06. 喫茶店デート
*
(――うん。これならまあ、大丈夫かな)
念のため二度見直してから、解答用紙を裏向きに伏せる。
講義台に置かれた時計を見ると、時間はまだ半分以上残っていた。
50問って結構な問題数だけれど。全て三択問題でマークシート式だったこともあり、解くのにさほど時間は掛からなかったようだ。
80点以上で合格だから、10問までなら間違ってもオーケー。
どれも本当に簡単な問題ばかりだったから、これで10問以上間違っているということは無いだろう。
もちろん『間違ってはいけない問題』をミスして、一発で不合格になる可能性もあるから、絶対ではないけれどね。
「……あっ」
解答用紙を机に伏せて、スミカが席から立ち上がると。奇しくも全く同じタイミングで席から立ったらしく、隣の冷泉から小さな声が漏れた。
その可愛らしい反応を見て、思わずスミカの表情が綻ぶ。
「思った以上に簡単でしたね」
「そうだね。真面目に講義さえ聞いてれば、まず落第はないかな」
「……まあ、こんなこと言ってて、落ちてたら情けないですけれど」
「それはそう」
講義室を出たあとに、廊下で冷泉と小声で話しながら笑い合う。
充分に見直しもしたし、大丈夫だとは思う。
もしこれで落ちていたら、その時はその時だ。
ちらりと腕時計を確認すると、現在の時刻は15時18分頃。
合格者の発表と仮免許資格証の発行は16時30分からなので、まだ1時間以上の待ち時間がある。
掃討者ギルドは結構大きい施設なので、中を散策するだけでもそれなりに時間は潰せそうだけれど……。とはいえ、1時間以上となるとキツいか。
「近くの喫茶店で時間を潰そうと思うけれど、冷泉ちゃんがお暇なら、よかったら付き合って貰えないかな?」
「あっ、はい! 私でよろしければ喜んで!」
スミカが提案すると、即座に冷泉はそう答えてくれた。
きっと彼女も、よく知らない土地で時間をどう潰すか悩んでいたんだろう。
「近くに『コロラド』があるのを見たから、そこでいいかな?」
「コロラド?」
「ドトールコーヒーは知ってる? それの系列店みたいなものなんだけれど」
「あ、ドトールは知ってますし、利用したことも何度かあります。へー、ドトールに系列店とかあったんですね。全然知りませんでした」
「あんまり店舗数も多くないし、近くになければそういうものかもね」
ドトールがセルフサービスのお店なのに対し、コロラドはフルサービスのお店。店員さんが席まで注文を取りに来てくれて、調理した料理を席まで運んできてくれる、普通の喫茶店になる。
もちろんドトールと同じく、コーヒーの味は良好。まだ夕方と言うにはちょっと早いこの時間なら席も空いてそうだし、快適に時間を潰せるだろう。
まあ、冷泉みたいな可愛い女の子と一緒に過ごせるなら、どんな場所であっても幸せな時間なのは約束されてるようなものだけれどね。
というわけで掃討者ギルドの建物を出て、近くのコロラドへ。
店員から好きな席へどうぞと促されたので、有難く奥側の席を使わせて貰う。
「チェーン店なのに、落ち着いた内装なんですね」
「ちょっとレトロな感じがいいよね」
「メニューに載ってるデザートに、いくつか見覚えが……」
「あはっ」
冷泉の言葉に、思わずスミカは軽く笑ってしまう。
ミルクレープを始めとしたドトールの定番スイーツは、コロラドでも同じように販売されている。
なのでドトールを知っていれば、そういう感想が出るのは当然だろう。
