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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので女子ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第六章 過

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第88話 無慈悲なる殲滅

 ジュンから指示を受けた守護者たちは、各地へと散らばる。


 商国方面で迎撃に当たっていたのは、紫燕(シエン)陰牢(カゲロウ)。ルドルフに注意喚起しにいく道すがらの接敵だった。



「行動を阻害します」



 紫燕の銃は見事に足を狙撃。次々と倒れていくゾンビたちだが、足を失っても尚、進もうと地を這う姿は生きる屍。



「脳天打ち抜いた方が早いわよっ──て、あら?」



 大鎌の回転斬りは容赦無く、身体を切り刻む。首は掻っ切られ、胴体は真っ二つ。


 しかし、その代償は大きく、歩くだけで大地を別物へと変えるゾンビたちは、その身体に触れたものも腐蝕させる。


 鎌の切先は少し欠けていた。



「厄介ね、飛び道具でしか相手できないじゃない」



 難なく(ほふ)る紫燕とは打って変わって、直接的な鎌攻撃では相性が悪い。斬撃を飛ばす形であれば対処可能だが、全ての攻撃に斬撃を付与することはできない。


 陰牢は接近戦を一番に得意とする能力者ではないからだ。創造主から賜った武器を無駄にするのも言語道断。最初こそ興味本位で、実験に持ち帰ろうかと思っていた陰牢(カゲロウ)だったが、認識を改め殲滅へと移行する。


 武器破壊をする輩は成敗あるのみ。



玩具の劇場(カオス・ミュージカル)



 玩具箱(カオス・ボルグ)よりも、効果範囲が広い技。出現した拷問器具に、次々と囚われ、死にゆく者達。元は一般人、どこかの国の民や兵士に他ならない彼らが、断末魔も無く生を終わらす。


 情の欠片もないが、これ以外で彼らを楽にさせる(すべ)は陰牢には無い。


 ゾンビになってしまったことを呪い、来世に期待してもらう。



(器具は腐蝕するから、お互い様よ)



 とは言っても、拷問器具は召喚物。精神が続く限り、無限に出現する。


 戦場は、操り人形劇と化していく。


 それを上手く掻い潜ったとしても、糸を縫うように紫燕の銃が火を吹く。狙いを足から頭へと変更して以降、容赦無い。弾丸に発火性の物も織り交ぜることで誘爆を引き起こしている。


 高台への接近にも気づいており───



「よっ」



 直ぐに武器を切り替え───



「とぉっ」



 回避と同時に首を切りつけ───



「オマケです」



 二丁拳銃を披露する。



(ふふん、どうですか?私のピーちゃんキューちゃんのお味は?)



 隠密忍者風銃使い(ガンマン)に隙はない。


 大行進を続けていたゾンビたちは、守護者という脅威に滅されるばかり。








◇◆◇◆◇◆






 ルクツレムハ征服国南部で迎撃の任に就いているのは、(シキ)月華(ツキカ)。月華は当たり前だが、式も素手に加えて鋭い爪を駆使して攻撃している。


 躊躇(ためら)いもなく接触をしているのは、噛みつき等によって出血さえしなければ、ゾンビ化しないことが判明したからだ。


 これは、ジュンを通して(レイ)から念話(メッセージ)が飛ばされた。


 ゆえに彼女らは、自慢の拳で闘えている。


 月華では効果薄だが、脳天や首元を狙うことで気絶させ、何とか食い止めている。


 毎度のように起きる手の腐蝕は、“半自動治癒(オートキュア)”で治す。


 これも、念話(メッセージ)で伝えられたこと。完全なゾンビ化は治癒できないが、ただの腐蝕であれば治せるのだ。



「オラオラどうしたぁ!それじゃあ、一生かかってもオレ様には勝てねぇぞ!」



 物言わぬゾンビたちも至極当然。彼らの脳は、あまり機能していない。


 『あー』や『うー』などの擬音程度は発するが、基本は本能のまま、飢えを満たしたいだけの、感情の無い生きる屍。


 発達しているのは主に筋力で、稀に筋力以外の身体能力向上効果も起きるが、彼女ら守護者に意味は無い。


 ゾンビ化前の腐蝕を“半自動治癒(オートキュア)”で治せると解った以上、怖さも無い。


 そもそも最初から恐れていない。


 特に、式は暴力的で好戦的。


 忠犬は指示を正確に遂行する。耐えて倍返しするという、攻撃方法を使えないとしてもだ。圧倒的な暴力で屠る様子に、身体能力向上の有無も最早関係ない。


 大男風のゾンビも一発(ワンパン)で倒していく。



(①番と⑦番……)



