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<書籍、電子書籍発売中・コミカライズ連載中> ただ静かに消え去るつもりでした  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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8 レオナルドからの提案

 私は……本当は父に私のことを見つけてもらいたかったのだろうか?


だから、母の故郷の……『アネモネ』島を無意識に選んでいたのだろうか?

自分は父に必要とされてないと思っていながら、心の何処かでは父の愛情を求めていた……?


「どうしたの? レティ?」


私が黙ってしまったのを気にかけてか、ヴィオラが声を掛けてきた。


「いいえ、何でも無いわ。イザークの言う通り、やっぱり私は心の何処かでは誰かに私の居場所を見つけてもらいたいと思っていたのかもしれないわね」


父への思いを振り切るように私は言った。

するとほっとした顔つきになるイザーク。


「だ……だったら、俺たちと一緒に『リーフ』へ……」


するとそこへレオナルドが口を開いた。


「ところで君たちは家族には何と言って、この島へ来たんだい?」


「え? 俺は卒業旅行だと言ってきたが?」

「ええ。私も卒業旅行と家族には話してるの」


「そうか、だったらそんなに急いで戻る必要は無いだろう? 恐らく大学が始まるまでは後三ヶ月はあるんじゃないか?」


レオナルドがヴィオラとイザークを交互に見た。


「確かに、それはそうだが……」

「はい、そうです」


「君たちが捜していたレティシアもこうして無事に見つかったんだ。良かったら一週間程、この島に滞在しないか? その様子だとレティシアを捜すので精一杯で、島の観光もまだなんじゃないか?」


「そんなのは当然だ。俺たちは……レティシアを捜すために、この島へやってきたんだから」


イザークが憮然とした様子で返事をし、一瞬私の方をチラリと見た。


イザークは一体どうしてしまったのだろう? 元々、何処か無愛想で何を考えているのか分からないところはあったけれども、レオナルドには特に敵対心を抱いているようにも思える。

すると、ヴィオラもそのことを感じたのかイザークを肘で小突いた。


「ちょっと、イザーク。そんな態度失礼でしょう? こちらの方は折角私達のことを気にかけてくれているのに。それに、レティの親戚関係に当たる方なのよ?」


「あ……そうでしたね。どうもすみませんでした」


ヴィオラに注意されて素直に謝るイザーク。……その様子を見て、何だかこのふたりは息が合っているように思えた。

ふたりは先程自分たちの関係を否定していたけれども、こうしてみるとお似合いなのかもしれない。


「いや、別に謝ってもらうほどのことじゃないから気にしないでくれ。それでどうだい? 丁度レティシアに島の観光案内を色々してあげようと考えていたところなんだ。良かったら君たちも一緒にどうだい? 『アネモネ』島は本当に良い場所だからね」


「本当ですか? 実は私、この島に来たときから美しい町並みの景色を見て色々な場所を観光したいって思ってたんです。ご迷惑じゃなければ是非、私も観光案内をお願いします」


「お、おい! ヴィオラ……」


笑顔で返事をするヴィオラに焦るイザーク。


「よし、なら決まりだな。それで? 君はどうするんだ?」


レオナルドはイザークに尋ねた。


すると――


「……はい。なら、俺も……よろしくお願いします」


ええ!?


イザークの返事に私は心の中で驚いた。てっきり、用が済んだと言ってすぐに帰るのではないかと思ったのに。


「よし、なら決まりだな。それじゃ改めてよろしく。ヴィオラ嬢に……イザーク」


レオナルドは笑みを浮かべてヴィオラとイザークを交互に見た―――






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