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第五十三話 婚約したわたし (ルアンソワサイド)

わたしが権限を委譲されてから一か月後。


わたしは、リランテーヌ子爵家令嬢フローラリンデと正式に婚約した。


初めて婚約者と会った時、わたしは、


ゴージャスではないな。わたしの好みとは違う。


と思った。


美人ではあるので、とりあえず付き合っていこうとは思ったが、婚約をこのまま続け、結婚まで行けるとは思えなかった。


父親には、


「素敵な女性と婚約させていただき、ありがとうございます」


とは言ったが、心の底からそう思う気にはなれなかった。


婚約した女性とは、遊びで付き合うことはできない。


それでも気に入った女性であれば、我慢していこうと思ったが、それほどの女性でもなさそうだ。


わたしは、予定をしていた通り、別の女性とも付き合おうと思った。


ほどなくして、わたしは女性を紹介された。


ボランギュール公爵家の令嬢イレーレナだ。


わたしは彼女と会うなり、その魅力に圧倒された。


フローラリンデと違いゴ-ジャスだし、今まで付き合ってきた女性の誰よりもゴージャスだ。


わたしの婚約者候補にも名前が挙がっていたので、名前は知っていた。


美人ではあるが、わがままな性格だということで、父親が婚約者にしなかった。


しかし、こうして実際に会うと、特にわがままなところもなさそうに思う。


いや、多少わがままであってもいいだろう。


そんなことがどうでもよくなるような魅力にあふれている。


「イレーレナよ。わたしはあなたのことが好きになった」


「わたしもルアンソワ様のことが好きになりました」


わたしは出会ったその日に、イレーレナと二人だけの世界に入っていった。


それからは、イレーレナに夢中になっていく。


毎日のように愛を語り合い、仲を深めていった。


これで、わたしがフローラリンデのことを嫌いになっても、恋人がいるので心が痛くなることはない。


婚約破棄に進んでいってもいいのでは。


そう思っていたのだが……。


フローラリンデと会うのは一週間に一度ほど。


しかし、会う度に、やさしくて思いやりのある女性だと思っていく。


こういう女性は決して嫌いではない。


父親や母親の評判もいいし、公爵家全体の評判もいい。


「いい公爵夫人になられるに違いない」


期待の声も高まってきていた。


しかし……。


それでもわたしは、フローラリンデに心が傾かない。


イレーレナよりもフローラリンデの方が結婚相手としてはいいのかもしれない。


しかし、わたしはゴージャスな女性がいい。


フローラリンデはゴージャスでないので、イレーレナの方が好みだ。


イレーレナとは二人だけの世界に入っていき、仲を深めていくことができている。


しかし、フローラリンデとはそういう気分になれない。


今まで十人もの女性と二人だけの世界に入っていったわたしなのに……。


イレーレナとは会う度に好きになっていくのに、フローラリンデとは何度会っても好きにはなっていくことがない。


フローラリンデとは会うこと自体も苦痛になってきた。


婚約破棄すべきだろうか、と思ってくる。


とはいっても、嫌いにまではなっていない。


性格はいいし、癒されるところはある。


周囲の評判がいいのも、理解ができないわけではない。


婚約者ではなく、異性としてでもなく、普通に接するだけの関係であれば、むしろ好意を持ったかもしれない。


しかし、このままの状態でいるわけにもいかない。


婚約したままでいれば、いずれ結婚というところに到達することになる。


それは避けたいと思っていた。


「面白い」


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