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伊達じゃなかった

「コンゴウ体当たり!!ハクロは援護で目を狙え!!」

「了解です!!」

『(^^ゞ』


 里宇(りう)の指示によって素早く動くコンゴウとハクロ。



「「「ブモァァァァァァ!!」」」


 目の前にオークが3頭ほど迫ってきたが……その横を里宇は素早く通り抜けて回避し、去り際に膝に蹴りを叩き込む。


「ブモワゥ!?」

「ブモゥ!?」

「ブヒィィ!?」


 続けざまにやられたもので、3頭ともバランスを崩して倒れかける。


 だが、ギリギリで耐性を立て直そうとしたとたんに……コンゴウの体当たりだ。


ドゴゥ!! ドカッ!! ゴスッ!!


 正面、脇腹、自身の角をその頭にとそれぞれにコンゴウは体当たりを仕掛けていく。



 ミミックのコンゴウは見た目は木製の木箱だが、その硬度は木以上の硬さを誇る。


 そして、それだけの硬度に加えて、すばやく動けるのでまさに生き弾丸となって突撃するのだ。


 防御にも役に立つが、その硬さは攻撃にも転化が可能だったのである。



「ブモヒィィィッツ!!」

「ゲブモゥ!?」

「ゴフゥン!?」


 3頭ともその体当たりに対して驚いたところで……


「『追尾(ホーミング)火の槍(ファイヤーランス)』!!」



 ごぅっと、追い打ちをかけるかのようにハクロの魔法で顕現した炎の槍が3頭とも一瞬のスキを見せた頭に、防御させる前に貫通させて、そのままそのオークたちは絶命した。


「よし、連携完璧だ!!」

「なんか良い匂いがします!!」

『焼き豚♪焼き豚♪(・∀・)』



「……いやいやいや、やるとは思っていたが、物凄く連携に慣れているなてめぇら!?」


 喜んでいる里宇たちに対して、ギルドマスターであり今回一緒にいるヒャィフルさんはその様子に驚いたようである。


「もうランクC並みの慣れた感があるじゃねぇか!!」

「いやまぁ、このメンバーだと」

「結構連携が重要になりますからね」

『み~っつのち~からが~ひとつにな~れば~♪(^O^)』


 この連携も素手に慣れたものである。



 魔物使いは従魔に指示を出すだけの立場ではなく、その戦闘に一緒になっての事もある。


 そこで作り上げた連携がこちら。



 まず、先制攻撃として主でもあるけど身軽な里宇がナイフを持って敵の腱を斬るか、懐の武器を奪うか、もしくは蹴ってバランスを崩す。


 次に、頑丈さを活かしてミミックのコンゴウが体当たりや仲間をかばって、どこかを無防備にさせるか隙を作る。


 最後に、その無防備になったところをハクロが魔法で狙い撃ちをすれば完璧だ。


 ただまぁ、リッチとして純粋に能力が高いのかハクロの魔法だけでも片付きそうだし、コンゴウが自慢の方さで受けまくってその隙に背後からブスリと言ってもいいかもしれん。



……異世界転移しているとはいえ、この環境になじめている自分が一番怖いな。


 チート能力とか今のところないようだけど、環境に適応しやすいというのは一種の能力なのかもな。





 そんなこんなでオークたちを討伐していき、他の冒険者たちも次々と倒しているようである。


「コンゴウ!!ついでだし保管してくれ!!」

『OK('ω')ノ』


「何?あのミミックは収納魔法のようなものが使えるのかぁ!?」


 コンゴウがオークたちを次々と自身の中に入れていくのを見て、ヒャィフルさんは驚きの声を上げた。



 よくあるアイテムボックスとか、某猫ロボのポケットのようにどうやらコンゴウは様々なものを収納することができるらしい。


 これはどうやらミミックならではの能力のようで、本来であればエサがかかるまで宝箱に擬態しているミミックが、その間のつなぎとして捕食した生物を保管して、日に日に食べていくための事に使用しているらしい。


 偶然この能力を発見したので使ってもらったら結構便利。


 ただし、生ものの保存が可能なのだが、時たまつまみ食いはしてしまうようである。


 少しならいいけど、出来るだけそのままのほうが良いかな。もしくは干し肉とかを樽に入れて、その樽の保管でもしてもらってつまみ食い対策をするのもいいのかもしれない。



 その事を考えつつも、オークを丸のみにして保管していくコンゴウの姿はある意味面白い。




 ズバズバと連携して、倒していっているその時であった。



「ブモァァァァァァァァァァアァ!!」


「でかっ!?」


 物凄い雄たけびが聞こえたかと思うと、その方向からその存在が姿を現した。



 一瞬だが見える人っぽいような、でも鼻が完全に豚鼻で、耳も豚そのもの。


 体形はものすごくたるんでいるようだが、皮膚がやや硬質な見た目。


 体も大きく、5メートルほどの大きさと、圧倒的なサイズである。



「きやがったぜぇ!!しかもこのサイズはオークキングの中でもめったに出ねぇ希少種版、『オークエンペラー』だぜ!!」


 戦闘斧(バトルアックス)を構えて、ヒャィフルさんは素早くそう判断した。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――

『オークエンペラー』

オークキングの中でも、珍しい希少種となったモンスター。

体格も巨大になり、力も倍増している。そのため強さのランクも引き上げられ、Aランク冒険者相当となる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――


「って、最悪なほど強い奴じゃん!」

「ここは連携をしたほうが良いぜぇてめぇら!!このヒャィフル様だけでは力不足だし、ランクが低かろうとも、その実力はランク以上だと見抜いているからなぁ!!」



 とはいえ相手はA相当。


 引退した元冒険者のヒャィフルさんにはブランクもあるだろうし、里宇たちにとってもまだ早すぎるような強敵である。


「ハクロ、魔法でどうにかできない?」

「無理ですね。リッチというモンスターになっているから、相手がどれだけ強者か本能的にわかるんですよ」

『今のこのメンバーだとやばい(;´・ω・)』


 今ここに、オークキング改めオークエンペラーとの激闘が始まろうとしていたのであった。


強敵との戦い!!

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