出会いました
本日3話目!!
ある日~♪森の中で~♪
・・・焚き火を起こして、これからどうしようかと考えていた里宇の前に現れたのは、容姿が美しいけれども・・・体が透けた謎の美女であった。
「ふふふ・・・そう驚かなくてもいいですよ。別に危害を加えようというわけでもありませんからね」
そうにこやかに、幽霊のような美女は言ったのであった。
悪い人・・・人?でもなさそうなので、せっかくだから互にいったん自己紹介をした。
そして暇なので彼女の話を聞くと、どうやら幽霊ではないらしい。
というかそもそも、自分が何者かなのかはわかるようだが名前がないそうだ。
「私には名前はありません。けれども、なんの種族かはわかるのです」
「何の種族だ?」
「幽霊とか言った類ではなく・・・まぁ、元は人間なので似たようなものですが、私はモンスターなんですよ。『リッチ』とかいうモノですね」
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「リッチ」
アンデッド型モンスターであり、元は人間だった。
高名な魔法使いや、偉大なる神官などが何かしらの理由があって転じた者であり、モンスターとされてはいるのだが、大抵の場合は生前其のままである。
中には悪意に染まり切って悪事を働くような者もおり、そう言った類のは危険とされている。
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「つまり・・・・元は人間だったと?」
「ええ、この森の中に一人で暮らしていてそこまで高名でもなく、そんなにたいしたものじゃなかったんだけど・・・・」
生前の記憶はあやふやらしいが、何でリッチとして生まれ変わったのかは覚えているらしい。
「生前は様々な実験が好きでして、よく辺り一帯を消し飛ばしたりしてしまいまして・・それで追い出されたというのがありますけどね」
「ちょっと待て、思いっきり一人暮らしの理由も述べていないかそれ?」
見た目は結構きれいな女性なのに、そう言うことしていたらそりゃ森の方に追い出されるわ。
「まあそれはいいとして、森の中に一人で暮らしていたある日、ちょっと木を金に変えることができないかなとふと思いつきまして、その実験をしようとしたら・・・ついうっかり転んで、その実験用の薬品を頭からかぶって、木を金に変える薬だったがはずが、人間を即死させてリッチに変えるものができたのだと、わかったんですよね」
「うわぁ・・・そりゃまたなんというか・・・ご愁傷さまで」
あははははと、軽く笑うリッチの彼女を見て、里宇は苦笑いしかできなかった。
「まぁ、リッチとなってもう300年経ってますからね。森の中にある一軒家が私の家ですが・・・どうでしょう?泊って行かれませんか?あなたの事もちょっと気になりますので」
「実験に使用するとかはないよな?」
「心配ないですよ・・・・身の安全は保証できませんけどね」
「今さらりとなんかつぶやかなかったか!?」
危ないようなことを言われつつも、とりあえず夜中に雨が降ってくる可能性も否定できないので、雨風を防げるらしい彼女の家に、里宇は招待されることにしたのであった。
だましに来ている悪いモンスターの可能性もあるが、そうだとしてもその時の対応を取ればいい。
なんにせよ、今はその家へ向かうのであった・・・・
本日はここまで!!
出来るだけこの世界の事を次回説明できたらしたいです。
・・・にしても、このリッチってどこか抜けているところがあるなぁ。見た目は美女なんだけど、どこかポンコツである。




