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ゆるーいエッセイ  作者: 樋口諭吉


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現実は『現実(笑)』なんじゃないか説

 本質的に、人は見たいものを見たいように見る。


 多くの人は、このことを無条件に受け入れており気づきもしない。


 裏切られたー。とか、騙されたー。とか。可愛いことをのんきにいってさ。笑い合っている。


 わかっているのだ。それを責めることができないことは。


 『選択的認知』も『確証バイアス』も脳の基本的な機能によるから、抗おうにもいかんともしがたい部分はある。


 だけど、そうだとしても看過できない問題がある。


 例えばこうだ。


 新聞によって、ニュースによって、あるいは映画や小説によって、大本営発表によって、みんなにとって都合のいい『現実(笑)』が流布されれば、『現実(事実)』と『現実(笑)』が秘密裏に置き換えられてしまう。


「武蔵が決闘にわざと遅れた」とかさ。


「悲劇的に亡くなったあの英雄は美少年だった!」とかさ。


「大統領選挙に勝利しました!」って、両陣営からでたりさ。


 そんな例、思い当たりませんか?


 まぁ、その程度ならぼくも笑ってみてるけどさ。


 昨今では、テレビの視聴率も落ちてきてるから露骨に同じ方向性の主張を『繰り返す』ようになったよね。偏向報道の指摘が増えてきてません?


 繰り返すことで多くの人に主張を浸透させようっていうんでしょう。


 陰謀論じみてるって?


 いやいや、最初からこの仕組は意図的に使われてるんだよ。


 例えばCMによってさ。


 それでね。


 意図的にしろ無意識的にしろ、少なからずぼくらは『大衆向け情報』の曝露をうけているから、『現実(事実)』と『現実(笑)』の間では、内容に常に一定の乖離が生じている。


 何が言いたいかというと、ぼくらが『現実(事実)』と思っている『現実(笑)』は、そもそもあえて誰かが意図的に介入するまでもなく、『現実(事実)』ではない。


 僕らが『事実と思っているもの』と『事実』との間には、そもそも一定の『乖離』があるものなのだ。


 そんなふうだから、あえて誰かが意図的に介入して『現実(事実)』と『現実(笑)』が取り替えられた場合には、目も当てられないことになる。


 両者の乖離がものすごーく広がるが、大多数の人は気づかない。


 気づいた一部の人も目を背ける。


 属国史を偉大な建国史に置き換えるような例は、探すまでもなくすぐに見つかるでしょう?


 支配者の一族が神の末裔で、とかそんなものでもいいけどね。


 別に隣国だけが特殊なわけではないんだぜ?


 人間ってやりがちなんだよ、こういうの。


 そうして最後は戦争や暴動につながる。


 マジョリティが『現実(笑)』に浸っている状況では、『現実(事実)』はなんの力も持たない。


『規制したい輩』がこの状況に目をつけて、『現実(事実)』を流布したものを罰しよう! なんて言い出せば、中世に逆戻りだ。


 法規制までされなくても、そんな空気が作り出されれば、気づいた一部の人も『暗黙のグループ内規則』から生じる『同調圧力』を恐れて言い出せなくなるんだ。


 地動説でも魔女裁判でもお好きなものを当てはめてほしい。


 最近のポリコレとかBLMとかヴィーガンとかそんなのでもいい。


 状況は一緒だよね?


 この構図に、ぼくはうんざりしてるんだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 文芸ジャンル短編で書けそうじゃないですか?? 読んでみたいです!
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