午前二時一分の詩…。
忘れかけてた夢
アフリカのサバンナ
駆け巡る草原
行ったことは、あるかい?
本当の地平線を
まだ見たことが、ない。
シマウマの群れも
ヌーたちの水浴びも
獲物狩る弱肉強食のジャガー
屍群がるハイエナたち
僕は、その匂いも、亜熱帯の気候も知らない
ジャングルの涙
スコール
時折しか見せない
砂漠に落ちる乾季の涙
雨季。
乾燥地帯に群生する巨大サボテン
灼熱の赤い大地より
悠久の遥か高い高い空…遠い空…より高く
そびえ立つ
何も言わずに 何も語らず
僕は、まだ…知らない
未踏の地に
踏み入れたい
どこか命の取り引きをして
怖がっている
だからこそ、そこに、行きたい。
もう…良いじゃないか
コンドルの鳥葬に、憧れる。
そこに、置いておいて欲しい。
僕の亡骸。
僕だけで、良い。
古代の民たちと眠れるのなら…躍れるのなら
それが、良い。そうしたい。
コンドルになって
赤い大地を飛ぶ。
巨大なサボテンたちよりも
高く…高く…。
遥か赤い大地を…砂漠を…石と砂の世界を…
巨大渓谷の迷宮
より
遥か彼方の赤い地平線の大地…見下ろして
忘れてたもの想い出す…乾季の涙。
雨季。
僕は、まだ、死んじゃいない。
コンドルに乗って
生まれ変わる。
赤い大地
巨大渓谷
まだ見ぬ巨大サボテンたち
シマウマたちの群れ
ヌーたちの水浴び
弱肉強食の亡骸
群がるハイエナたちの匂い
はっきりと
地熱にも蜃気楼にも揺らめき歩くジャガー
その匂い…脳裏に焼き付けて
地上に眠る巨象の白き巨骨
満天の星空
そこにこそ本当に見えた流星の光
コンドルさえ眠る
古代の人々が夢みる夜
宴の松明の明かり
何を語ろうか…
私…は、死んじゃいない。
僕…は、死んじゃいない。
言霊さえ超えて
言霊さえ超えて…
君は、生きてるんだ
僕は、生きてるんだ…。
僕は、死なない。
君も、死なない。
僕は、生き続ける。
君も、生き続ける。
灼熱の砂漠よりも熱く
極夜のマイナス零下よりも冷たく
氷よりも何よりも冷たく
固く
砕けず…溶けず…
ナウマン象さえも、閉じこめる
地層の中に、古代化石の恐竜さえも、閉じこめる
地球に眠る奥深く…
マントルさえも溶かしだして
赤く輝く…あたためる。
地球氷河期には、ちょうど良い。
宇宙に浮かぶなら
シンとして…
土星の輪を見てみたい
木星の縞模様に触れてみたい
海王星より高く
冥王星より遠く
遥か…遥か…遥か…
僕は、まだ、地平線を見たことがない。
その場所へと、行ったことが、ない。
ただ、ただ、遠くにいる…君
遥か…海の向こう側の
太陽の光さえ…反射する水平線
海の煌めきが…
輝きが…
なぜか、愛しくて…
愛しくて…
ただ、今は…
ひとりいる小さな世界。
世界を象る君の姿。
僕の目が映し出す独りよがり…
それより、彼方…
君想う夜空…に、
手紙を送る。精一杯の…




