表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/365

16. サラ様を称える会

すみません! 15話が抜けてました! 本日3話投稿してます。(15、16、17)

『サラ様を称える会』は、パン屋のジムが作った非公認組織である。

 主な活動内容は、サラのアイディアを基に新たな商品を開発することであるが、パンを初めとして、菓子や食堂のメニュー、酒の肴といった食べ物関係から、子供向けの教材や化粧品の開発、本の執筆、マッサージの技術指導まで多岐に渡る。

 リュークが参加した1年前のメンバーは、パン職人2名、宿屋の主、畜産農家、小麦商人、老騎士ガラハット、リュークの7人だったが、現在は30人ほどに増えていた。ちなみに、初期メンバーの7人は『神セブン』と呼ばれている。

 メンバーは交代で会議に参加し、1つのテーマについて多方面から意見を出し合い、商品を完成させていった。

 どの商品もクオリティが高く、社会に役立つものであったため、密かに王都では『サラ様を称える会』は『S会』という謎の組織として、認知度を急速に広めている。

 メンバーは会議中、基本的に本名では呼び合わず、コードネームを使用していた。

「日常の自分から解放されることで、斬新なアイディアが生まれるのよ」

 という、サラの発案だった。

 メンバー達は初め半信半疑だったが、実際にあだ名……もといコードネームで呼び合ってみると、お互いの立場やしがらみにとらわれず、自由に意見が出し合え、パフォーマンスが向上していることに気付き、『サラ様、マジ、パネエ』と一層サラを称えることとなった。

 メンバー達は、リュークが魔法で作ったプロフィールカードに、コードネームと職業、今までの功績、コメントを入力して持ち歩いている。お互いに街ですれ違ったとき、すっ、すっ、とカードを見せ合い、ニヤリ、とすることが密かなブームになっていた。


「で、これが君のカードなんだ」

 今日の会議は宿屋の食堂で開催されるため、宿屋に向かう道すがら、リュークはリーンとシズに『サラ様を称える会』について説明を行っていた。

 リーンはリュークの黒いカードを手に取り、光に透かしたり、魔力を込めたりして遊んでいる。武器屋の会員証や冒険者カードを参考にしたものだろうが、無駄に高度な魔術が使われている。リュークの本気がうかがえた。

 が。

『コードネーム;黒フード 

 職業;商人 

 今までの功績;星降るミルクパン開発補助 

 冒険者入門書「武器屋が教える お薦め魔法1~3」

「うっかりドラゴンに出会ったら」執筆 

 コメント;神セブンの一人。爪が伸びやすいのが悩み』

「…………」

 リュークのプロフィールカードを見たリーンは、立ち止まって黙り込んだ。

「……何だ?」

「リューク」

 リーンの目が、うっすらと滲んでいる。

「……さっき、爪切りの邪魔してごめんねええええ!!」

「何だ!? 何故、抱き着く!?」

「男にも見境ないのですか? リューク様、折ります?」

「折ってくれ」

「折らせないよ!? 全身全霊で守るよ!?」

 黒フード、美貌のエルフ、グラマー美女が仲良く(?)騒いでいると、宿屋から主人のトーマス(コードネーム;機関車(サラ命名))が顔を出した。

「よう! 黒塗りの兄ちゃん。今日は連れも一緒か?」

「黒フードだ」

「うわ。二人ともえらい美人だな。あ、エルフの方は男か」

「よろしく」

「よろしくお願いいたします」

「おう! よろしくな。今日は先生、休みなんだろ? パン屋から聞いてるぜ。ま、ゆっくりしていけよ」

 朗らかに挨拶を交わして、トーマスは三人を手招きした。


 昼の営業を終えた店内には、5名ほどのメンバーが集まっていた。男性4名、女性1名だ。女性は近くの教会で孤児の世話をしている30代半ばのシスターだ。

「はじめまして。サラ様の侍女でシズと申します」

「「「「おおー!」」」」

 若いシズの登場に、男たちは色めきだった。「若い!」「可愛い!」「胸でけえ!」と歓声が上がる。その反応に、シスターの笑顔が凍り付いた。

「神よ、罪深き男たちに永遠の苦しみを与え給え」

「「「「怖えよ、シスター!」」」」

「具体的には、○○○が破裂しますように」

「「「「「「やめてええええ!!!」」」」」」

 なぜか、リュークとリーンも青くなって叫んだ。シズは無言でシスターとがっちりと握手を交わすと、目を見て頷きあった。どうやら、女達は分かりあったようだ。


いつもありがとうございます。

次回で、第一章の前半が終わりです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