表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/84

【58】10月13日+②


突然「ぷっ」と、光星が吹き出して笑う。



「はっ?!な、何がおかしいの?」

「だって、姉さんもマコトも同じ顔して、凄く間抜け~!」

「言っておくけど(三浦さんがどんな女の子か知らないけど)早過ぎない?別れるの!!」

「だって、俺、マコトに告白されて、姉さんと3人で付き合う事にしたから」

「~~~っ!!何を言って――!!!」

「だから、姉さん!その顔はダメだって~!!」



笑いが止まらない光星にムっとしながらも、無視してマコトに視線を移す。



「マ、マコトが、あの時、変な事言うから!光星が――!!!」



途中まで言いかけて、言葉を失う。


マコトは大きな瞳を潤ませ、頬を朱に染めて、嬉しそうに照れている。



(お、おまえは、乙女か――っ!!無茶苦茶、可愛いじゃない!!!)



男の癖に、その笑顔は可愛過ぎて有り得ないっ!!



「こ、光星先輩!あの、その、いいんですか?」

「別に。いつものように俺が振られたんだから。――という訳で、改めて今日から宜しく!」



何が“いいんですか?”よ!!


何か“宜しく!”よ!!


いっそ、あんた達二人が付き合えばいいんじゃないの!!



「でも、光星先輩が振られたりするんですね…」

「さぁ?付き合ってくれって言うから仕方なく。別れてくれって言うから、ハイ、そうですかって感じかな?」



(……それって、何だか、酷くない?)



我が弟ながら、それは女の子の立場から考えると、明らかに酷い男だ!



「光星、あんた、いつか後ろから刺されても知らないよ」

「う~ん、まぁ、そうなったら、後は姉さんに任せるよ」



“任せるよ”って、そりゃ、あんたがどんな極悪非道な男であったとしても、たった一人の双子の弟だ。


例え、相手が(敵が)どんなヤツであろうと、逃げはしない。負けたりしない。


戦って、勝って、守ってみせる。



「千星先輩に想われている光星先輩が、羨ましいです」



と、マコトが呟く。それを聞いた光星が――。



「まぁ、美しき姉弟愛って事で」



と、答える。


私が一人勝手にメラメラと無駄に闘志を燃やしていた時に、光星とマコトがこんな会話をしていたなんて……。


私の耳には届かなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