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ぶち抜いてきた

考えるとまだまだ改善すべきかな。

もっとド派手な登場をさせたかった。

 デレンセン武器屋に武器を買いに来ていた里宇たちであったが、いきなり店の壁が爆発四散するという事件に巻き込まれました。



(一体何が出てくるんだよ)


 そう里宇は思いながらも、ハクロと共に警戒した。


 ハクロはすでに一歩前に出て魔法を放つ用意をしており、爆発四散した武器屋の壁だった場所の土煙がはれて、その正体が日の下にさらされた。



「……って、箱?」


 出てきたのは、やや古そうだがしっかりとした造りの様な木の箱である。


 沈没船とかで城が賭けられているイメージのあるようなものだが……なぜ、壁をぶち破って来たのか。



 よく見れば、箱の縁の部分にはしっかりとした牙がたくさん生えていました。装飾品ではないな。


「み、ミミックですよこれ!?」


 ハクロは直ぐに何なのか分かったらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ミミック」

別名「人食い箱」とも呼ばれるモンスター。外観以上の硬度を誇り、体当たりだけでも相当な威力になる危険なモンスター。様々な宝箱などに擬態し、時が来れば勝手に動き出し、開けようとした者も喰らっていく。牙はサメのように折れてもすぐに生え変わり、噛みつかれるだけでも鋼鉄製の鎧があっという間にかみ砕かれる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



……超危険なモンスターであることだけはハクロの説明で十分に伝わりました。




 だが、ふと気が付くとまったくそのミミックは攻撃するそぶりを見せない。


 カタカタと体を揺らすが、凶暴というよりもなんかこう……犬?


「壁をぶち抜いてきた勢いの割にはまったく襲ってこないんだけど……」


 武器屋の方で騒ぎが起きているのに気が付いた野次馬たちが集まってくる中、全く襲撃する気配のないミミックと対峙している里宇たちはその行為に疑問を覚えた。



「おい、あれミミックじゃねぇか!?」

「やべぇ!!人食い箱とも言うやつだぞあれ!」

「デモなんか目の前にいる二人をまったく襲おうとしてないよな?」


 周囲の野次馬たちの声も聞こえるが、ここで下手に目立つのも嫌である。


 かと言って、この状況……だれか説明をしてほしい。



「あそこって確か、『デレンセン武器屋』だろ?そういえば数日前に仕入れていたが」

「あそこにミミックが擬態して紛れていたのかよ!?」



 仕入れ品に紛れ込んできたような感じだが、未だに襲ってこないミミックの姿に周囲の野次馬たちも互いに話していく。


「……んん?これってまさか」

「どうしたんだよハクロ?」


 ふと何かに気が付いたのか、ハクロが魔法を出す構えを解いた。


「このミミック……もしかして里宇さんを主にしたいと思っていませんか?」

「え?」


 そのハクロの一言を肯定するかのように、ミミックはうんうんとうなずくような仕草を見せた。


「モンスターが引き寄せられることってあるのか?」

「有りますね。主を本能的に求めたりもするので、その方角に向かって猪突猛進な者もいるらしいですよ」



 どうやらこのミミック、里宇の存在をかぎつけて擬態を解いて、壁をぶち抜いて出て来ただけのようであった。



……まさか異世界へきてそうそう2体目の従魔を得ることになったのかコレ?

ミミックが従魔に……なるってことでいいのかな?

というか、最初の叫び声の人どこ行った。

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