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都市デルべスタに着きました

やっと到着したよ

 盗賊のアジトからやばい薬品を見なかったことにして、目的地の都市デルべスタの城壁が見えるところまで里宇(りう)達はたどり着いた。



「おお、ようやく見えてきたな」

「周囲のモンスターや盗賊の襲撃に備えるために出来た城壁らしいですが、拡張などもしやすいように一部組み立て式の簡単な構造になっているそうですよ」

『なんにせよ、目的地だよ(・∀・)』



 城壁内部に入るために出入り用の通行門というのがあるそうで、そこに向かうと結構人が並んでいた。



 都市というだけあって、サバンの街以上に人の出入りが活発なところのようである。



「衛兵とかもいるようだけど、サバンよりは多そうだな」


 こういうところが、都市と街の違いであろう。



 予算を警備に回せるだけ、かなり発展しているのは間違いなさそうである。


 これでまだこの国の首都でもないんだから、首都の方は果たしてどれだけの規模か……考えるとなんかワクワクとした気持ちを里宇は感じたのであった。




 おとなしく列に並ぶのだが、これがまた長蛇の列。


 さながら行列御できる店に並んでいるようで、少し暇である。


 なので、周囲の人間観察を楽しむことにした。この方がなんか面白いしね。



「あそこの荷馬車は商人たちのかな?」

「いえ、どうやら一般用の客用の荷馬車ですね。人を運ぶのに費用を極限まで削っているんですかね」


「斧に剣に杖……一般的な冒険者パーティのようだ」

『ハリセン持ちがいるよ(=゜ω゜)ノ』

「ハリセンはハリセンで重要なんでしょう。おそらく誰かがボケまくるめんどくさい人なのかもしれません」


「人間が多いけど……ちらほら猫耳や格が違うような美形がいるね」

「獣人とかですかね?でもたしか彼らは余り人里には来ないはずですよ」

「そりゃまた何で?」

「昔、迫害するような人たちがいたり、互いの利権をめぐって争いになったりなどもありましたからね。今は……特にそう言う事がないのかもしれません。過度の偏見があるのはおそらく一部地域ぐらいになるでしょう」



 そうこうしているうちに、里宇たちの番となった。


「次の方どうぞ!!」

「はーい」


 衛兵の一人がそう叫び、里宇たちは前に出た。


「身分証明はこのギルドカードです」

「ふむ、結構低ランクのようだが……その従魔たちの姿を見る限り、ランクアップをしないのかね?」

「この都市で行うつもりです」

「なるほど、ならば頑張って精進するがいい!!」



 なんかやけに熱血的な衛兵だったが、悪い印象はなかった。



「なんかこっちを考えてくれる人だったな」

「ああいう人が多ければ良さそうですけどね」

『でもあの人、多分すごい実力者だよ(・ω・)』


 コンゴウいわく、今の衛兵は相当腕が経ちそうな感じがしたという。


 出来る人は中身もできているのかな?


 とにもかくにも、ギルドへまずは里宇たちは向かうのであった……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDE衛兵長ガーッズ


 ふむ、今日の都市への出入りを管理しているときに、何やら見込みがありそうな異界人が出入りしてきた。


 異界人は別世界からの者たちであり、我々とは雰囲気が確実に違うと言うが、まさにその通りであった。



 雰囲気からそのことが分かるのだが、魔物使いの冒険者として実力をつけてきているようで、連れている従魔たちもなかなかの実力があるのだろう。


 めんどくさい者や、犯罪者まがいに走るような異界人の話は聞くが、あの魔物使いとなった異界人はどうも芯がしっかりとしたもののようで、大丈夫だと思える。


 しかし……


「お前ら、何をしようとしているんだ?」

「うぉガーッス衛兵長!?いえ、自分たちは休憩時間ですのでちょっと都市内で飯でもと」

「ふむ、このわたしの目をごまかせると思うか?お前たちの目的は、先ほどの魔物使い……その従魔であったリッチの女で、大方ナンパでもしてみようかと思ったんだろう」

「当たりっす!!」

「なんでわかるんだ本当にこの人は!!」


 部下でもあり、仲間でもある衛兵たちの数人が、どうやらあの者が連れていたリッチに声をかけようとしていたらしい。


 あれはモンスターであり、人とは違うのだが……まぁ、見た目はそこいらの女よりもきれいだったからな。独身ばかりの衛兵たちにとっては、モンスターだろうと、女の姿の者なら求めたくなるのだろう。



 ただ、問題を起こしそうなのでここで止めておく。


 未来あふれる若者が来たのに、その可能性をつぶすようなやつが出そうだからな。それこそ多大な損失だろう。




……この日、密かに里宇たちはガーッス衛兵長によって保護対象として見守ることに決定されたのは言うまでもない。


 未来がある人材を、彼は求めているのだ。つぶそうとする者であるならば、誰であろうとぶっ叩く。


 それが、ガーッス衛兵長の信念であった。


 なお、独身歴が30を超えていたりもするので、衛兵たちの気持ちはわからないわけでもない、


 

『ちょこっと人物紹介』:ガーッス衛兵長

面倒見がいい皆の親父として慕われている人物。都市デルべスタの守護に尽力を尽くしており、また未来あふれる若者たちがいるのであれば、全力で守るという。今回は里宇たちをその対象としても考えているようである。なお、独身だが裏では結構人気があり、婚活に出てさえすれば人が群がってくる。だが本人としては、本当に愛せる人は自力で求めたいので、そう言うイベントの力を借りないようである。

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