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迷いました

本日2話目!!

基本的に主人公は周囲の環境に強いです。


 襲ってきて返り討ちにしたおっさん共から、懇切丁寧に道を教えてもらった里宇(りう)だったが・・・・・


「・・・いつの間にか道から外れてしまったな」


 人が住んでいるような村とかに行こうとしたはずが、森の中を進むことになり、そこから熊とかが出てきたので逃げていたら・・・・完全に迷った。


 さすがに人相手なら強気でいいけどさ、熊とかはマジ勘弁。


 というか熊・・・ではないな。


 全身が鉄の様な金属的な光沢を放ち、出合頭に目から赤い光線だしてきたのである。


あれが熊と言えるか?どう考えてもモンスターであろう。


 というかあんな化け物は地球上の生物にはいないだろうし、もう確定してここは異世界なのだと改めて里宇は実感した。


 なんで高校生活早々にこんな異世界へ転移したのかは不明だが・・・・うん、やっぱ元の世界の方が安全かな?


 いやでも現代でも国の問題とかで戦争の緊張が高まってもいるんだし・・・・どっちもどっちか。



 悩みつつも、どんどんあたりが暗くなってきた。


 もうそろそろ夕方ごろであり、このまま森の中をさまよい続けるのは危険である。


 しょうがないので、里宇は今日ここで野宿をすることにした。


 幸いなことに、サバイバルの知識とかはきちんと覚えている。


 

 まず、またあんな化け物避けも兼ねて焚き火を作る。


 モンスターでも野生動物のようなものだし・・・・本能的に恐れてくれたらいいかな。


 いざとなったら逃げやすいように靴紐もしっかりと結び、適当にそこら辺の枯葉を拾ってくる。


 

 あとは適当な木の板・・・・あ。


「しまった、板がねぇ」


 よくある手で火を起こせる奴をしようと考えたのはいいが・・・・板がなかった。


 仕方がないので、適当な枝をもう一本折って代わりにする。


・・・・乾燥していない生木は燃えにくいだろうけど、根性でやれば火を起こせるだろう。


「オラオラオラオラオラオラ!!」


 勢いよく木の枝をこすり続け、煙がくすぶり始める。なんとなく場の雰囲気と勢いで声が出るのはお愛嬌。


 ポケットの中にあった残り僅かなポケットティッシュに引火させ、小さな火種から徐々に大きくして、ようやく焚き火ができた。


 食料だが、あのおっさん共からいただいた乾パンがあったのでこれを軽くあぶって食べる。


 水が欲しいところだが、今のところ水源がないので無理だ。



 パチパチパチっと燃え盛る焚き火が消えない様に、そこいらの木の枝や枯葉などを投下し続ける。



「さてと・・・ここからどうするかな・・・?」


 里宇は考える。


 中二病時代の鍛えちゃった武道があるとはいえ、流石に先ほどのモンスターと素手で戦えるほどではない。


 ならば何か武器があればそこそこいけるかもしれないが・・・・その強さを把握していないうちは、うかつに手を出すのは痛い目に見ると考えられる。


 また、さっきのおっさんたちも弱かったから返り討ちに出来たが、これがムッキムキの盗賊とかだったらすででの抵抗は難しいところであろう。


・・・・見逃す代わりに武器をもらっておくのを忘れていたのは、里宇の抜けているところであった。




 何にせよ、まずは人がいる町や村にたどり着いたほうが良いだろう。


 一人でさまよっていると、何もならないし、ここは誰かがいたほうが良いのだ。



「というか一人で考えるのも限度があるしなぁ・・・・だれか話し相手でもいればいいんだけど」


「・・・あら?だったら私が話し相手になってあげましょうか?」

「なってくれるのならそれはそれで・・・・・・ん?」



 ふと、つぶやいていた言葉に入り込んだ声に、里宇は疑問に思った。


 その声の方を見てみれば・・・・・・そこには美しい存在がいた。


 うん、人と言えない時点で悲しいような、でも良いものが見れてうれしいような複雑な心境である。


 


 なぜならそこにいたのは・・・・・うっすらと透けた体を持った美女であった。


 これって幽霊とかじゃないか・・・・・・?でも、モンスターのようなのがいるから幽霊がいたとしても不思議ではないだろう。


 そう里宇は思うのであった。

今作ではこれまでとは違うようなところを出していきたい・・・・

本日あと1話投稿予定。

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