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何かがいるような その1

ちょっと間が空きやすいな。

毎日投稿ではなく、不定期投稿ってことなのはご了承ください。

SIDE里宇


「うーん、今日は何の依頼を受けようかな」

「そうですねぇ、数が多いですし」

『出来るだけいいのが良いよね(^O^)』

「高メノ報酬、ノーリスク、ハイリターンガ理想ナノン」



 騎士たちの襲撃を受けてギルドに引き渡したその2日後、里宇(りう)たちはギルドで依頼を探していた。


 いや、あれはもう騎士ではなくてただの犯罪者たちで良いんだっけかな。


 犯罪奴隷送りで、最期まで悪あがきを重ねた上に、縛りがちょっと甘かったのか引き取られていく寸前に逃走したのはザソコークってやつだっけか?


 そんでもって逆恨みからか、俺達のところへ行って殺そうとしていたらしいけど、ルンが化けた棒が伸びて、遠距離からの迎撃で、あいつはさらに罪が加算されたらしい。



 リアル如〇棒を見た衝撃の方がでかかったなぁ‥‥‥ちょっと今度くるくる回したりできないか頼んでみよう。


 そう里宇は考えつつも、依頼をとりあえず決めたのだった。









「今日の依頼は討伐か」

「『デビリットボア』ってやつですね。確か鶏と牛が合わさったかのようなモンスターだったはずです」


 今日は討伐依頼を受けることにしたので、そのモンスターに対する知識をハクロが知っているようだったので、説明してもらうことにした。


――――――――――――――――――――――――――――――――――

『デビリットボア』

頭と足が鶏、身体が牛、小さな手羽先が生えているモンスター。非常に気が荒く、動くものにならなんにでも突進していく。角も生えてはいるが、こちらは繁殖期になったときのオスがメスに対する立派さの証という意味合いのようであり、戦闘には適していないほど物凄くもろい。

ただし、頭の方にある嘴は非常に貫通力が高く、素材としては槍の先端に付けられたりとなかなか便利。

なお、肉は‥‥‥

―――――――――――――――――――――――――


「結構おいしいそうです。シンプルに焼くだけでもものすごくいい香りが立ち込めるのだとか」

「なるほど‥‥‥肉だけはこちらでもらうか。嘴とかはギルドに売っていいけど、肉は確保必須だな!」

『つまみ食いいいかな(´・ω・)』

「ダメ。皆デ食ベタ方ガイイ」


 さらっと、運搬時につまみ食いをしようとしていたコンゴウに、ルンがつまみ食いを防止させるために注意した。


 というか、生でいく気かよコンゴウ。お前に収納して運搬するけど、その間焼かれていない肉になるぞ?


「きちんと調理したほうが良いから、出来るだけ食べずに取っといてほしい」

『わかったよ。一齧りでやめる(`・ω・´)』

「どちらにせよ食べる気ですか!」


びしぃっとハクロのツッコミが決まったところで、討伐へ里宇たちは向うのであった‥‥‥



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDE魔法使いタナカ&ヘンリエッタ



「‥‥‥あれはデビリットボアか。あのモンスターの討伐をあいつらはしようとしているんだな」

「おお、連携すごいです!!ミミックの体当たりで弾き飛ばし、ドッペルゲンガーを縄にして縛り上げ、動きが封じられたところで主の魔物使いが頸動脈をナイフで切り捨て、あのリッチが魔法でとどめを刺しています!!」

「いや、頸動脈の時点でほぼ死亡確定だろう。ちょっとまだ経験が浅いか‥‥‥?」


 木陰にて、デビリットボアたちを討伐している里宇たちの姿を見ている二人組がいた。



 とある報告をしたら、その事で国王から新たな任務として向かわされ、休暇を延期された魔導士筆頭タナカと、とばっちれ一緒になったヘンリエッタである。


 彼らは今、里宇たちの様子を観察していた。



「というか、あの騎士たちの中から出て改めてよく見ればわかるけどあの大馬鹿元隊長って、よくあいつらを襲撃しようと考えたなぁ。返り討ち決定なのは明らかだろうに」

「犯罪奴隷としてザソコーク元隊長は連れていかれたようですからね。あんな腐っていた奴にしては一応そこそこの実力はあったはずですけど、もう人生終わった感じですよ」


 里宇たちの連携や実力を見て、タナカはあの見抜けなかった元隊長がどれだけ愚かだったのかよくわかった。



「しかしまぁ、あのリウというやつは異界人なのは確定だな。同郷の気配というか、明らかにというか」

タナカさん(・・・・・)も異界人です(・・・・・)からね」

「黙れ、こちとら自分の意志で好きでこの世界に来たわけじゃなぇよ。たまたま師匠に出会っていなかったら、多分俺もあのリウ同様に冒険者になっていたかもしれないが‥‥‥ま、それはまた別の可能性として考えればいいか」


 タナカも実は、里宇同様に異界人なのだ。


 その雰囲気からすでに周囲には察せられているが、別にどうこうする気はない。


 自分は運が良かったからこそ、今こうして生きていられているという事実だけが本当にありがたいことなのだとタナカは考えているのだ。



「それにしてもあのリッチ‥‥‥やっぱりお前の持ってきたその本にある人物像の、ちょっと成長した姿と考えると似ているな」


 ふと、今回何の任務を受けているのかを思い出し、タナカは懐から一冊の本をだして開く。


 そのページにある少女の写真‥‥‥その成長した姿と考えると、ハクロが似ているのだ。



「似ているどころかあの方(・・・)とほぼ同一人物でしょう。まぁ、ちょっと怪しいとすれば胸部サイズですが‥‥‥」

「それは同意したい。けど、それ本人の前で言うなよ?変態にしか思われなくなるからな?」

「‥‥‥『ケモ耳ひゃっはぁぁぁぁぁ!!』って言って、減給80%の処分3ヶ月受けたのはどこのどなたでしたっけ?」

「それを言うなそれを!!必死になって国益になるような案を1000以上出してその程度になったからな!!。下手すりゃ首が物理的に飛ぶようなことになりかねないようなこともしたし、もうあれは俺の黒歴史行きだ!!」


 ツッコミをタナカはしつつも、とりあえずどこかで里宇たちと接触を図ろうと画策し始めるのであった‥‥‥

タナカ‥‥‥彼は過去に何をやらかしたのだろうか?


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