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禁眼の吸血姫  作者: 榛名 怜
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第六話 禁眼(ディアボロス)

森を歩き五日経った。

いい加減ホーンラビットなどの雑魚より大きな魔物を隷属したいと思っていたころ、ソレは出てきた。

シャドウウルフ。

全身を黒い体毛で覆った、成人男性ほどの大きさの狼である。


「シャドウウルフか、まぁ練習には物足りないけどいいかな」


「ガルゥゥゥ」


シャドウウルフは体格にそぐわず、素早い動きでこちらに向かって来た。


「【玻璃ノ未来(ラプラス)】」


私の瞳が徐々に水晶の様に変化した。

シャドウウルフの爪が私に迫るが、私は体を少しずらしだけで攻撃を回避する。

その後もシャドウウルフの爪や牙の猛攻が続く。

決して遅い攻撃でもなければ、単調な攻撃ではない。

しかし、その全てを最小の動きで回避する。


「残念、いくら早い動きでもあたらないよ」


シャドウウルフも爪や牙の攻撃は当たらないと理解したのか距離を取った。


「ふーん。距離を取るのか。でも無駄よ」


私は体を少しずらした。

その直後、先ほどまで頭があった位置には、黒い杭が出ていた。


「影魔法か。でも残念また外れ」


その後も魔法が打たれるが全て当たらない。

その理由は簡単である。

攻撃が来る位置、タイミングを知っているからである。

私の【禁眼ディアボロス】は全十三体の悪魔名前を冠した能力からなる、特殊型の【贈り物】である。

そのうちの【玻璃ノ未来(ラプラス)】は任意で、数秒先の未来も見ることができる能力である。

他にも未来視で自らに危険な状況に陥る前に、自動で予知が発動する。

そのため、私には不意討ちが、通用しないのだ。


疲労がたまってきたのか、シャドウウルフの攻撃は徐々に単調なものになってきた。


「練習はこんなもんかな。それじゃバイバイ『風の刃(スライス)』」


私はシャドウウルフに自ら近づいた。

振り下ろされた爪を紙一重でかいくぐり、風魔法で手に風の刃を纏わせ手刀で首を落とした。


「ふー。まだ発動までの時間がかかるな」


スッと水晶の瞳を元の銀色の瞳に戻した。

こんなんじゃまだ足らない。もっと強くならないと。

反省を終え、倒したシャドウウルフを影に居る魔物に隷属化させた。

最近はほぼ隷属化は魔物にさせている。

なぜなら面倒であるし、魔物に噛みつきたくないし、何よりまずい血を吸いたくないのだ。

血を吸われた直後、シャドウウルフの首は、胴体に吸い寄せられるように動き出した。

元の位置まで首が戻ると、首の傷がゆっくりと消えて無くなっていった。


今使える【禁眼ディアボロス】は【玻璃ノ未来(ラプラス)】【虎目ノ計測(アザゼル)

の二つのみである。


ちなみに【虎目ノ計測(アザゼル)】は、あらゆるものの真理を見抜くことができる能力である。

虎目ノ計測(アザゼル)】で見たものは技、魔法問わず模倣し物体を解析することができる。

超越の魔眼はこの能力の一部分である。

能力に例外はなく、自分に使用したとき私は自分の持つ力を知ったのだ。

それは父や母、家族の『血の記憶』であった。


吸血鬼には寿命はない、死に再び蘇る。

そのため膨大な時間を過ごす。

その記憶は脳の他に血液にも蓄積されていく。

吸血鬼にとって血は、記憶の結晶と言っても過言ではない。

吸血鬼の吸血行為には、様々な意味がある。食事や性的な意味など様々であるが吸血鬼同士ではやや異なる。

それは結婚などをするときである、吸血鬼は互いに吸血し記憶の一部を共有するのだ。

一部というのは、記憶の量が膨大であるため全てを共有できないためである。

そのため強い愛などの強い記憶だけしか共有できず、偏りが出るのだ。


しかし【虎目ノ計測(アザゼル)】は全てを読み取ることができる。

記憶を封印される前に家族から与えられた『血(想い)』には家族からの愛を。

そして【永久の隷属】などの知識を得ることができたのだ。


残りの十一個の能力は、今は使うことができない。

しかしどの能力も規格外の力であることはほぼ間違いないと思う。


完全にシャドウウルフが復活したことを確認した私は黒い体毛に覆われた背に跨った。

これまでは小さい魔物しか隷属化できていなかったためできなかったがこれからは違う。

やっと楽に移動できる手段を確保できたのだ。

体毛は意外に柔らかくフカフカであった。


私がモフモフを堪能していると、ある知らせが送られてきた。

それは、隷属化した鳥系の魔物の一体が人間を見つけたのだ。

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