「……仮免許が取れたら今日からダンジョンに入ってみるつもりだし、軽くお腹に入れておこうかな。冷泉ちゃん、クラブハウスサンド半分食べてくれない?」
「あっ、はい。喜んで」
店員を呼び、クラブハウスサンドとミルクレープ、キリマンジャロを注文。
冷泉はモンブランと紅茶を注文していた。年齢がまだ若いので、コーヒーはあまり好きじゃないのかもしれない。
「そういえば……本免許を取得する際には、本当にお姉さんの家に泊めて頂いても構わないんでしょうか?」
「うん、それは大丈夫。ただし親御さんには、ちゃんとその旨を伝えておいてね」
未成年の女子が家に帰ってこないとなれば、親御さんが警察に捜索を依頼する、という事態も有り得る。
なので家への連絡についてだけは、ちゃんとして貰う必要があった。
「……その。好意に全力で甘えてしまうみたいで、非常に申し訳ないのですが。よろしければ今夜も泊まらせて頂けませんか」
「うん? ――ああ、今日と明日でレベルを『1』に上げてしまうつもりかな?」
「はい。わりと2日ぐらいで、なんとかなるらしいので」
本免許の取得手続きをするためには、ピティ狩りでレベルを『1』に上げ、予め『祝福のレベルアップ』を経験しておく必要がある。
交通費が嵩む以上、冷泉が今回の来訪でキリの良いところまで片付けておきたいと考える気持ちは、判らないでもない。
「家にちゃんと連絡を入れてくれるなら、もちろん泊まってくれて構わないよ」
「ありがとうございます。お世話になります」
「よければ私も少しだけ、親御さんと電話でお話しをさせて貰ってもいいかな? 娘さんを一晩お預かりしますって、ちゃんと挨拶しておきたいから」
「あ、はい。それはもちろん」
話がちょうど纏まった辺りで、店員がまず飲み物を席に届けてくれた。
立ち上るキャラメルに似た香りに、思わず表情がほころぶ。
コーヒーを愛する人間に、この香気が嫌いな人なんて居ないだろう。
フレッシュと砂糖は入れずに、そのまま頂く。
酸味こそ強めだけれど、苦味が殆どない軽い飲み口。後味も良いので、今みたいにちょっと喫茶店で時間を潰す際に飲むには適している。
「あの、今更ですが……。私、冷泉フミって言います」
「可愛い名前だね、よく似合ってる。フミちゃんって呼んでも?」
「あ、よろしければぜひ呼び捨てでお願いします! 嫌なわけじゃないですけど、この年になってちゃん付けは……ちょっと恥ずかしいので」
「じゃあフミって呼ばせて貰うね。私は祝部スミカ。名前でも『お姉さん』でも、好きに呼んでくれていいよ」
「で、では、スミカ姉様とお呼びしても⁉」
「……い、いいけど?」
なぜか前のめりにそう提案してきたフミに、軽く戸惑いを覚えつつも。スミカはすぐに頷くことで答える。
そう呼ばれること自体は、もちろん嫌じゃないからね。
「す、スミカ姉様」
「うん。なにかな、フミ」
「あっ――。ご、ごめんなさい。ちょっと呼んでみたかっただけで」
「そう?」
今まで何人もの女の子と付き合ってきたし、中には年下の子も多かったけれど。スミカのことを『スミカお姉ちゃん』と呼ぶ子はいても、『スミカ姉様』と呼ぶ子はいなかった。
だからなのか、初めての呼び名に、ちょっとだけ新鮮な気持ちがする。
同時に、姉様と呼んでくれるこの子のことを、ちゃんと守ってあげなきゃいけないという、強い気持ちが湧いた。
「フミは今日仮免許が取れたら、早速ダンジョンに行くつもり?」
