第44話 別行動
宝探しを無事に終えたジュンたち一行は、それぞれ別行動をすることに決まり、3グループに分かれる。ヤンはダリィとリックと共に、王都に戻る。財宝を一度に全て持って帰るのはできないし、地下遺跡の報告と自警団としての本来の警備仕事もある。
ヤンについては、王女の安否確認も必要だ。
ナタリーの能力を使っているので、王都が襲撃されるという危機が訪れていない事は一目瞭然とはいっても、何日も王女の護衛を他者に任せるのは愚の骨頂。
特別職としての役務はきちんと熟す必要があり、3人は先に出立する。
ミズキは、一人で地下遺跡に残る。財宝管理もそうだが、今後の事を考えて水資源を確保するのが理由だ。能力で水源確保はあっという間も、一般人や軍人がそれを活用するとなると、しっかり整備をする必要がある。
細かい作業も並列して行っていくということだ。万が一、何者かの襲撃があったとしても、Aランク能力者なら撤退も可能と判断しての采配である。
ヤンも一定の仕事が終われば、また地下へと戻る手筈となっており、そう心配することもない。
それ以外の者、つまりジュン・紅蓮・月華・ナタリーは地上に出た後、ジルタフ国を南下して、国境を越える予定となっている。
対立国であるネルフェール国の領土に入るが、これは間違っても侵攻ではない。
その土地柄や雰囲気を肌で感じるだけで、主な目的はルクツレムハ征服国の東部とネルフェール国の西部にある国境付近を直に確認するのが目的だ。ルクツレムハ東部には、アリサが率いる南部軍が駐留している筈なので、そこを経由してから再度ジルタフ王都へと戻ることになっている。
ぐるりと一周するルートになっているのは、自警団のナタリーが同行しているからだ。
この同行案、ジュンの願望ではなく、ヤンの提案。
友好を深める話はまだ終わっていないということだ。
よって後々、ナタリーを王都へ帰す必要が出てくるが、手の内を隠している手前、引き続き“新界”は使えない。ただそれは、ナタリーの見ている前で使えないだけであって、出発前に実はこっそりと使っている。
行き先は古城。
守護者の零に、陰牢から連絡が入ってないか確認を取るためである。
案の定、定期連絡は入っており、商国シンディ城の再建は大幅に終わるも、統治の整備に時間がかかりそうで、もう暫く残るらしく、式や紫燕も引き続きというのは、ジュンとして若干気になるところではあったが、全権委任を解除していない以上は、陰牢の判断を了承するに至る。
但し、大人のデートスポットは守る必要があるため、これ以上無駄な破壊はしないようにとだけ、零に連絡させた。
これで用件が済めば紅蓮たちのところに戻る予定だったジュンだが、ここで1つ問題が起こる。
夢有と唯壊の二人が北部から戻っていたのだ。しかも、一緒に連れて行ってほしいと懇願してくる。
破壊の権化を両方となると、嫌な予感しかしなかったジュンは、またもやジャンケン采配を推奨して、夢有だけを同行させた。
遺跡入口で待つナタリーには驚かれてしまうが、近郊まで来ていたと嘘を付き、強引に納得させる。ジュンの身体が自身の望む女体だったならば、これはまさしくハーレムだっただろう。
だが残念なことに、その夢は未だ叶わない。そしてまた、新たな出会いが待ち受ける。
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