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<書籍、電子書籍発売中・コミカライズ連載中> ただ静かに消え去るつもりでした  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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17ーb 残されたイザーク 2

「レティシア……一体どこへ……もしかして、ヴィオラが知っているかもしれない!」


そこで俺は急いで大ホールへと向かった。何としてもヴィオラを探し出して、レティシアがどこへ行ったのか尋ねてみなければ――!




「見つからないな……」


大ホールは予想以上にすごいことになっていた。ただでさえ大人数の上、半数以上が見知らぬ顔。挙げ句に参加者全員が正装しているのだ。このような状況でヴィオラが見つけられるとは思えなかった。


「こんなことなら、レティシアから目を離さなければ良かった……」


今更ながら、俺は激しく後悔していた。

あの時、門に向かって走るレティシアの様子はただ事ではなかった。何故彼女はパーティーに出席するどころか、出て行ってしまったのだろう?


「おかしい……絶対に何かあるに違いない」


時間が気になり、腕時計を見ると時刻は十三時になるところだった。今まで散々捜し回って、喉も乾いていた。


「何か飲んでから、またレティシアを捜すか」


そこで俺は立食テーブルへ向かった。




****



「ふぅ……」


アイスティーを飲み干し、テーブルに置いて何気なく辺りを見渡した時に俺はとんでもない光景を目にしてしまった。


それはセブランがフィオナと楽しそうにワインを飲んでいる姿だった。フィオナはセブランの腕に手を回し、あいつは満更でもない笑みを浮かべている。


しかもふたりは同じ色合いのスーツにドレスを着用している。誰がどう見てもカップルにしか思えない。


「あ、あいつら……!」


その姿を見た時、一瞬で頭に血が上るのを感じた。レティシアはセブランの婚約者だというのに、一体何をやってるんだ?


きっと、レティシアは二人を見てショックを受けた。そして逃げ出してしまったに違いない。ヴィオラには何も告げずに……


「許すものか……! レティシアを傷つける奴は……!」


俺はセブランに駆け寄った。


「セブラン!!」


すると、アイツは能天気に笑いかけてきた。


「あれ? イザーク。どうしたんだい?」

「こんにちは。イザーク様」


フィオナは挨拶してきたが、それを無視して俺はセブランの胸ぐらを掴んだ。


「セブラン! お前……ふざけるなよ!!」


「え? な、何のことだよ!」


奴は、俺の怒りの理由に全く気づいていない。それが尚更怒りを掻き立てる。


「やめて! イザーク様!」


フィオナが耳障りな声で叫ぶが、知ったことか。こいつ……一発殴ってやらなければ気が収まらない。


拳を振り上げた時――


「ちょっと! イザーク! やめなさいよ!」


突然の声に驚き、振り向くと肩で息をするヴィオラの姿があった。


「ヴィオラ……」


セブランを離すと、奴は喉を押さえて苦しそうに咳き込む。そんなセブランの背中をさすりながらフィオナが文句を言ってきた。


「イザーク様! セブラン様になんてことするんですか!」


「うるさい! それはこっちの台詞だ! お前ら、レティシアに何をしたんだよ!」


「え……? レティがどうかしたのかい?」


「一体何のこと?」


セブランとフィオナが首をかしげる。


「ふざけるなよ! レティシアがいなくなったのはお前たちのせいだろう!?」


すると、ヴィオラが突然俺の左袖を掴んできた。


「ちょっと! 何よ、それ! レティがどうしたのよ!」


「え……?」


その言葉に血の気が引くのが分かった。


「ヴィオラは……知ってたんじゃないのか……?」


「知ってた? 一体何のことよ?」


「レティシアが……中庭の門から外に出ていったことだよ……」


俺の言葉に、その場にいた全員が口を閉ざしたのは言うまでも無かった――


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