「はい。とりあえず今日のうちに少し体験して、明日は1日中潜るつもりです」
「なるほど。じゃあ私も今日は、フミに同行してもいいかな?」
「えっ。スミカ姉様も、すぐに潜られるおつもりなんですか?」
「うん。お金のこともあるから、早く充分な収入を得られるようになりたいしね。
ああ――もちろん仮免許の試験に受かってたらの話だけれど」
「あはっ。それはそうですよね」
フミと一緒に、くすくすと笑い合う。
特に難しい問題も無かったから、たぶん受かっているだろうとは思うけれど。
とはいえ、まだ結果が出ていないのだから、絶対ではない。
「まあ、私はフミと違って武道の経験もないから、魔物との戦闘ではあまり頼りにならないかもしれないけれど」
「ですが、スミカ姉様は普段から何かの運動をされていますよね?」
「……え? どうしてそう思ったの?」
「このお店まで徒歩で移動する間の姿勢を見れば、スミカ姉様の体幹が安定しているのは一目瞭然でしたから。たぶんジョギングとか登山とかフットサルとか……、それなりに足腰を使う運動をよくされているのではないでしょうか?」
「おお、そこまで判るものなんだ……」
思わずスミカは、フミの観察力の高さに感心してしまう。
確かに彼女の指摘通り、スミカは運動としてジョギングやサイクリングを楽しむことが普段からよくあった。
とはいえ軽く汗を流した程度で満足してしまう性格なので、運動時間はせいぜい毎日20分から40分ぐらい。長くても1時間は超えない程度なので、さほど真剣にやっているわけでもないけれど。
「――失礼致します」
そんな話をしていると、ほどなく店員さんが料理を席まで届けてくれた。
セルフサービスのドトールも悪くないけれど。やっぱりちゃんと席まで届けてくれるコロラドのほうが、くつろげるのもまた事実だ。
「わ、サイズは小さめですけど、具沢山のサンドイッチなんですね」
「美味しいけれど、ひとりで食べると意外にお腹が膨れちゃうんだよねぇ……」
コロラドのクラブハウスサンドは、間に薄焼き卵とベーコン、トマトにレタス、更にはチキンまで挟まれており、フミの言う通り本当に具沢山。
しかもパンを3枚使い、パンとパンの間にそれらの具材が全て入っている。つまり5種の具材が2層もあるという、なかなかの贅沢っぷり。
当然、お値段もそれなりにするんだけれど。とはいえ、しっかりお値段分以上の美味しさが味わえるので、誰にでも全力でオススメできる一品だ。
どの具材も味の主張があまり強くないので、一口目を齧った瞬間だけは、ちょっぴり味が薄いように感じられたりもするんだけれど。
二口、三口と齧っていくと――卵の味わいとベーコンの塩気、トマトの酸味、そしてたっぷり塗られたバター。その全部を一度にちゃんと楽しめるよう、計算されたバランスなんだってよく判る。
喫茶店でこのレベルのサンドイッチが普通に出てくるっていうのは、なかなか他店だと考えられない。もちろんコーヒーとも相性が良いので、言う事なしだ。
ちなみにスミカが一番気に入っているのは、具材よりもパンだったり。
コロラドで使っているパンは、明らかにサンドイッチ専用に用意されたもので。薄めのパンをカリッと香ばしくトーストしてあって、凄く美味しいのだ。
薄いのに食べごたえは充分で、妙に腹持ちも良い。どこのコロラドで食べても必ずこのパンが使われているんだけれど……。どこかのパンメーカーと契約して届けてもらっている品なんだろうか?
