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サバンの街へ到着いたしました

内容薄いかな?

SIDE里宇(りう)たち

…ようやく見えてきたサバンの街。


 里宇たちはその様子を見て一つ思ったことがあった。


((…衛兵片方だけ異様じゃないか?))


 街の出入り口には、盗賊などに対処するために衛兵たちが置かれているらしい。


 そして、今里宇たちが街の中に入ろうとした際に見かけている衛兵は二人組なのだが…片方は普通の成人男性、もう片方が3メートル越えの巨漢である。


 

 アンバランスゆえに、街に入る人皆その二人組をつい見たのは言うまでもなかったのであった。




「…まぁ、特にごたごたが起きなくてよかったけどな」

「従魔になっていますし、そう暴れられることはないだろうと判断されたのでしょう」


 衛兵たちに特にとがめられることもなく、すんなりと里宇たちは街中に入ることができた。



 怪しい様子の者たちであれば詰所などに連れていかれて確認させられるのだろうが、里宇たちは特に問題なしと判断されたようである。


 ハクロはリッチだが、里宇の従魔なので問題はないと思われたようであった。





…だがしかし、真実は少々異なっていた。



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SIDE街の門

 

「おい、あの二人あっさりととおしてよかったのかボブよ?」


 衛兵たちが見張りをしている中、現在の組み合わせであるケルソンは、相棒であるボブに尋ねていた。


「大丈夫だろうケルソン。リッチという強力なモンスターのようだが、どうやら従魔として従っているようだから、あの主の方が問題を起こす気でなければいいだろう。あの者たちにはまったく邪気を感じられなかったからな」


 自信満々に、ボブはケルソンに返事する。


 実はボブは、人の殺気やそう言ったモノを人一倍感じ取ることができて、何か害をなそうとする者であればすぐにでも見つけるという、その巨漢な見た目に対して意外な特技があるのだ。


 そして、里宇たちを見たときに、ボブは害がない者たちだと判断したのであった。



「にしても…害は無さそうだったが、あのリッチがある意味凶悪だったな」

「凶悪って…本当に大丈夫なんだろうな!?」



 ボブの言葉に、ケルソンはびくっとツッコミを入れた。


「ああ、性格やらそうではなく・・・見た目からしておそらく着やせするタイプ。サイズはDを超えるかもしれないと…いや、もう超えているだろうと俺は見抜いた!!」

「凶悪って、胸の大きさかよ!?」


 大丈夫なのだろうかと、ケルソンはやや変態的なボブに対して不安を覚えたのであった。



「というか、相手はリッチだぞ!モンスターじゃんか!!」

「ああ、だがそれがどうした!!」

「何?」


 威風堂々と返事をするボブに、ケルソンは疑問の声を上げた。



「…人は皆等しい存在である。リッチと言えども、あのアンデッドモンスターは元は人という事になるのだ。その人という素材を脱ぎ捨て、あのようなモンスターになったものだとしても、そこにロマンがあふれるのであれば、追い求めるべきではなかろうか!!」


 でかい声で断言するボブに、その迫力からケルソンは圧迫され、そして周囲で他に街に入ろうとしていた男性たちがうんうんとうなずいていた。


「そう、モンスターだろうと、人だろうと求めるものが同じであれば、そしてその心が同じであれば大して変わらん!!すべてはその豊かでもあり、凶悪な破壊力を持つ者にたいしての思いは全生物においても平等なのだぁぁぁぁぁぁ!!」

「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」


 演説するかのように、ケルソンをボブは追い詰め、そして誘発された周囲の人たちが片手を天高く掲げて同意をしたのであった…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEハクロ



「にしても、村の時からずいぶん、ひぃぃぅいぃっつ!?」


 村時代の事を思い出していたハクロが、突如として何か寒気に襲われた。


「おいハクロ、何かあったのか?」

「いえ、魔法によるようなものもなかったようですが…何かこう、邪悪というか、欲望の渦に狙われたかのような悪寒がして…」


 あたりを見渡すが、誰も里宇たちに攻撃を仕掛けるような様子もなく、その気配もない。



 なぜハクロが急に寒気を覚えたのかは、後日知ることになった‥…



何気にこの衛兵たち、また出る予定あり。

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