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推しの恋路応援前線!  作者: 赤いシャチホコ
第二章『夏』
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閑話 それぞれの夏休み①

今回からしばらくは各キャラの夏休みのなんてことない日常をお届けします!

俯瞰視点の練習も兼ねているので、違和感があればどんどん言ってくださいね!

与田佑の夏休み


 夏休みでも、佑の生活はあまり大きくは変わらない。

 夏休みでも週に三、四回は部活がある影響だろう。

 大抵は午前七時頃、遅くとも八時には目を覚まし、朝食を取る。部活がある日はご飯を、無い日にはパンを食べるのが佑のマイルールだ。


 この日は朝からの部活だったため、茶碗に多めに盛り付けた白米の上に海苔の佃煮を適当に乗せ、かき込んでいく。

 そして、しっかりと歯を磨き、鞄にラケットやシューズ、タオルといった必要な用具を詰め込んでいく。

 そうして準備を全て終えた八時過ぎ、佑は自転車に乗って暑い暑い外へと繰り出していくのだった。



 汗だくで学校に着いた佑は、この後にまた部活で汗をかくのを憂いながら汗を拭い、早足で体育館へと向かう。

 体育館に入ると、壮眞(そうま)夏樹(なつき)先輩といった先に来ていた部員から口々に声をかけられる。


「おはよ」

「おはよう」

「あ、おはよう」


 それぞれと挨拶を交わし合うと、佑も他の部員に混ざって部活の準備を始める。

 そして、部活開始時間になり、顧問の先生が暑そうにしながらやってくると、全員で挨拶をして活動を開始する。



 三時間ほどボールを打ち合い、汗をかくと部活終了の時間となる。

 体育館を使用する部活は多く、卓球部が終わるとすぐにバスケ部なんかが体育館に飛び込んでくる。

 それを見届けた佑は、疲れた表情を浮かべながら駐輪場に向かう。

 そんな佑の様子を、たまたま部活で学校に来ていた彼の『想い人』───千波は見逃さない。

 急に強くなる胸の鼓動を抑えながら、勇気を持って話しかける。


「あ、佑。今終わったとこ? お疲れ様」


 急に現れた愛しい声に驚きつつも、どうにか平静を保った佑が千波に答える。


「お、千波も部活か。お疲れ様」

「ま、私達は今からなんだけどね」

「そっか。じゃ、頑張れ」

「うん、ありがと」


 お互いに好き合っているのに、お互いにそれに気づいていない二人は、何の実りも無い会話を少しすると、すぐに別れていった。

 仮に二人の心の内を知っている人がこれを見ていたとしたら、もどかしいったらありゃしないだろう。

 と、そんな一幕も経て、佑は三度汗をかきながら自転車を漕ぎ、家を目指した。



 家に着くと、何をするよりも先に風呂場へと向かう。

 汗で体に張り付いたシャツを脱ぐのに苦戦する珍事もありながら、すっ裸になった佑は頭からシャワーで冷水を浴びる。

 そうして汗と疲れを流し落とすと、母親が用意してくれた素麺を食べる。

 それを終えると、楽しい楽しい自由時間。

 漫画を読んだり、ゲームをしたり、たまに我に返って勉強机に向かったり。

 佑の友人には部活をやっている人が多いため、昼間に誰かと遊び、というのはあまり無い。一人で黙々と遊べるタイプの人だから基本的に問題は無いが。


 その後は、日が落ち始めると同時に夕食を食べ、風呂に入り、深夜アニメを見てから寝床に着く。

 与田佑は、そんな変哲の無い普通の日々を愛し、繰り返している。

読んでいただきありがとうございました!


筆者の都合に付き合わせて申し訳ないですが、テスト期間が始まってしまったため、今話のような短めの閑話がしばらく続く予定です。十月の頭にはテスト期間が終わるので、そのタイミングで本編も再開するのでしばしお待ちいただけると幸いです。


読んでみて少しでもいいなと思ってくれたら、感想やブックマーク、評価などいただけると嬉しいです!励みになります!

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