カラス専用信号と袋犬と袋猫
高速下の道にあるまつげの生えた信号機は「カラス専用」で、左、中央、右、どの位置が点灯しても黒だった。
信号が変わっても発車していいか迷ってしまう。
「どうしてこうなってる?」
「ガードレールに袋犬と袋猫が干されているし、そのせいちゃう? 」
聞いたことにリアシートから返事が来る。
なんのこっちゃら、と思い窓の外を見ると、開かれて皮になった犬と猫がガードレールに布団を干すようにかけられている。
湿った毛と爪から滴る桃色の水。
綺麗に洗ってあるんだ。
犬袋を干していた禿頭のおじいさんは信号待ちの人と談笑している。二人とも朗らかな顔。
おじいさんの腕には何枚も重なった生の袋犬と袋猫がかかっているのに、ちっとも不思議そうじゃない。
嫌そうでもない。
それにしてもなんで袋犬とか言うんだろう。
巾着にでもするのかな。
よくわからない。
どんどん干される。
信号はどちらも渡らないまま変わってしまった。
いつの夢だか記録に日付はないけど今年だと思う。似たようなビジュアルの夢をもうひとつメモってある。
謎…




