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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので女子ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第四章 裏切りと契り

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第58話 魂魄値

 任務を遂行できた満足感に月華(ツキカ)は高揚していた。



(よし、流石はボク!日頃の鍛錬は間違ってなかったんだ)



 ガッツポーズも天高らかに挙げる。



「イタッ……ッ」



 節々(ふしぶし)は痛く痣だらけ、所々出血もしている。アドレナリンが出ていたことで、傷を負っていたのをすっかり忘れていたのだ。



(今回のは、結構酷いや)



 美人が勿体(もったい)ないほどに痛々しい。



(無茶したもんね)



 だがそれも───



「“半自動治癒(オートキュア)”」



 言葉を1つ唱えることで回復する。さっきまでの怪我が嘘のように消えている。通常ならば、完治させるために何週間もかかる傷をだ。


 専売特許であるアリサの治癒能力を使ったとしても、こうも簡単には治せない。


 月華が治癒系の能力を有しているのではない。


 これは、ジュンがフルオートで使う“自動治癒(オートキュア)”の劣化版であり、全守護者が使用できる共通回復技。


 但し、使用には条件というべき制約がある。それが全守護者に振り分けられている、基本値(ステータス)とは別の魂魄(こんぱく)というエネルギー値だ。


 守護者は、おおよそ300〜1000の魂魄が振り分けられ、月華の傷が癒えたのも、保有する魂魄の一部を消費して、“半自動治癒(オートキュア)”を実行したからである。


 魂魄の消費は、()()()()()()、創造主であるジュンの許可を必要としない。


 消費数値も各々の判断で決めることができ、軽度の治癒であれば10〜50、重度の場合は50〜90、()()の場合は100を消費すれば良く、彼女たちの中で怪我人という概念が存在しないのはそういう理由。


 但し、勘違いはしないで欲しい、ジュンのように無限回復はできない。魂魄値は自然には増えず、消費すればいつかは保有数値が0となる。


 その場合は軽度な傷を治すことも出来なくなるため、守護者は魂魄値を消費しないで戦闘に勝つことが基本的に求められる。


 上級者であればそれは可能で、事実今の所、外部で魂魄を消費して“半自動治癒(オートキュア)”を使用した守護者は、月華と陰牢(カゲロウ)のみ。


 この使用者を把握できるのは、魂魄自体が元々、ジュンの所有物だからである。


 所有物を創造時に分け与えるという行為はすなわち、言い換えれば魂魄値を増やすには、創造主から戴く必要があるのだが、簡単には譲渡できない。


 〈魂魄(イコール)エネルギー〉であるために、器が育っていなければ、精神を保てないからである。


 負荷に耐えられなければ暴発する。同じ守護者であっても魂魄値に差があるのは、そういうこと。


 また許可を必要としない回復系とは別に、許可を必要とする強化系もあるが、それはまだ誰も使っていない。


 言いつけはきちんと守られている。月華が以前に、『制限下で皆戦っている』と言ったのは、そういうことだ。


 制限をかけストレスを与えるのは成長の為。ジュンの能力を持ってすれば全てを思うがままに、完璧超人の守護者を創造することは簡単も、そうしないのは個性を磨いて欲しいから。


 機械(ロボット)ではない彼女達と共に歩み、ずっと一緒に居たい(ハーレムしたい)と思うからである。


 ただ、ジュン本人が女性同士を望む以上は、大前提として女体化する必要があるのだが、残念なことに未だそれは叶っていない。


 ハーレムという夢が叶うのはいつの日やら……、話は逸れたが、魂魄はジュンの能力と密接に関わる。


 守護者は、()()()()()されるがために、組織名も『S』となっているのだ。


 ジュンの能力単体を意味するものではない。それはそれは、大変に重要な価値と機密性を持つものなのだが───




「ジュン様!」

「あ、あぁ……」


「……なるほど征服王だけでなく、配下の者達も同じような技を使えるのですね」



 ここにきて、他人で部外者(ニシミヤ)で厄介な男(ライト)に、その秘密がバレる。



「あっ……ッ、すみませーん!!」

「よい」



(安堵で気を抜いてたでしょうし、こればかりは月華を責められないわ)



 本家の“自動治癒(オートキュア)”は、道中何度も使っている。嫌いな男性種が、ストーキングしてくるのだから仕方ない。


 何度も見るうちに、ニシミヤライトも記憶してしまったのだ。



「これは、他の方達も使用できるのですか?」

「……さぁな」

「理解致しました」



(はあぁ?ホントこの男ムカつくんですけどぉ?)



 またもや発動する“自動治癒(オートキュア)”、精神鎮静化をしても回復した気にならないジュンは、嫌いな男より好きな女を見る。



「夢有には指示した、月華お前も王都を目指せ」

「あっ、はい!合点承知です!」


「では、私達は予定通りに第2関門所へと行きますか」

「お゛っ───」



 と、何か言いかけた所でジュンは口籠る。

 直ぐ様、“自動治癒(オートキュア)”も発動する。



(ふぅ、深呼吸よ、早乙女純。私は誰かを思い出しなさい。寡黙な男ジュンよ。『お前』って呼ぶくらいは良いとして、口調を変えるような喧嘩文句はダメ。そう集中しましょう、早乙女純、貴方ならできる、私ならできるのよ。これくらいの試練、女体化と比べたら大したことないわ。この男の対処は、この国の征服が完了してからでいいの。今は我慢……我慢よ)




「失言だ」

「左様ですか、私としてはどのあたりが失言だったのかお聞きしたいくらいです。道中お(うかが)いしても?」

「………」



 舌打ちが聞こえてきそうな()のあと、先に飛び立つのは創造主であり征服王のジュン。その表情は、いつも以上に無だったのは言うまでもない。





作品を読んでいただきありがとうございます。

魂魄値については重要ワードの一部となりますので、第四章終了時に、主要登場人物紹介の一部を更新します。


作者と(へき)が一緒でしたら、是非とも評価やブクマお願いします。



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