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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので女子ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第十章 聖九上位、現る

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第172話 帝国③

 守護者の(シキ)には、獣の耳(ケモミミ)が付いている。ヒトの耳とは違い大きく、360度の音や声を聞き分ける。尻尾も生えており、感覚鋭く、勘の良さは他を抜きんでる。


 獣属性を持つ人間。略せば獣人。それが、式。


 しかし、この世界に[獣人]は存在しない。この世を満たすは一つの人間種のみ。したがって、ドラゴのような[竜人]もありはしない。


 生物概念的に一般に存在しない[獣人]と[竜人]は社会から見れば不自然な異物と判断される。呼称が存在しないのだから仕方ない。


 不自然かつ不適合な存在が帝国を治めていたと言われれば、誰だって驚きだろう。


 だがそれは、この国に住まわない者達の客観的感情に過ぎない。


 帝国の民は驚愕だけでは決して終わらないし、終われない。これまで国が安泰だったとしてもだ。不信感、拒絶感、排他感等々、国束ねる者達に抱く当たり前の感情と言える。


 逆に言って、これだけ長い期間気付かれなかったのは奇跡としか言い表せない。


 城外で常に顔を隠す帝王ドラゴ(及びリカクとガンキ)の慎重さと、傍ら控える重鎮達や兵士の気遣いがあったからこそなのだが、他国問題(そんなこと)は守護者の式にはどうでもいい。

 

 退屈でしかない。


 この会見は当然ながらだが、尊敬する主が承諾したのもあまり納得がいってない───というかそもそも、おツムが弱いために、何故連れて来られたか、遊覧(デート)すら意を解していない。



「くはぁっ」



 暇なうえに、眠気まで襲ってくる。何もせず、ただ突っ立っているのは拷問でしかないものの、暴れもせず民衆の前に姿現すのは、(ジュン)から命令されているから。


 命令は実直にこなす、それが番犬であり忠犬。


 だかしかし、『待て』とは言われていない。


 (ワンコ)座りしていない理由はそれ。だからこそ気は抜いているし、欠伸も出る。会見中とはいえだ。



(メンドーだぞ)



 楽しいことを探そうと見渡しても何も無い。この場から『動いて良し』とも言われてない。更には腹も鳴る………大きい音。



(くうぅぅ、メンドーだが主は嫌な顔してねーしな。もう少し我慢すっか……)



 舌を出した空腹の犬は、真横の貴賓(VIP)席に座る創造主観ながら涎を垂らす。






◇◆◇◆◇◆






(?)



 式の空腹を感じ取っていたジュンだったが、会見中はずっと別な事を考えていた。


 民を説き伏せるために、男から(前世は女)幼女となった自分を利用するのは問題無い。獣属性ある式を使うのも理に適っている。()()()()も、観客を沸かせたようであるし、普通の人間とは違った容姿の式や(ケイ)が一目置かれるのは当然。尤も、属国内だったなら誰しもが知る情報ではあるが、ここは帝国。ルクツレムハ征服国にとっては単なる友好国。[獣人]を知らなければ[竜人]も知る由がない。ゆえに、帝王ドラゴの説明には些か不安が残る、かもしれない。


 がしかし、心配はしていない。ある意味で言えば部外者──人間種のため──であり、今のため息はただの愚痴だ。凝った貴賓席に座らされるよりは、式の豊満な胸(ボディ)に包まれていたかった、というのが心の声であり、穢れ剥き出しの欲求。



「はぁ……」



 そもそもの目的は遊覧(デート)だった。未だそれは成し遂げられていない。イチャイチャは出来ていない。()()()()()は完遂したにも拘らず。



(属国の代表者を支える管理者同じく、友好国であるここ帝国にも管理者を置く。まぁ、外交官みたいな位置付けだけど、一応の了承は貰ったし、()()()()もできた)



 それが何も仕事を受け持っていなかった式に割り振られたということ。白羽の矢が立ったのだ。


 但し、式の能力で務まるかどうかは定かではない。


 実際、ドラゴには鼻で笑われた。怒る気にならなかったのは多少の理解があるからだ。適材適所という言葉は全く持って彼女(シキ)には当てはまらないが、信じるしかないのも事実。しかしながら、属国でなく友好国なのは救いでもある。それほど管理しなくても良いからこその抜擢。



(属国が増えるんだから仕方ないわけだけど、それにしてもまだ人手不足なのよね。あと受け持ちが無いのは、籠畏(ルイ)だけ───か。(スイ)は懐刀で無理だし、世理(セリ)には情報収集の世界観測がある。夢有(ムウ)唯壊(ユエ)はペータン教……でもあれはノーカンなのかしら?半守護者のヤンとミズキにも仕事させるべき?)



 同半守護者のライトは個数(カウント)に入れない。これは普遍的見解。それに頼みたいとは1ミリも思わないし、思いたくない。



(男は不要………基本的にだけど、国を動かすためには仕方ない部分もあるけど、アイツにだけはお願いしたくないわ)



 そんな事を考えながらも時間は進み会見も中盤。


 にこやかに笑顔振り撒くのは頼まれ事ではあるものの、それでは愉しみが一つも無い。ゆえに時折、凝視するのだ。真横の双丘(おっぱい)を。


 意味分からずの空腹の犬(ワンコ)と見つめ合う現象理由、である。







作品を読んでいただきありがとうございます。

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