表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<書籍、電子書籍発売中・コミカライズ連載中> ただ静かに消え去るつもりでした  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

283/297

18話 レオナルドの過去

「レティ、書斎で話をしてもいいか?」


部屋を出るとレオナルドが尋ねてきた。


「はい、大丈夫です。あの、もしかしてお仕事がたまっていらっしゃるのですか?」


「ん……まぁ少し、な」


「だったら手伝わせて下さい。私も、グレンジャー家の者ですから」


「うん、そうだな。レティには仕事を覚えて貰ったほうが良いだろうからな」


「はい、分かりました」


何処か意味深な言い方に少し気になったが……返事をした。

そこで私達はレオナルドの書斎へ向かった――



「それじゃ、ここから報告書だけ抜き取って、ファイリングしてもらえるか?」


「はい」


2人でそれぞれの机に向かいながら仕事を始めると、早速書類を眺めながらレオナルドが尋ねてきた。


「レティ、俺にどんな用事があってきたんだ?」


「……カサンドラさんとの婚約が……無くなったことについてです」


「もしかして……もう、知ったのか?」


レオナルドは顔を上げて私を見た。その顔には驚きの表情が浮かんでいる。


「はい、カサンドラさんから直接聞きました……」


「彼女は何て言ってた?」


「そ、それは……」


「俺がグレンジャー家の養子で、実際は貴族の血が流れていないから……そう言ったんじゃないか?」


「その通り……です」


俯きながら返事をした。


「まぁ、将来結婚する相手がどのような人物か調べるのは当然のことだろうな」


淡々と話すレオナルドには感情の色が見えなかった。悲しみや……憤りのような感情が。


「そう言えば、レティは一度も俺の出自について聞いたことが無かったな」


「はい」


「そのことについて、気にならなかったのか?」


「そうですね。だってレオナルド様は……とても立派な方ですから。仕事も出来ますし、何より……グレンジャー家にとっては必要な存在ですから」


するとレオナルドは目を見開いて、私をみつめてきた。


「レオナルド様?」


「……まいったな……」


小さく呟く声が私の耳に届く。


「どうかしましたか?」


「い、いや。なんでもない。そうだな……少しだけ、レティに俺の昔話に付き合って貰おうかな?」


「はい、大丈夫です」


頷くと、レオナルドはポツリポツリと自分の事を話し始めた。本当の両親のこと、そしてどういう経緯でグレンジャー家の養子になったのかを。


話はとって衝撃的なもので、私は言葉をなくしてただ彼の話を聞くだけだった。


「……というわけなんだよ」


「そう……だったのですか……」


まさか、レオナルドの両親は海難事故で亡くなっていたなんて……。


「そんな辛い過去があったのですね……」


「確かにそうだが、でも今はこうして祖父母に引き取られて幸せに暮らしている。養子にしてもらえたこと、感謝しているよ」


「レオナルド様……本当に、今幸せなのですか?」


「え?」


「今のレオナルド様は……幸せそうに見えません」


「レ、レティ……」


レオナルドの声に戸惑いがうかがえる。


「本当に、幸せなら……何故、そんなに悲しそうな顔をしているのですか……?」


気付けば……私の目に涙が浮かんでいた――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 8 レオナルドの提案(74p)に養子になった経緯を伝えているシーンが既にあるので、お話に矛盾が生じるのではないかと気になりました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