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賢者様、貴方をパーティーから追放させてください!  作者: 鳥路
第6章:霊峰「オードガリア」/貴方に寄り添う舞鳥の祈り

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11:第四問:得意に頼ってばかりな君から得意を奪ったら

一方、オードガリアの山道にて

別行動をしている私とヴェルは魔物を退治しながら別ルートで山頂を目指していました


「はっ!」

「お見事、パシフィカ」

「いえいえ。教え方が上手いからここまで上達できたのですよ」


私の課題は「剣以外の戦い方を模索する(ただし、自爆特攻は禁止)」

言われてみれば、剣を使用せずに戦ったことは一度たりともない

剣を封じられたら、私は頑丈なだけの精霊に成り下がるだろう

もしものパターンを想定して戦いのレパートリーを増やすことは、今後の私だけでなく共に旅をすることになる皆の為にもなる


「もう教えることはなさそう。君はもう悪魔神拳の使い手だよ」

「神の拳なのか、悪魔の拳なのかはっきりしてほしい名前ですね。まあとにかく師匠のお眼鏡に叶ったと言うことでいいのでしょうか」

「そういうことでいいよ」


凄く雑な師匠としてヴェルを迎えたが・・・彼女はやはり強い

正直、丈夫でよかったなと思わせられる攻撃を何度もされた


・・・ミドガルでの戦闘は本当に運がよかったのだろう

舞園と深見という強力な助っ人の介入、永羽としての能力覚醒

その二つがあったからこそ、あの段階で彼女に「敗北の一撃」を与えられた

油断していない彼女は、本当に全力で挑むことになる彼女はきっと近接戦だけに搾ればこの場にいる誰よりも強い


「しかし貴方、ミドガルでの戦闘・・・こう言っては何ですが、真面目にやれば勝てたのでは?」

「そうだね。でも、水はともかく舞園は強いよ」

「水はともかくって・・・彼女も十分強いではないですか」

「水は術を発動できれば敵無し。でも、あの狭い場所で能力は使えない。あの渦を見たらわかるでしょう?」

「ああ・・・」


アングスフェアリレンの破片を回収する役を担っていた深見さんは巨大な渦を出して、破片を水流で集めていた

確かに言われてみれば、広いところでしか能力が使えないような存在ではある

逆に狭いところであれば能力を制限する必要が出てくるため、彼女の力は大きく落ちてしまうといったところか


「水は広い場所でこそ真価を発揮するタイプ。だからあの人は本気で攻撃できる場所が限られている分、戦場次第で勝機は見つけやすい。ミドガルでの戦闘は水だけであれば余裕で対処できた」

「・・・」


「一方で舞園。あいつは舞桜の性能だけでもエグいのに、本体も機動力が高い。あいつ、素の戦闘力が高い」

「・・・一般人ですよね?」

「うん。だからあいつが一番訳わからない。お姉ちゃん観測も使いたいから何度も再戦希望してるのに、害虫を見たような目を向けながら拒絶してくる」


女性恐怖症だから絡まれるのが嫌なのか、それともヴェル自体が嫌いなのか

・・・こういうのも申し訳ないのだが、これは両方だろうな


「どうやったら再戦して貰えると思う?」

「ちょっと難しいと思います」

「魔法使いに土下座するところからはじめた方がいい?」

「おそらく彼も「ん〜桜哉の意志が優先だから、僕としてはノーコメント!」と言うかと」

「魔法使い使えない・・・」

「貴方、色々して貰っているのにすぐそれ言いますよね・・・」

「事実使えないもん。役に立たないもん。置物の方が便利・・・ではないけど、ここでは便利だって言っとくもん」

「彼で役に立っていないなら、役立ちハードルが馬鹿みたいに上がるんですけど。他の人にも言うんですか、それ」

「時雨と水と鳥には言わない。舞園と魔法使いには言う」

「格差ぁ」


とりあえず、ヴェルは後で永羽と一咲にきちんと教育をして貰った方がいいのではないだろうか

きちんと、目上の人は敬うとか

何かをして貰ったらありがとうだとか、当たり前のことをきちんと言い聞かせないと

今はまだ大丈夫だけど、いつか他人相手に粗相をしでかす可能性がある・・・


「ところでパシフィカ。一ついい?」

「なんです?」

「その封筒はどういう意味なんだろうね」

「ああ・・・」


課題を終えたら燃える封筒

それが燃えたら課題クリアと確認する手はずなのだが・・・


「私の封筒、半分しか燃えないってどういうことなんでしょうね」

「普通全部燃えると思うけど」

「ですよねぇ・・・まだ何か足りないと言うことでしょうか」

「けど、私が教えられることは全部教えたはず」

「まだ何かあるとしたら・・・これですけど」


羽根を出現させ、小さく動かしてみる

パタパタと動き、浮く程度の力を発揮することができる私の羽根

しかし私はその羽根の性質上、飛ぶことはできない


「飛べるの?」

「浮く程度ですよ。貴方たちみたいに右や左にばびゅーんとはできません」

「・・・ばびゅーん」

「ばびゅーんです。飛ぶ音をばびゅーんと言うでしょう?」

「太陽の精霊界隈ってかなり頭悪い?」

「ばびゅーんおかしいんです!?」

「おかしいとはいってない。それを当たり前のように使っている太陽の精霊の頭に不安がある程度で」

「おかしいって暗に言っているじゃないですか!」


おかしい。ソレア様は言っていた


『ばびゅーん?おかしくないわよ』

『私見たのよ。白い鳥がばびゅーんと言いながら飛んでいたの』


「だからばびゅーんって飛ぶのは当たり前なんでしょ!?」

「どこの常識かわからない・・・もぐ」

「私、それがずっと常識だと思っていたのですが」

「流石にそれはまずいって、パシフィカ。常識捨てよ?それとはばいばいしよ?」

「うん・・・」


今まで常識だと思っていたことが、こんなところで常識ではないと言われるだなんて

なんとなくショックを受けつつ、私は封筒をポケットの中に入れ込む


「おほん。とにかくですが、現状の私は浮く程度。飛び回ることはできません」

「だろうね」

「飛ぶことが残りの条件とするなら、現状解決が見込めません。封筒を完全に燃やすことはできないので、ここは一時的に置いておきましょう」

「おーけー。そして流れで私の課題というわけね」

「そうですね。ところで、ヴェルの課題を改めて教えてくれますか?」

「ざっくりと言えば「役割が被っているパシフィカと自分の役割を差別化せよ」」


封筒を見せながら、改めて彼女は課題クリアの条件を教えてくれる

確かに私とヴェルは役割が被っている

私の課題クリアの為に、武術を教え込んだことで彼女との被りは更に悪化している訳なのだが・・・


「もぐ」


・・・彼女はこれを、どうクリアするのか考えているのだろうか

安心してくれパシフィカ

うちのインコは「ばびゅーん」って言いながら飛ぶ

ばびゅーんは常識だ

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