王を殺したのは誰だ?(ベイズの定理実践編)
今、推理小説ものが熱い!!
エッセイで推理小説ものが流行ってるので、ちょっと考えてみたよ。
以前別のエッセイでも取りあげた、役に立つんだけど書いてもあんまり反響がいただけない、ベイズの定理について再挑戦だ!
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君が『探偵』で、ある事件の調査をしているものとしよう。
暴虐な『王様』と、その『SP(要人警護の人)』を追って、『革命家』と『元少年兵』が森に入り込んだんだ。
『革命家』と『元少年兵』は古くからの友達で、手分けして『王様』を探してた。
あの暴虐な王を許してはおけん! と、銃を握りしめてね。
『SP』も銃を持っていた。
だけど撃つと罪にとわれるから、『SP』は積極的に誰かを撃とうとは思っていないんだ。
その森で、『王様』が撃ち殺された!
森の中にいたのは、『王様』と『SP』と『革命家』と『元少年兵』の4人だけだとわかっている!
王様は誰に撃たれたか? どうか君に推理してほしい。
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君はこう推理した。
『SP』は、守るべき『王様』を積極的に撃ったりはしない。森で『SP』が『王様』とはぐれてしまい『王様』を襲撃者と誤認して発砲する可能性があるだけだ。
君は現場の状況から、『SP』が『王様』と『襲撃者』を誤認し発砲する確率を5%と予想した。
誤って撃っちゃう可能性が、5%ぐらいはあると『主観的』に思ったわけだね。
次に『革命家』だけれども、『革命家』は、『王様』か『SP』なら撃っていいと思っている。だけど、友達の『元少年兵』を撃つわけにはいかない。
君は現場の状況から『革命家』が発砲する確率を66%と予想した。現場には『革命家』を除いて3人の人物がいて、一人は『元少年兵』だったからだ。
『元少年兵』は、『王様』なら撃ってもいいと思っていた。だけど『SP』を撃つことは避けたかった。そして、兵隊時代のトラウマから、銃を発砲することにちょっとだけためらいの気持ちがあったんだ。
君は現場の状況から『元少年兵』が『王様』に発砲する確率を29%と予想した。現場にいる3人中1人が『王様』だし、『元少年兵』はちょっとだけためらう人だったんだ。
だから33%からちょっとだけ引いて29%ぐらいかな? と君は『主観的』に思った。
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次に、君は、射撃訓練場で容疑者3人の銃の腕前を見た。
森の中と同じ状況で、『SP』は10回中9回当てた。つまりは90%の命中精度、『革命家』は銃の訓練を全くしていないので50%の命中精度、『元少年兵』は訓練はしていたが少しブランクがあるので80%の命中精度だった。
君は、容疑者を一室に集め犯人を決めつけることにした!
さあ、王を撃ち殺した確率が一番高いのは誰だろうか?
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君はベイズの定理を使って、一番犯人の確率の高い人物を導き出した!
犯人は、……おまえだッ!
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ベイズの定理を使うとこんなものからでも確率を導き出せるようになるんだ。
前も書いたけど、事前確率は『主観確率』でかまわない。
ホントはここからアリバイの有無なんかで確率を更新していくんだけどねw
ベイズはたぶん人類がAIに勝てる数少ない方法の一つだよ。
実は式自体は分数の計算ができればだれでも使えるぐらいに単純なんだ。
興味があったら、Wikiってみてね。
これが使えると、モンティ・ホール問題を正攻法で解けるようになるのだ。
犯人は……、革命家だっ!
SP……7.41%
革命家……54.37%
元少年兵……38.22%
簡単とか言っておいて、ぼくが計算ミスってたら盛大に感想でプゲラしてくださいw




