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【夢日記】内側を旅しても(stray thoughts.)  作者: 遠宮 にけ ❤️ nilce
2018年の夢

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37/138

ダイニングテーブルの川<FA:萩尾滋さんから>

 ダイニングテーブルの真下には川が流れている。

 足元ではパン屑のおこぼれを狙って群れた魚が、期待を胸に身を跳ね上げている。

 うっかりおろした足先から靴下に水が染みて、つま先からじわりと色を濃くした。

 きれいなグラデーション。


 コリー犬は、ボラのようにみっともなく跳ねる太った魚を狙って水面を見つめ、興奮し白い尾を振る。

 沸き立つグラタンのいい匂い。

 母の熱いから気をつけるのよ、なんて注意、川のことが気がかりで誰も聞いちゃいない。

 赤い革のソファーには濡れたカワニナやタニシが這う。

 弟が拾い並べた石の列を貝たちが乱すので、怒った弟はデコピンして貝たちを川へ弾き落とす。


 ああ、賑やかな食卓。

 どうしてこんなところを家にしたのか。



 この集落はみな家に川を持っている。

 小さな水路の上に建つ家。

 激しい流れを挟んで、かまぼこ板のようにやわい心もとない板を組んで建てた家。


 どうしてこんなところを家にしたのかって?

 それは疑問に浮かぶまでもなく当たり前のふつうのコトだからさ。

 爺さんの爺さんもそのまた爺さんもそうしてきたものだから。


 家に居ながらにして食うに困らない生活。

 悪くないだろう?

 と父が言うとコリー犬が魚を前足で跳ね上げた。

 魚が床で踊り、飛沫でワンピースが水玉に染まって、もう仕方ないなと思う。

 もう何を思ってもどうしようもないやって。

一度ちょっとだけ泊まってみたいと思いました


挿絵(By みてみん)

萩尾 滋さん から

https://mypage.syosetu.com/831976/

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