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推しの恋路応援前線!  作者: 赤いシャチホコ
第一章『春』
20/160

18 前期球技大会6

18話です!

よろしくお願いします!

 二組との試合の時間がやってきた。

 うちのクラスのバスケの試合と時間が重なってしまったため、さっきのバレーの試合のように全員で応援、というわけにはいかなかったようだが、それなりにはクラスメイトが応援に来てくれている。

 そして、相手の応援席に目を向けると、俺の想い人───千波の姿を見つけることができた。

 しばらくそちらを見ていると千波と目が合ったので、照れ隠しの意味も含めて軽く手を振ると、千波も笑顔も添えて小さく手を振り返してくれた。うーん、可愛い。


 相手コートに目を向けると、そこには特筆して強そうな人は居なそうであった。まあ、俺達がいた方のグループの逆のグループの二位通過チームだし。それでも油断は禁物だが。そう思っているうちに参加者が全員揃い、試合が始まる。




 私、杉山千波は友達に連れられて二組対九組のドッヂボールの試合を見に来ていた。というか、うちのクラスの競技で勝ち上がっているのがドッヂボールだけだった。私の出場していたバレーも佑が見にきてくれた試合以外負けちゃったし。


 そんなわけで、ドッヂボールのコートに来たけど……相手コートには、なんと佑の姿が。

 さっき昼食前に会った時に何の競技に出るかを聞き忘れていたので、こんな形ではあるけど、ようやく佑が出る競技を知ることができた。

 と、考えていると、佑もこちらに気づき、なんと手を振ってくれた。内心の動揺を抑えながら手を振り返すと、佑は笑顔を浮かべて友達の方へ行ってしまった。言葉を交わせなかったのは残念だけど、私に気づいてくれたのは嬉しかったな。


 この試合は二組に勝ってほしいけど、佑の活躍も見たいし………うーん、もどかしい。




 今回はコイントスの結果、女子が先に試合となり、試合が始まった。

 杏実さんがボールを投げて始まった試合は、互角の様子を見せている。お互いに当てて、当てられてを繰り返し、現在のコート内は二組が五人、九組が四人となっている。と、相手の投げ損なったボールを拾った杏実さんがボールを投げる。

 今回の試合も碧が応援席から声援を送っているが、今回は碧が見ているという緊張にしっかりプレーしたいという気持ちが勝ったらしく、上手く飛んだボールは相手の足に命中する。

 わっ、と沸く観客席に呼応するように杏実さんがガッツポーズ。そのまま碧の方をちらっと見た杏実さんは喜んでいる碧を見て顔を輝かせている。良かったな、いいところ少しは見せれたんじゃないか?


 結局そのまま試合は終わり、残員四人対四人で終了。勝負の結果は男子に委ねられることとなった。


 男子の試合は相手ボールで始まった。

 相手がボールを投げて試合を開始する直前に、相手がこんなことを話しているのを聞いてしまった。


「よし、じゃあ弱そうなやつから当ててしっかり勝ちを掴み取ろう」

「だな。じゃあまずは……あの眼鏡かけたやつからかな。背も低いし、あれで運動得意は流石にないでしょ」


 うん、間違いなく俺のことだろう。

 そんなわけで、試合開始と同時に俺の下へとボールが飛んでくる。でもご生憎と、別に俺は運動は苦手ではない。身長が物を言う競技以外は平均的にはこなしてみせる。なので、来ると分かっているボールをキャッチするくらい余裕だ。

 しっかりとボールを掴むと少し会場がどよめく。やっぱりさっき相手が言っていた通り運動できなそうに見えてるのか。まあ、こんな見た目だとよくあることだ。

 そして、そのまま相手にボールを投げ返すと、良いコースに飛んだのか、さっき俺にボールを投げてきた相手は避けきれずにボールが当たる。おお、球技大会始まってから初の撃破だ。

 ちら、と相手の応援席にいる千波の方を見ると手を叩いている。え?あれ、俺に向かってやってる?同中出身のよしみで少しくらい応援してくれてるのだろうか。それならちょっと良いところ見せれて良かったな。




 女子の試合が始まってから、私───千波は二組の応援をしながら杏実ちゃんのことを見ていた。仲のいい子は一緒にバスケしてるから特に仲いい子はドッヂボールにいないし、他に九組の女子に知り合いもいないし。それでも、うちのクラスに負けてほしくはないなぁ、と思いつつ見ていると終盤に杏実ちゃんが二組の子を一人倒して残りの人数は同数で終了した。


 そして始まった男子の試合。当然ながら、佑に目が行ってしまう。

 試合が始まると、早々に佑へとボールが飛んでいく。いきなり佑にピンチ!と思ったらしっかりとキャッチ。そのまま佑が投げ返したボールは相手、というか、うちのクラスの子に命中。

 そのプレーに対して、私は思わず拍手をしてしまった。一応私、九組の相手側の応援のはずだったのだけど。まあいいか。

 相手を撃破したことに佑は必要以上に喜ばず、爽やかな笑みを浮かべている。え、普通に佑がかっこいい!

読んでいただきありがとうございました!


千波の目に映る佑と杏実の目に映る碧には若干プラス補正がかかってたりします笑


そして、活動報告にも書きましたが、嬉しいことに前話の更新で1000PVを突破いたしました!ありがとうございます!これからも頑張っていきます!


読んでみて少しでもいいなと思ってくれたら、感想やブックマーク、評価などいただけると嬉しいです!励みになります!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 試合前にお互いを見つけて手を振り合う佑と千波、うーん、これはカップル。可愛い。 そして佑の活躍に喜ぶ千波、やはりカップルか。でも千波は立場上は敵対チームのはずなのでこれで好意に気付かない…
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