表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/94

第十話 異母妹

異母姉の母の実家の子爵家は、我が子爵家とほぼ同格。


いくら継母でも、おいそれとは異母姉をこの家からは追放できない。


異母姉の母は浮気をしたから離婚したのであって、継母にたてつくぐらいの理由では無理だ。


そんなことをしたら、家と家との対立に発展してしまう。


その点、わたしの母は男爵家出身である為、立場としては弱い。


しかも、今の当主は、わたしの遠縁。


わたしのお母様は一人娘。そして、この家に嫁いだ。


後継ぎがいなかったので、養子を迎えたのだ。


お母様とそのお父様、すなわちおじい様の二人がこの世を去り、後をその養子が継いでからのブリュナ男爵家は、すっかり遠い存在になってしまった。


その養子である現当主は、心の狭い人物という評判がある。


その為かどうかはわからないが、我が男爵家との関係は決してよくない。


わたしは何度か男爵家を訪問しようとしたことがあるのだが、リランテーヌ子爵家の人間ということで、すべて断られている。


わたしが異母姉と同じ態度を取ったら、多分この家を追放されてしまうと思う。


いや、同じ態度を取らなくても、もう追放されることは決まっているのではないかと思っている。


まだ少しだけ追放されない可能性はあると思っているけれど……。


追放されたとしても、男爵家からは多分知らん顔をされるだろう。


その為、事実上、わたしに頼るべき家はない。


そうなったら、どうすればいいんだろう……。


そう思っていると、


「お母様、異母姉、今は言い争っている場合ではないと思います。今日の会議の主題はそういうものではなかったはずです」


と異母妹が言った。


「そうだった」


と継母が言うと、


「そうだった」


と異母姉も言う、


それまで怒りを燃え上がらせてきた二人は、我に返ったようだ。


「いずれは、わたしが後見役になるつもり。でも、今はその話をする時ではないわね」


「あなた、まだそういうことを言っているの? 後見役になりたいだなんて、わたしの前でよく言い続けられるわね」


「言っちゃいけないんですか? 言うのは人の勝手だと思いますけど」


「わたしがこれから後見役をして、この子が成人するまで補佐するのがわたしの役目なの。いい加減、この話はしないでちょうだい!」


と継母は言う。


それに対し、


「あなたがわたしを後見役になることを認めるまで、何度でも言い続けます」


と異母姉は反撃する。


「ふざけないで!」


「ふざけていません! ふざけてこんな話ができると思っているんですか!」


「ふざけているから、こういう話をし続けるんでしょう!」


にらみ合う二人。


やがて、


「まあ、今日はこれくらいにしておくわ。それよりも大切な話があるものね」


と異母姉が言うと、


「あなたには、まだまだいろいろ言いたいけど、また後にするわ」


と言った。


そして、再びわたしにその矛先を向けてくる。


「あなたは、婚約を破棄されることによって、この家の名誉を著しく傷つけた。このことについてどう思っているの?」


継母の口調はさっきよりも厳しい。


異母姉との言い争いで増大した怒りを、そのままわたしにぶつけてきているようだ。


「ルアンソワ様は、浮気をしていました。それを反省するどころか、開き直ったんです。わたしに、浮気した相手との共存を求められました。お継母様も異母姉様も同じ立場になったら、嫌だと思うでしょう?」


二人は黙って聞いている。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