「今までコロラドを知らなかったことが、少し悔しくなるぐらい美味しいです」
「ギルドのすぐ近くにあるんだし、今後はちょくちょく来られるんじゃないかな」
「そうですね、楽しみにしたいと思います」
そう告げるフミは、スミカが一切れ目を食べ終わるより先に、二切れ目もペロリと平らげていた。
どうやら本当に気に入ってくれたらしい。自分が好きなものを相手も気に入ってくれるのは、地味に嬉しいものだ。
それからフミと一緒に、飲み物を味わいながら雑談に花を咲かせる。
自分のこともそこそこに話しつつ、それ以上に普段フミがどういう暮らしをしているのかについて教えてもらった。
残念なことに――フミはあまり、学校では友達が多くないらしい。
学生のうちになるべく多くの交友を持ちなさいと、そう父母や祖父から言われているため、彼女自身は周囲と積極的に関わろうと努力しているらしいんだけれど。
なぜかクラスメイトからは、一定の距離を置かれているように感じるそうだ。
(……なるほどねぇ)
距離を置こうとするクラスメイトの気持ちも、判らないではない。
フミは背こそ12歳の女の子相応に低いけれど。年齢のわりに顔立ちがシャープで、目つきが鋭く、加えてはっきりとした物言いを好むところがある。
そうした子供らしからぬ特徴は、大人の目からすれば『利発的な少女』として、好ましく映るものなんだけれど。彼女と同じ12歳ぐらいの子供からすれば、少し怖い印象を受けかねないな――と、そう思えるからだ。
……特に、目つきの鋭さが致命的かな。
フミにその気が無くても、周囲の子達は、まるでフミから睨めつけられたかのように感じることがありそうに思える。
子供というのは誰かが自分を『睨んだ』とか、そういう些細なことをとやかく気にする傾向がある。フミから嫌われていると、勝手に勘違いする子もいそうだ。
(何もアドバイスできないのが、心苦しいなあ……)
フミが置かれている現状はなんとなく察せても、かといって現状を打破するための助言が頭に浮かぶわけではない。
そもそもスミカもまた小学生や中学生の頃には、周囲から距離を置かれており、友達を殆ど作れないでいたのだ。
原因は、当時のスミカの身長がかなり高かったせいだ。
なにしろ女子でありながら、クラスメイトの男子のほぼ全員を上回っていた。
そのことが男子たちのコンプレックスを大いに刺激したんだろう。男子たちからは『デカ女』とさんざんに馬鹿にされ、また男子の大半が嫌っている相手ということで、殆どの女子からも距離を置かれた。
当時からスミカは同性愛者なことを自覚していただけに、仲良くなりたい女子からも距離を置かれたことが、とてもショックだったのを覚えている。
「仲良くなれる相手とだけ、交友を持てば良いと思うよ」
とりあえず話を聞いてしまった以上、何もアドバイスをしないというわけにもいかないから。スミカはそうフミに伝えることにした。
「仲良くなれる相手とだけ……ですか?」
「うん。私もフミと同じぐらいの頃は、周りから嫌われていたんだけれどね――」
とりあえず、似たような事例としてかつての自分の境遇を知れば、少しはフミの心も休まるだろうと。そう思いながら自分が子供だった頃の話をしたんだけれど。
その話を聞いたフミは逆に、たちまち憤慨してみせた。
「なッ――なんですかそれ! 背が高いだけで、理不尽にも程があります!」
「フミ、ちょっと声を抑えて抑えて。ここお店の中だからね」
「あっ……。そ、そうでした。失礼しました」
スミカから指摘を受けて、恥ずかしそうに身を縮めるフミ。
まるで自分のことのように怒ってくれたフミの気持ちが、あまりにも嬉しくて。俯いてしまったフミとは対照的に、スミカの表情は自然と笑顔になった。
――本当に良い子だ。
都の条例とかが怖いから、流石にこの年齢の子を好きになってしまうわけにはいかないけれど。もしも桎梏が何もなかったなら、きっとすぐにでもフミに対して何らかのアプローチをしてしまっていただろう。
「……で、話は戻るけれど。私はクラスメイトとは仲良くなれなかったから、主に近所に住んでいる大人の人たちとばかり交友を持ってたんだ」
「そうなんですか……。でも、同年代の友達が居ないと困りませんか?」
「これが意外なほど全く困らなかったんだよね。勉強で判らないところを教えて貰えたり、車を持ってる人によく連れ出して貰えたりしたから……むしろ同年代の子と友達になるより、大人と付き合うほうがメリットが多かったかも?」
