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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので女子ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第四章 裏切りと契り

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第64話 激化

 地下遺跡の戦闘も激しさを増していた。


 砂塵(さじん)が舞い上がり、水流はうねりを上げる。


 その2つを、業火が喰らい尽くす。一進一退の攻防にも見えるが、依然劣勢は自警団のヤンとミズキ。


 紅蓮(グレン)の炎に手を焼いている。



「参ったね……」



 加えて、炎で形成された大竜巻が周囲を覆うように蔓延(はびこ)り、剣撃の回避も難しい。そもそも、剣と短刀では距離(リーチ)が違う。


 (ねっ)された剣なら尚更、近づきにくい。


 ヤンが短刀使いの専門家(スペシャリスト)だったとしてもだ。数の優位を活かせない状況に陥っている。



「つ……ッ…は!」



 この場所が地下空間というのも多少なり影響している。


 ()()()()()というのが、こうも逃げに不利に働くとは思ってもいなかったのだ。更には遺跡破壊も起きているという状態。戦いの余波で建造物が壊れるのは、ヤンにとってあまり宜しくない。


 この場所に思い入れがあるわけではない。ただ純粋に国の財産だからだ。


 確かに、用意周到に罠を仕掛けたのもヤン、少しばかりの財宝を用意したのもヤン、この計画を王に申し立てたのもヤンだ。


 だからといって、破壊されることを容認できないし、遺跡を放棄することも決してできない。よってこの場を、戦場を地上へと移す必要がある。



「いッ……たいねー!」

「そうか」



 紅蓮は相変わらず余裕の表情。逃げられないようにと、大火炎竜巻を生み出す以外、技は使用せず、剣技のみで圧倒している。



「そろそろ、疲れてきたか?」

「いや、まだだね。あたしらが、これくらいで降参するわけないさ」

「だろうな、無事に降参させる気も無いがな」



 地下空間に剣撃音が響く、絶えず、ずっと。



「む?」

「な?」

「え?」



 金属の擦れ違いとは別に介入したのは、耳飾りを媒介に伝搬した通信(メッセージ)


 ミズキは耳元を押さえ、ヤンと紅蓮は(ふところ)を確認、この地にもナタリーの声は届いたのである。


 ここに来て初めて戦闘も止む。



「お仲間からの通信じゃないか……、いいのか?」



 助太刀の有無を紅蓮はヤンに確認したのだ。



「ひ──つよう無いね、あたしらに届くってことは、他の者にも届いてる証拠さ」

「まぁ、王都までは距離があるか。これで貴様は()()()()()()()()()()ことが知れたわけだ。あのナタリーとかいう娘には感謝せねばな」


「言うねぇ。まるでもう、あたしらに勝ったような言い草じゃないか」

「勝ったようなものだろう。差は歴然、それは貴様も既に理解したろう?」


「いーや、してない。勝つのは、あたしらさ。それを証明してあげるからさ、上に行こうじゃないか」

「地上に出ても何も変わりはしない。魂胆も目に見えている。貴様達が、私をこの地で抑えようとする理由は不明だがな」


「違うね、倒すんだよ」

「ほう、楽しみだ」



 誘いに乗る紅蓮は先に移動、ヤンとミズキも、その後を追うように階段を上がっていく。


 仲間の救援は放棄するのではない。ヤンはナタリーの実績を信頼している。見ず知らずの誰かが助けるかどうかは、天運を信じる他無いが、これまで多くの人達に耳飾りを渡しているナタリーならば、まだ希望はある。


 逆に、この地、この戦場に希望は無いに等しい。しかし、負けは許されない、勝利しかない。


 国の未来のため、明日の仲間のため、()()()()()、一層決意を固めたヤンは、より戦場に身を投じるのだった。




作品を読んでいただきありがとうございます。

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