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ミサさんと僕~猫、うみへいく  作者: 瑞月風花


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とびらの向こうにある世界

 真っ白に輝く光が一瞬。ぎゅっと目を瞑って目を開けると、青い色が広がった。

 青い空に、大きな青い水たまり。

 だけど、足がおかしい。着地した先にあるはずの足の先が、白い砂に食べられていた。足の先っちょがじんわりと温かくなって、僕は思わず両手をあげてしまった。


 ちゃんとついてる。よかった。


 ほっとすると、青い世界が気になった。

 緑にも青にも見える大きな水たまりと、水色の空。

 空は静かで、水たまりは音を鳴らして、ところどころが白くなっている。

 その水面は、とても綺麗。


 なんだろう、あれ。

 キラキラしている。

 だから、僕は嬉しくなって駆け出した。


 水たまりに近づくと、青ではなくて透明な水が出たり入ったりしていた。その水もキラキラしている。その水を触ろうと手をそろりと伸ばすと、ざざぁと流れてきた水は、ちょろちょろと帰っていってしまう。帰ったと思ったら、またざざぁとやって来て、ちょろちょろと帰っていく。


 おにごっこみたい。

 よぉし。

 僕はお尻を高く上げて、次のざざぁを待った。


 よし、今。

 思わず飛びついてみるけれど、捕まえられなかった。確かにちゃんとキラキラを捕まえたはずだったのに、僕の手が黒い砂に食べられていた。

 びっくりして慌てて手を引っこ抜いたけど、やっぱり手はついている。

 不思議に思っていたら、さっきまではなかった僕の手よりも小さな茶色い三角帽子が転がっていた。


 なんだろう?


 じっと見つめていたら、三角帽子から髪の毛が出てきて、もさもさ歩き出した。

 なんだろう!

「ねぇっ」

 そう言った時には、やっぱり僕の手はちょいっとそれを弾いていた。もさもさの髪の毛が、三角帽子の中に隠れて転がり、動かなくなった。


 だけど、しばらくすると、またもさもさを三角帽子から出して動き出す。前髪がもさもさと高速で動いていて、僕も負けじと追いかける。ぴょんと飛び跳ね、ちょいっと弾く。前髪が帽子の中に入る。

 わぁ、面白い。

 繰り返すこと三度。三角帽子がいきなり叫んだ。


「いい加減にしろっ。俺っちは今、絶賛新居お探し中なのっ」


 三角帽子からにょきっとした目が出てきて、僕を睨み付けて引っ込んだ。

 茶色の三角帽子は動かない。

 かくれんぼかなぁ?

 でも、新居お探し中と言うのだから、きっとお家を探しているのだろう。役に立てたら人間になれるかもしれない。


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