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案の定というか

テンプレもどき

「おい!!そのドッペルゲンガーを我々に譲ってくれないだろうか!!」


‥‥‥案の定というか、なんというか。


 里宇(りう)は呆れたような目をしつつも、その声の方に向くと、そこには全身訪台だらけの痛々しい状態の騎士たちがいた。


 ゼクストリア騎士団、まだ完治もしていないようである。





 ギルドにて、新たな従魔になったルンの登録をしに来たのだが、予想通りというか、出くわしたくなかった奴らに遭遇したのである。


 決闘時にさんざんハンマーズにボコられていた騎士団であったが、十分な治療もしていない状態で、今日もなにやら自分たちで従わせるモンスターを探しに依頼を選んでいたようだが、そこで里宇が連れてきていたルン……ドッペルゲンガーに目がいったようである。


 ルンはハクロベースで他の種族が混じったような外見をしているが、そう言った状態になるのはドッペルゲンガーとか言うのが相場で決まっているらしい。


 そもそも里宇が登録時にドッペルゲンガーだといっているので、そこで確信したのだろう。


「ドッペルゲンガーは様々な種族の姿になることが可能だ!!その多様性こそwあれ割れ騎士団にとってもふさわしいモンスターなのだ!!」


 ググッとこぶしを握ってそう叫ぶ騎士団のリーダーさん。

 

 その背後にいる騎士たちだが、同様の状態である。



「無理です。そもそも魔物使いが従魔をそう簡単に人に渡すでしょうか?」


 はっきりとここは返事をしてやる。


 さんざん他の人にも迷惑をかけているようだし、ハンマーズとの決闘で心が折れていないようであるならば‥‥‥今後の憂いを無くすためにもここでべきっと精神的に折ったほうが良いだろうしね。



 周囲の成り行きを見守っている人たちも、里宇の意見に同意のようで、騎士たちに対しては侮蔑の目線を向けていた。


‥‥‥本当に、どれだけ迷惑をかけているのだろうか。




「そこを頼む!!我々はどうしても、ぜひとも、なんとしても、絶対に成果をあげねばならぬのだ!」


 ぐわぁっつ!!っとものすごく猛烈な暑苦しさを漂わせるリーダー格の騎士だが‥‥‥その一生懸命さにはどこかしら不振さを感じさせる。


「もしかして、ハンマーズとの決闘で使用したあの種とかいう不発の奴の使用の責任を取らされそうになっているとか?」

「ぐっつ!?」


 あ、これ図星だったわ。


 里宇の言葉に、詰まらせるリーダー格の騎士。




 そもそも決闘時に秘密兵器として堂々と使用したはいいが、結局何も出なかった‥‥‥正確にはその場にはっきりと顕現できていなかっただけだが、そのせいで恥をこの人はかいている。


 それに加えて、おそらくあの種は結構重要な機密のような可能性もあって、人前にさらけ出してそのうえ失敗したという事もあるので、何処に帰るのかは知らないが、帰還したら責任を取らされてくびになっていそうな未来は見えた。


「ソモソモ、気ニイラナイカラ一緒ニ行カナイヨン?」


 ルンがそう言い、さっとりうの後ろに隠れた。



 まず頼み込む以前に、ダメなことに気が付かなかったのだろうかこの人たちは‥‥‥気が付かないほど鈍感だったから、決闘の際に相手の実力を見極められなかったんじゃないか?


 よくよく考えたらハンマーズと共に討伐依頼も受けているわけだし、彼らの実力も見ていたはずだろうに‥‥‥




「くそぅ!!


 悔しそうにこぶしを地面にたたきつけた後、騎士たちはギルドから出ていく。


 結局何がしたかったんだというような雰囲気になり、そのままことは収まった。



‥‥‥ただまぁ、きちんと用心しておく必要はある。


 ああいうのに限って、何かやらかすのは目に見えているからなぁ。


「里宇さんもずいぶんこの世界に染まってますよね?もともと異界人ですのに、もう割り切って悟っているというか‥‥‥」

「でもハクロも予想できているんだろ?」

「はい。命令さえあればいつでも迎撃可能です」

『同じくオッケーだよ(^O^)』

「牙、爪、武器‥‥‥ドレデモ変身可能ダヨン」


 全員、この後に起こるであろうことに備えているようだ。


 予想できるというか、わかりやすいからね。


 言えるとすれば、超・逃げてといいたい。トラウマ刻まれるぞ多分。

 

騎士達ー何か仕掛けようとしているなら逃げて―

魔法と重量と変化の人がやる気満々だよー!

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