「な、なるほど」
ちなみにスミカが初めて同性の『恋人』を得たのは、中学1年生の時。
付き合った相手は大学2年生のお姉さんで、その人からもスミカは色々と大切なことを教わった。
3年ほど付き合った後に些細なすれ違いが原因で別れてしまったけれど。スミカの人生に沢山の学びや喜びを与えてくれたのを、今でもとても感謝している。
スミカが最初にえっちなことを教わった相手も、そのお姉さんだった。
今にして振り返れば――当時はまだ中学生だったスミカによく手を出そうと思えたものだと、感謝だけでなく少し感嘆もしてしまうが。
「それに、私の時もそうだったけれど。高校生や大学生になれば、内面をちゃんと見てくれる人も多くなるから。無理にいま頑張らなくても、高校生になれば自然と友達はできると思うよ」
「……そういうものですか?」
「うん。フミはとても誠実で性格も良いから、すぐにでも友達になりたいって子が絶対に出てくると思う」
ある程度の人生経験を積めば――それこそ、高校生ぐらいにでもなれば。相手の人柄が善良か否かなんてことは、少し会話するだけで自然と察することができるようになるものだ。
また、そのぐらいの年齢に達すれば、外見だけで相手の人間性を理解したつもりになるのは、精神的に未熟な人間だけになる。外見から受ける『第一印象』だけで距離を置こうとするような人は、殆どいなくなる筈だ。
精神面の成長が遅い相手とは、進んで仲良くなる必要もない。そういう意味でも『仲良くなれそうな人とだけ交友を持つ』のは、最善解となり得るはずだ。
そのことを、なるべく判りやすいように噛み砕いて説明すると。
短時間だけ悩んだ後に、フミは「なるほど……」と頷いてみせた。
「言われてみれば……。中学校なんて、人生で短期間だけ所属する通過点でしかないんですよね。人生の本番は大人になってからなので、別にいま同年代の友達ができなくても、気にしなくて良いのかもしれません」
「その調子その調子。あんまり悩まず気軽に、自分にとって生きやすいように考えて日々を過ごすぐらいで、ちょうどいいと思うよ」
「なるほど……。で、では――スミカ姉様が、私にとって最初の『大人の友達』になってくださいませんか?」
「私でいいなら、もちろん! 仲良くしてくれると嬉しいな」
にこっとスミカが微笑むと、フミは少し照れくさそうに顔を赤らめてみせた。
その表情があまりに可愛らしいものだから。
(……私、ホントに自制できるかなあ……)
スミカは内心で密かに、自信を失くしたりもしていた。
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□コロラド
正確には『カフェコロラド』。
ドトールコーヒーが経営、またはフランチャイズするフルサービスの喫茶店。
東京やその近隣県に住んでいる人で、ドトールコーヒーショップを知らない人なんて殆ど居ないだろうけれど、コロラドを知っている人は案外少ないかも。
あるいはコロラドという店自体は知っていても、ドトールと関係があるとは知らないケースも少なくないかもしれない。
実際に、白鬚東アパートの近くには鐘ケ淵店がある。
クラブハウスサンドはちょっとお値段がするけど、マジで美味しい。
珍しいサンドイッチとしては『サバサンド』が常設メニューにあって、こちらは見た目こそちょっとイマイチなことが多いけど、味は結構イケる。
あと『スパゲティーグラタン』っていう、ホワイトソースグラタンの中にナポリタンが入っている、ちょっと変わったメニューもある。
一度食べてみたいんだけど、こちらは残念ながらまだ機会がない。
(※もしかしたら店によってメニューは異なるかもしれません)
店構えや内装がシンプルに纏められているドトールコーヒーと違って、コロラドはなかなか洒落た店舗になっていることが多い。
もっとも、コロラド店内の雰囲気が、いわゆる『コロラド州』のイメージに即しているものなのかは判らない。
だって、そもそもコロラド州自体について何も知らないし。アメリカの真ん中のほうにあったよね? とか、せいぜいそれぐらいで……。
実はコロラドの1号店が作られたのは、ドトールコーヒーショップの1号店が作られるよりもずっと早い。
嘗てはドトールコーヒーとコロラドの中間的存在である、ドトールコーヒーハウスという店舗もあった。――だが、もうなくなったッ!




