彼らの旅立ち
短いですがこれで1章完結です。
次回更新までそれなりにあくと思いますが応援よろしくお願いします。
「さて、そろそろ行くか」
アッシュの正体が判明してから2日後、アッシュとリル、カンナ、そしてルーフェリア亡命組はカーラルタの東門に馬車と共にいた。
アッシュとレナの会話をセラがアニスたちにも聞こえるようにしていたことが後で分かり、彼の本心を全員が知ったことでスムーズにソリア行きが決まったのだが、それを知ったアッシュの機嫌が悪かったのは言うまでもない。
ガーベルグ討伐の報酬を受け取ったり、旅の準備をするのに1日費やし、今日いよいよソリア聖王国に向け出発する。
「にしてもなんでお前もいるんだ、リル?」
「いいじゃない、別に。 ソリアには半年ぐらい行ってないし、ミアちゃんやクーちゃんにも会いたいし……」
しばらくカーラルタで活動すると思っていただけにリルも一緒に行くことを不思議に思うアッシュ。しかしリルは事もなげにそんな事を言う。
「ミアちゃんにクーちゃん?」
聞いたことが無い名前が出てきたのでリルに尋ねるレナ。
「そ。 2人ともカルノワね。序列はミアちゃんが2位でクーちゃんが4位」
「ちなみに俺が3位だ」
会話を聞いていたカンナが入って来る。
「カルノワって4人よね? 『剣聖の四黒姫』って書くくらいだから。 残った1位の人は?」
アニスが疑問に思って聞く。
「ああ、ウリエルって人だ。 ウリ姉はギルドが創った冒険者養成学校で非常勤講師してる。 Sランクに最も近いって言われるくらいの実力者だから会ったら驚くかもな?」
「冒険者養成学校って何ですか?」
「ギルドの本部がある大都市フリールにあるの。 お金はかかるけどいろんな知識や戦闘経験を教えてもらえて卒業すると在学時の成績によっては高いランクから冒険者になることもできるんだよ」
レナの質問にリルが答える。
「あの、そろそろ出発しませんか?」
いつまでも出発しそうにない雰囲気の中カーラが提案する。
「そうだな、あんまり遅くなると今日の目標地点までつけないかもしれないし。 出発するか」
そう言ってアッシュ所有の馬車に乗り込む一同。御者はカンナがする。
「それじゃあ、ソリアに向けてしゅっぱーつ!!」
そんな掛け声と共にカンナが馬を歩きださせ、カーラルタから旅立っていく。
少しずつ遠ざかっていくカーラルタを眺めるレナたちの髪を風が優しく撫でた……
1章完結です。




