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推しの恋路応援前線!  作者: 赤いシャチホコ
第一章『春』
15/160

13 前期球技大会2

13話です!

よろしくお願いします!

 俺や杏実さんが参加するドッヂボールと碧の参加するバレーのどちらの試合もないタイミングで、みんなで体育館に向かうと、丁度うちのクラスがバスケの試合をしているところだった。

 うちのクラスのバスケチームには磯貝君を筆頭に運動神経のいい人達が集まっているので、うちのクラスの本命となっていた。その期待に違わず、今も相手チームにある程度の点差をつけている。


「やっぱ強いねうちのクラスのバスケ。クラス内の戦力を集めただけあるね」


 そう呟く俺に碧と杏実さんが同調し、同時に返す。


「「そうだね〜」」


 重なるたった一言。一瞬時が止まる。碧はそれを特に意識する様子もなく「あ、声被ったね」なんて笑いながらバスケを見続けているが、杏実さんは違う。頬を赤らめて碧から目を逸らしてしまう。

 そんな杏実さんの様子に碧も気づいているようだったが、それに触れることはなかった。


 杏実さんが機能不全に陥っている中、バスケの試合は進んでいく。磯貝君がボールを奪い、相手を躱わすと、見事にレイアップシュートを決める。すると、観客席からは黄色い歓声が湧いてくる。そして当の磯貝君も観客席にいる彼女の高城さんに手を振っている。

 その様子を見た碧が言う。


「良いよな、ああいうの青春ぽくて」

「意外だな、碧はああいうのあんま興味ないと思ってた」

「めっちゃしたいってほどでもないけど、憧れはするよ。好きな子とああいうのやれたら最高じゃない?」

「確かにな。そういうこと言い出すってことは碧は好きな子でもいるのか?」


 会話の中でこのようにキラーパスを放り込んでみたのだが、「いや、別にそういうわけじゃないけど」とあっさり返されてしまう。その碧の答えに硬直から復活したらしい杏実さんが安堵の表情を浮かべている。

 そんな杏実さんの表情を眺めていると、碧からとんでもないカウンターが飛んできた。


 「佑はいないのか?好きな子」


 この場面、正直嘘を言っても良かった。いないって言ってもバレることは決してないのだから。でも、ここは自分に正直になるべきだと直感的に感じた。だから──────。


「………いるよ、好きな子」


 そう答えた。


 俺のその答えに一瞬驚いた後に碧は一言、そっか、と呟く。それ以上何も言わないのが、余計な詮索はしないという碧なりの意思表示だと感じた。


 そんな碧とは対照的に杏実さんは俺の答えに食いつく。流石は恋バナが大好きな女子高生という生物だ。


「誰?誰?クラス内にいる?髪型は?少しでもヒントくれない?」


 そう質問を重なる杏実さんに対して


「ここからは企業秘密なのでNGで〜〜」

と軽薄を装って答えると、俺に答える気がないということを分かってくれたようで諦めてくれた。

 最後に一言だけ「言いたくなったら言ってね?」と杏実さんが添えていったのはご愛嬌ということで。


 そうして会話を終えると、同時にバスケの試合も終了の笛の音が鳴る。結果はうちのクラスの完勝。現在試合中の女子のバレーの結果が出てないから確定では無いが、今のところ九組は一戦目は全勝中だ。


 ふと時計を見ると、ドッヂボールの二試合目の時間が迫っていた。


「あ、杏実さん、もうすぐ試合だから行こっか」

「え?あ、本当だ、行かなきゃね」

「ん?佑達試合なのか。俺たちの試合もうちょっと後だから俺もドッヂボールの応援に行くわ」


 そうして、体育館の出口に向かい、道中で試合後の磯貝君達と労いのハイタッチを交わすと外に出て、ドッヂボールの会場へと向かった。




 ドッヂボールの会場へ到着すると、チームメイトから、遅いぞ〜と声をかけられた。それに軽く謝りつつ対戦相手の方に目を向け、警戒すべき人がいないかなどを確認する。うん、あのメンバーなら今回も大喜がどうにかしてくれるだろう。


 今回の試合も男子が先となり、試合が始まった。事前の予想通り、今回も大喜が投げたボールが瞬く間に相手も倒していく。俺や他のメンバーも負けじと回避やキャッチでチームに貢献していく。

 この試合は一試合目とは違い、相手を全滅させることはできなかったが、制限時間となった時のこちらの残員は七人、相手は二人。これなら女子が大敗でもしない限り大丈夫だ。


 続いて女子の試合も始まった。一試合目は出番がなかったため、女子のメンバーもみんな張り切っている。ただ、杏実さんだけは碧が試合を見ていることに対し少し緊張気味ではあったが。だが、試合が進むにつれ、杏実さんの固さも抜けたようで軽快に動き出した。

 結局杏実さんが相手を撃破することはなかったが、ミスもなく試合は終わり、結果はお互いに残員五人ずつ。ということで男女合計で相手を上回ったので、この試合も九組の勝利となった。

読んでいただきありがとうございました!


活動報告を初めて更新してみました!内容は前話の変更についてです!概要は活動報告に書いてますが、実際の文章がどうなったか見たい方は是非下にある「前へ」を押して読んでください!


読んでみて少しでもいいなと思ってくれたら、感想やブックマーク、評価などいただけると嬉しいです!励みになります!

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