 ある種台風のような暴力風景を横目に見ながら、月華は自分のできる範囲で倒していく。


 回避と反撃を繰り返す。


 全て一撃による短期決戦。


 式のような豪快さはないが、着実に仕留めていく。



「①番と⑦番!!」



 武術は1日で成らず。日々の積み重ねが成果へと至る。



「「次、お願いします!/次は、どいつだ?」」



 静と動ではない。この2人を表すならば、柔と荒。


 全く別の体術(スタイル)同士。


 息は合わないようで合っている。これもまた鍛錬の成果。日頃から切磋琢磨した甲斐があったというもの。背中重なり、交差する2人。



「①番……」

「はっはぁ!」


「⑦番……」

「おらよっ!」


「①番⑦番⑱番!」

「もひとつ、オマケだ!」



 月華の回し蹴りが、式の拳が、空を割り、大地を揺るがす。


 躍動する巨乳美女。


 溢れんばかりに乳房(ちぶさ)は揺れる。


 ここにジュンが居たならば、今生(こんじょう)に悔いなしと、目を奪われていたことだろう。


 本当に居なくて良かった。


 それくらい美麗に爽快に薙ぎ倒していく。この地での戦場もまた、優位に立ったのは組織『S』の守護者たちだった。








◇◆◇◆◇◆







 東部の前線に立つのは、守護者の(レイ)。彼女は1人で、バラバラ死体を築きあげている。



「続行します」



 当初はユージーンも参戦していたのだが、自慢の剣が刃毀(はこぼ)れを起こしたがために一時撤退。


 軍の兵士も戦場にはいない。


 ただ、零にとっては、それが楽。2次被害は無くなるし、縦横無尽に闊歩できる。


 それに、兵士という(ごみ)くらいの価値しかない物を、守ろうと意識を割く必要もない。彼女のこの冷たい性格は、だんだんと守護者以外の周囲にも気付かれつつある。


 それを良しとする変態も中にはいるが、恐怖する者の方が俄然に多い。風貌は定着し、国の代表の1人として定着しつつある。


 しかし、彼女の()()は別にある。確かにルクツレムハ征服国の内政や、国内の東西南北各地域を管理しているのは零だ。


 軍強を図るよう、グラウスに指示したのも、彼女で間違いない。属国先が増えたことによる人材問題も把握し、自分なりに対処している。


 だが、それら全て、零にとって意味はない。


 人材が足りてないことが、一番の問題ではない。


 国という観点や守護者の立ち位置から見れば、確かに解決を要する内容だが、彼女の我を通すなら、そんな事は()()()()()()()


 全てを放棄し、創造主のために時間を使いたい。


 メイドとして、隣に立つ、ずっと。


 それが、彼女の心の本音。叶えたい願い。

 


(いつになったら、心落ち着くのでしょうか……)



 思うようにいかない毎日を憂い、気持ちを発散させる。


 鋼糸によって、死体の山が出来上がる。


 能力、“次元殺法(ディメンションキラー)”を発動していることで、糸の一本一本に小さな(ひずみ)が発生し、糸を補強しているために、腐蝕が起きることはない。


 武器はノーダメージ。


 勿論、本人も“半自動治癒(オートキュア)”すら使用しない。


 これは、無慈悲で、一方的な殲滅。



「今暫くは、私の発散対象になってて下さい」



 スーパーメイドは、可憐に優雅に戦場を舞う。この地でも、勝利は揺るぎなかった。






作品を読んでいただきありがとうございます。

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