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【書籍化】転生大魔女の異世界暮らし~古代ローマ風国家で始める魔法研究~  作者: 灰猫さんきち
番外編

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【コミカライズ4話番外編】寝そべりお食事会


ゼニス「と、いうわけで。コミカライズも四話となりました」


ティト「順調に続いていますね」


ゼニス「漫画家さんに感謝だね! 秋にはコミックスの第一巻も発売予定。五話まで収録されるよ」


ティト「もう少しです。では、今回も解説になっていないゼニスお嬢様の解説に入りましょう」


ゼニス「ひどくない?」




+++



ゼニス「えー、こほん。今回はとうとう? オクタヴィー師匠の子供嫌いの原因が分かりました。仲の良い妹さんを亡くしていただなんて、それは子供嫌いになって当然かもしれない」


ティト「妹様は幼児というほど小さくなかったようですが、それでも病気がちであればあっさり死んでしまうのがこの国です」


ゼニス「作者が持っている資料だと、古代ローマ帝国時代の人々の平均寿命は二十歳から二十五歳」


ティト「え? そこまで短いですか?」


ゼニス「『平均寿命』だから。例えば〇歳で死んでしまった赤ちゃんと六十歳まで生きた人がいれば平均寿命は三十歳になる」


ティト「それは実際を反映していないのでは?」


ゼニス「平均寿命の考え方としては、そういうものというだけ。これを見て分かるように、古代ローマは乳幼児死亡率がとても高かった。作者の手持ち資料だと一歳未満の乳児の死亡率は三十%強。五歳までの幼児の死亡率は約五十%。生まれてきた赤ちゃんのうち、半分が五歳の誕生日を迎えられないんだ」


ティト「……実感として分かるかもしれません。私の家も兄が小さいうちに死んだと聞かされました。故郷の村でもお腹の大きい妊婦さんがいて、無事に生まれても子供がいつまでも出てこないから、あぁ死んでしまったんだなと思うことが多くて」


ゼニス「そっか。私は当時、あまり周りが見えていなかったからなぁ……。イカレポンチで」


ティト「イカレポンチですね」


ゼニス「返す言葉もございません。古代ローマの有名な弁論家の言葉に『一歳未満の子の死は悲しむに値しない。悲しみに暮れるよりも次の子を産むべきだ』というのがあって、最初見たときはずいぶん冷たいなと思ったけど。三十%、三人に一人が死んでしまう乳児だから、悲しみから心を守るために言葉だったのかも」


ティト「そうですね……」


ゼニス「あとは、国力の問題からたくさん産む必要があったんだろうね。五歳までに半分が死んでしまう状況では、二十一世紀の現代と違って人口増が大変。無事に大人になった人も、男性は戦争に駆り出されて死ぬし、男女問わずちょっとした疫病で死ぬ。たくさん産まないとあっという間に人口減で国力が維持できなかったと思う」


ティト「……」



+++



ゼニス「次の話題! 今回、食事シーンは古代ローマ形式の寝そべりだったよ!」


ティト「正式な晩餐会で行われる形ですね。ローマ、ユピテルの晩餐会は基本的に成人のみの出席なので、ゼニスお嬢様は出たことがありません」


ゼニス「今回は身内だけの食事だったから、一人用の寝椅子だけど。大勢を招く晩餐会では、三人も四人も寝っ転がれる大きい椅子を使うんだ」


ティト「椅子の配置は決まっておりまして、主賓、ホスト、その他です。上座、中座、下座といったところでしょうか」


ゼニス「古代ローマの食事室は『トリクリニウム』って言うの。三つの寝椅子があるから、三でトリオの『トリ』ね。寝そべって食べるなんて贅沢で楽しかった!」


ティト「(ゼニスお嬢様は案外怠け者な面がありますからね……)」


ゼニス「なんか言った?」


ティト「いいえ、なんでもないです」



+++



ゼニス「今回から私、ちゃんと魔法を使えるようになったよ! 魔法は魔法語を学ぶ、魔法語の呪文を暗記する、魔力操作とイメージ方法を覚える、という段階を踏んで使えるようになるんだ。私は前世妄想パワーのおかげで魔力操作のあたりはショートカットしちゃった」


ティト「WEB版ではお嬢様が魔法の謎を解き明かしましたが、やはり不思議ですね。呪文を唱えたら火が出たり、風が吹いたり」


ゼニス「魔法に触れているのは楽しいよ。実技でも座学でも研究でも! それにやっぱり、憧れの魔法を初めて発動させたときは感動したなあ」


ティト「ところで一部の人に人気の『尻から魔法が出る件』ですが」


ゼニス「あっはい」


ティト「まさかとは思うのですが、それは昔故郷の村を訪れた魔法使いの男性では?」


ゼニス「え?」


ティト「覚えていませんか? お嬢様が三歳か四歳くらいの頃、旅の魔法使いが来たことがあったでしょう。あたしも当時は本当に魔法使いだと分かっていませんでしたが」


ゼニス「覚えてないよ! 七歳のときにオクタヴィー師匠と出会って、それで初めて魔法に触れたんだもの!」


(※この辺のお話はコミックス一巻の書き下ろし短編に載せています)


ティト「彼が『魔法は尻から出てうんぬん~』と言っていたんですよ。冗談かと思っていたら本当だったとは」


ゼニス「恐るべし、お尻の人……。まさか私の人生にすでに関わっていたいたとは」



+++



ゼニス「ところでティト、オクタヴィー師匠の性格なんだけど。ツンデレだと思う?」


ティト「なんですか、急に」


ゼニス「いやなんか、そういう意見をもらったので。口では子供嫌いとか言いながら、結局は私の面倒を見てくれたから、とか」


ティト「口ではと言うか、本当に嫌っていませんか」


ゼニス「うん。一年くらい避けられていたし、第四話でちゃんと面倒を見てくれるようになったけど、甘やかすとかではないし。あれはたぶん、本当にめんどくさいだけだったと思う……」


ティト「えぇまぁ……(目をそらす)」


ゼニス「今後も私のためを思ってくれていたのかと思ったらそうでもなかったり、違うのかと思ったら多少はそうだったり、ビミョーだよね。責任感はあるんだけど、だいぶめんどくさがり」


ティト「ふふっ(吹き出している)」


ゼニス「ツンデレじゃなきゃなんて言うんだろ。ダルデレ?」


ティト「ダルデレというのがよく分かりませんが。オクタヴィー様は相応にきちんとやろうとなさっていると思いますよ」


ゼニス「まあね! これからは師匠と弟子でしっかりやってくつもりだから!」



+++



ゼニス「というわけで、コミカライズ第四話のお話でした。次の第五話ではラスとヨハネさんが登場します。コミック上では久々の新キャラです! お楽しみに」


ティト「コミカライズは公開サイトにもよりますが、第一~二話と最新話が無料、過去分は有料になっています。どうぞ無料のうちにお見逃しなく」


ゼニス「配信サイトは画面下に一覧を載せていまーす。読んだらイイネ押してくださいね。よろしく!」



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転生大魔女の異世界暮らし1巻
TO Books.Illustrated by saraki
― 新着の感想 ―
[一言] 平均値だけでデータ反映できないから偏差値とかがあるのですよ、メタってみる(笑) 尻から出る魔法は、魔法陣◯ルグルだよねぇ(苦笑) 転生者、他にもいたか(笑) 魔法理論として、呪文を唱えるだ…
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