食べちゃった
今朝の夢。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
大好きな作家さんから手書き原稿を受け取ったのに、つい食べてしまう。
食感は食パンのような感じ。
一口残ったところではたと気づいた。
残ったのはみみの角。
「指」という言葉だけ。
あとは思い出せない。
ここは作家の集まるパーティ会場。
真っ白なリネンのかかったテーブルを大勢で囲んでいる。
眼の前の白い皿の上には、私の食べた原稿のクズがまるっきりパンくずのように細々と散っている。
どうしよう。
何も知らない隣の席の女性は料理の美味しさ、これまで頑張って書いてきてよかったという言葉を口にし、同意を求めるけれど、私は上の空だ。
慌てて件の作家さんの席に向かい、頂いた原稿のデータは残っているかと尋ねる。
しかし作家さんは「手書きだし、私に渡した原稿が全てだ」と青い顔をして俯いてしまう。
申し訳なさすぎるくらい内容が思い出せない。
浮かぶのはしっとりとして心地よい食感ばかり。
なんてことをしてしまったのだろう。
目の前でしょんぼりと頭を垂れている相手に掛ける言葉もない。
隣で食事をしていた同士の女性作家さんが彼をなだめてくれている。
残った「指」を食べてしまえばピースが揃って「ひとつながりのお話」として浮かんで出てきはしないかとつまみ、咀嚼する。
何も出てこない。




