをしながら高校に通い、大学の入学金を貯めた。


 コンビニのバイトなんかは全時間帯やったことがあるし、朝から始めて、他のアルバイトの子のドタキャンにより次の日の昼迄、つまり、一日27時間ぐらいバイトしたこともある。


 血尿が出たね。あの頃は。まあ、それを断らずに引き受けちゃうぐらい貧乏だったのだ。


 鋭い人は、この文を見てわかったかもしれないけれど、要するに貧乏人は、学業以外の時間を必然的に『バイトに当てなければならない』ってことなんだよね。


 みんながサークルで『コネを作っている間』、貧乏人はバイトとしてニコニコ笑顔を振りまきながら「らっしゃっせー!」とかやらにゃならないわけだ。


 家にお金を入れるために、そして、なにより学費を稼ぐためにね。


 ちなみに「貧乏だと良質な教育がうけられない」という通説はぼくは的外れだと思う。受験勉強なんか過去問を買うだけのお金があればどうにでもなるでしょうよ。


 むしろ重要なのは、切実に『コネ』だよ。


『コネ』っていうとさ、みんな馬鹿にするけれど重要なんだぜ?


 ちなみに、親のコネじゃなくて自分のコネね。


 たとえば、将来大企業の重役になるような『超一流のペテン師』とつるんで大学を中退してベンチャー企業を作るとかさ。


 そうして立ち上げた会社を軌道に載せてSNSやらマスコミにお金を握らせるやらで、煽って煽って超高値で売る。


 そんなことになれば、一気に貧乏から抜け出して『時代の寵児』になるようなこともできるかもしれない。


 あくまで、例えばだよ? 例えば。


 そのあとで逮捕されるかもしれないしさw


 そんな極端な例はさておいてもさ。いわゆる予備校偏差値表の上の方の大学ってね、将来大企業の重役になるやつや社長候補のようなのが同級生にゴロゴロいるわけだよ。


 社会人になってから大企業の重役や社長とコネを作るのは大変だけど、同級生の同じサークルの飲み仲間とかなら簡単に連絡取り合える仲になれるかんね。


 社長に名刺を渡して顔を覚えてもらうより、サークルで飲み仲間を作る方が簡単なのは想像つくでしょ?


 新事業を立ち上げたり、あるいは起業したり、そういうときにハードルがめちゃくちゃ下がるんだよ。そういう人脈があると。


「今何やってんのー。えっ? 〇〇銀行の支店長? まじかよ。お金貸して? OK? きゃっほう」とかねw 


 コネが有ると突然信用が降って湧いたりするのだw


 営業職でも効いてくるよね。コネを通じて大口顧客ゲットだぜー! とかさ。


 営業で実績を作れたら、すぐにも貧乏から脱出できるかもしれん。


 あーあ。ぼくにもコネが作れたらなー。


 もしも『奨学金』がもらえたら、アルバイトに猶予期間が与えられたら、ぼくにも『コネを作る時間ができたかもしれないのに』って思うこともあるよ。


 でも、当時ぼくは情弱で自分が奨学金を受けられる立場だってことも知らなかった(ここについては、ぼくは自己責任を否定できない)。


 ちなみに多様で良質なコネは、院よりむしろ学部のほうが得られたりする。院だとコネがだいたい最終的に教授になっちゃうからね。


『奨学金』を得られ、返済に猶予ができて『コネを作ることに時間を割ける』ようになったとしても、貧乏人の目の前には壁が立ちはだかる。


 それは、家が貧乏であることによるコミュニケーション障害の壁だ。


 実が貧乏だと子供の頃から『家に友達を誘えない』などの事情によって大なり小なりコミュ障よりになる。ぼくの場合はどっちかというと周囲との価値観の隔絶によるんだけどね。


 いずれにせよ、せっかく奨学金を受けても、コネを作れなければ同じことだ。


 大学に行った意味は半減してしまう。


 もちろん学びたいことが学べてれば、それでいいって話ではあるんだけどさ。


 世の中不公平にできているので、コネ無しで貧乏から脱出するのは大変なのだ。

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