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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので女子ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第十章 聖九上位、現る

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第173話 帝国④

『───であるからして、ドラゴ様は竜人として生きてきたのです。清廉潔白でない事実、故意に虚偽していた事実は認めましょう。しかしながらご承知の通り、統治数十年、百年も見据えているこの現状に於いて、この国に戦禍が巻き起こらなかったのも、また事実成り得ているのを再認識してもらいたいと思います……』



 ドラゴの釈明会見。本人の説明が一段落し、のちの補足説明を蛇人のリカクが請け負っている。



(ふむ……)



 ドラゴの出番はもうない────というのは戯言。リカクの補足説明が終わっても反論や野次があれば、どっかりと座ってはいられない。


 全てが無事に終わっても遺恨は残るかもしれない。


 だがそれも本望。


 永く国を支えられるのであれば、全員納得してもらえるまで藻掻き続ける、それが王の務め。繁栄築くには、民の助力が必要不可欠。《慈愛の王》と、格付けされたこれまでを貫き通すためにも。


 しかし、やはり、印象は悪い。


 人間と竜人の混合種を忌み嫌われるよりも、純粋におっさん顔のウケが悪い。


 対して、幼女姿の征服王はウケが良い。隣に立つ獣人もまた同じく。



(竜人………いやこの場合、半竜人か混合種かのどちらかなのだろうが、この際どうでもいい。我慢ならんのは、我だけ印象悪いことだ。我は真面目にやってるのにどういう了見なのだ?おいそこ、見つめ合うな!腹を鳴らせるな!国民よ、我だけを見よ!!)



 独占欲など無いに等しいと思っていたのに、苛立ちとともに予期せず生まれる、醜いながらも普通の欲求。一瞬、人選を誤ったかもと思ってしまう。



(いかんっ!)



 だがここで暴れないのが、国のトップに立つ者。



(ちいっ、我を忘れるとこだった。まだ会見中だった……)



 咄嗟に正気には戻ったが、質問の嵐、真っ只中。幸いにも、全てリカクや他の重鎮達が答えており、無問題だったが、矢継ぎ早にまた質問。民は王自身の考えを所望しており、こればかりは本人が答える必要がある。


 経緯説明はもう不要。

 

 似て非なる人物達の紹介も不要。


 国の展望も謝罪も。


 ならば何が必要か、それは────



「我は醜い」


 !?


 唐突な言葉に、どよめく民衆。



「顔でも姿でもない、精神的にだ。身体(からだ)のように心や精神が図太ければ、こんな事態にはならなかったろう。躊躇や恥ずかしさが当初からあった。国を牽引し続けても、いつか壊れるのではという恐怖で前を向けなかった。醜く愚かだ、我は……そういう[()()]だ。許してほしいとは思わん。受け入れてほしいともな。職務を降りろと言うならば、従うのもやぶさかではない。だかしかしだ、繁栄は一日では築けぬ。功績を評価してほしいのではない。未来(あす)を見てほしい。我は………我の国、帝国は決して、組織【S】の膝下にはならん。誰ぞの属国にはならん。帝国は帝国。繁栄は自ら、己の力で築いていく。それが出来るのは我しかおるまい。ぽっと出の反乱分子に為せはしない、そうだろう?」



 問い掛け。民衆らの無言がその答えを物語る。



「同時に、ルクツレムハ征服国の友好国であり続けるのも変わりない。その条約を取り付けられるのも、また我、ということだ。征服王殿───」

「なにかしら?」



 釈明を願い乞う王はいない。



「先に白紙とした内容、改めて別の内容で締結したい。この国の未来の為にな。それと引き換えに、というよりは詫びだな。()()()()()()()()()件について、こちらからも是非お願いしたい。管理者……だったか、外交官くらいの位置付けで合っているか?」

「ええ勿論、その解釈で構わないわ。それで、えーと、アレは改めないわよね?」


「わざわざ隠語で言う必要は最早無いが、生産性無き会合は不要だ」

「会合……確かに、そうか会合にも意味合い的には同じね」



 不必要な読書会の完全消滅。


 だがそれで良い、何も問題は無い。


 愛だの恋だの、(うつつ)を抜かす輩では、今の帝国を導けない。


 大国を纏めあげ、繁栄を築けるのは、ドラゴという、おっさんで竜人の王たる器を持つ人物のみ。


 これがドラゴの作戦。


 似て非なる者を呼び、竜人の存在を世間に知らしめる───なんて簡単に誰でも思いつけるような行動理念で会見を許諾したのではないし、それならば征服王に願い出らずとも良かった。リカクとガンキを隣に立たせるだけで良かった。


 征服王に願い出たのは、今後の国政について、民衆の面前で語るため。対等に協議できる存在と知らしめるため。価値を理解させるための、ある種の手段だったに過ぎない。


 百年以上生きている[人間]の知恵ほど、侮れないものはない。


 予想を大いに覆し、無事終了した会見がそれを物語る。






作品を読んでいただきありがとうございます。

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