穏やかな日々3
遅くなってすみません。
最近忙しく、今後の投稿も不定期になりそうです。
「ふう……」
波打ち際で戯れている女性陣を眺め溜息をつく。
「ははっ、どうしたんっすか、溜息なんかついて?」
笑いながら飲み物片手に近づいてきたケンジに思わずジト目を向ける。
「分かっていて聞いてるだろう、お前?」
「まあ、相変わらずアッシュの兄さんがセラの姉さんやカルノワに弱いってのは再認識したっすけどね。 それにしてもいいっすね~ 美女、美少女、美幼女が揃ってるってのは」
「幼女って…… ここには15歳以上しかいないぞ?」
ケンジの言葉に呆れると何を言っているんだと言わんばかりに力説しだした。
「いやいや、年齢は重要じゃ無いんすよ。 ようは見た目!! クーと後ぎりぎりアニスさんが幼女枠っす!!」
その言葉、クーはともかくアニスに聞かれたら殺されるな、ケンジ……
クーはその容姿を活かしておねだりやわがままを周囲にするがアニスは自分の容姿にコンプレックスを持っているように感じるからな。
やれやれと首を振り、女性陣に視線を戻す。
セラとリル、ケイトはビキニとか呼ばれる水着を着ている。セラが薄緑、リルが白、ケイトが黒色だ。
セラは精霊で人とは価値観が違う面もあるしリルは残念なところがあるから置いておくとしてケイト……女王がそんな下着みたいなもの着ていいのか………
クーはスク水とか言うのを着ている。胸元には白い長方形の布が縫い付けられ、そこに「くー」と書かれているんだが矢印の書き損じだろうか? 書いたのはケンジだし彼のいた世界の文字かもしれない。
アニスはピンクのワンピースでカンナは競泳水着とか言う物を着ている。俺にはスク水を含め違いが良く分からない。
レナと、リルに連れられて参加することになったリリアはセパレートタイプの水着だ。
こうしてみると男女比が酷いな。男2に対して女8なのはどうなんだ?
「アッシュもこっち来て遊ぼうよ!」
手を大きく振ってセラが呼んでくる。何人かも期待したような目を向けて来ていて断りずらい。
「呼ばれてるっすよ?」
にやつきながらからかうようにそんな事を言ってくるケンジの腹に1発いれ、女性陣の下に向かう……後ろから聞こえる呻き声は無視して。
*****
滞在最終日、早めに切り上げて別荘へと向かう途中セラがふと思い出したように
「そういえば今回の事がウリちゃんに知れたらどうなるかな?」
といきなり爆弾を落とした。
その言葉を聞いた途端カルノワの3人は顔面蒼白になり俺も冷や汗が頬を伝う。
「ウリちゃんってカルノワ最後の1人のウリエルさんの事ですか?」
「うん。 カルノワ最強にしてSランクに最も近い存在。 それでえ~っと、ケンジ曰くやんでれなんだって」
「やんでれ?」
セラの回答に聞きなれない言葉が混ざっていたのでアニスが聞き返す。
「そう。 良く分からないけどケンジ曰く典型的とか言ってたかな。 その内会うだろうし楽しみにしててね」
笑顔でそんな事を言うセラだが次にウリエルと会う時が怖い。
ああ、憂鬱だ……




