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【夢日記】内側を旅しても(stray thoughts.)  作者: 遠宮 にけ ❤️ nilce
2019年の夢

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ライオンの仔と別れる<FA:萩尾滋さんから>

 ライオンの仔を胸に抱いて土手を歩いていた。


 背骨の浮き上がった小さく痩せたライオンの仔だ。

 もやしのようにしなだれたしっぽ。

 逆立てた絨毯のような艶のない毛並み。



 ごっそり抜けた黄金色の毛が深緑のセーターにまとわりついて離れない。

 タンポポの綿毛の形にそっくりなものがいくつも。


 セーターの胸元を見下ろした時ごろりと何かが土手を転げ落ちた。

 川へ向かって転がり、草の根に引っかかって止まる。


 近づいてみると白くて丸いそれには黄金色の毛が貼りついている。

 頭蓋骨だ。

 抱いていたライオンの子の頭。

 白骨化しところどころ毛がくっついている。

 毛があるのは後頭部の方ばかり。

 顔面の方は灰色く濁ったスカスカした骨が露出している。


 頭蓋骨は蠢き、くぐもった声で何か唸っているが聞き取ることができない。

 聞き取れたとして、そもそも私にライオンの言葉などわからない。


 ばらばらにしてはかわいそうだと、胸に抱いた体を頭蓋骨の隣に下ろしてやる。

 体は良い子におすわりをして私を見送ってくれた。


 私は土手を上がり先を急ぐ。



挿絵(By みてみん)

萩尾滋さんから

https://mypage.syosetu.com/831976/

少し一人は心細かった気がします。

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