第162話 妖国の処置
ギルテ戦を終えた翌日、ジュン含め守護者11名(世理と翠はいつものごとく別待機)と半守護者2名+1名、更には【聖なる九将】序列第九位のクロウが古城の大広間へと集まっていた。戦果報告及び各地の状況や擦り合わせ、重要事項の共有のためである。
捕縛した【六根】の面々はこの場にいない。全員、彼らの国、里の樹連合に還している。勿論、拷問を受けていた数名の副長クラス共もだ。ジュンのなかでは、彼らの処遇、使い道は始めから決まっていた。
〈生かす〉とは、文字通り不殺。
妖国グリムアステルの隣国、里の樹連合の統治は変わらず【六根】の者らが執り行う。
次いでに言えば、得体の知れない妖国も彼らにと考えていたのだが、ギルテの死が確認できない限りは本来の決め事に従い介入しない様子。
これはジュンにとって、『困ったわ』の一言。
元々のプラン的に、ギルテの生死いかんを問わずして【六根】の者らに半分くらいは統治してもらう気持ちでいたからだ。
世界征服を組織【S】の一応の目的として掲げたことに間違いはない。だが、圧倒的に人手は足りない、足りなすぎる。守護者を管理者に据えるのは至極当然としても、国を統治する役は別に必要。ハーレムを実現させるためにも、守護者をこき使い過ぎる気は甚だないのだ。
妖国に気の知れた者が居れば無問題なのだが、一人もいない。隣国の里の樹連合は介入しない。反対側のネルフェール国には無能な貴族しか居らず、園の運営もあって無理。一応、砂漠地帯ジルタフも妖国には近いのだが、本土の国よりかは砂漠地帯が隣接しているため誰かを向かわせるのは酷だろう。
まとめれば、現状は無法地帯。身内の不始末は身内がという意味で【聖なる九将】に丸投げしようと思うのだが────
「ワタシハ、ミヲマモラネバナラナイ。サガシモノモフエタシナ」
断固拒否のクロウ。
ジュンの命令ならば快く受諾しそうなライトも───
「我が君の勅命とあらば全身全霊尽くすべきでしょう……しかし、そうなれば会える機会がグンと減ってしまいます。なので、受け入れられません」
「ア・ン・タにしか頼めないんだけど?」
「御免被ります、我が君」
「チッ……」
本心の舌打ち。排除できる絶好の機を失ってしまったのは痛いが、本題を戻せば誰も無理なのである。
帝王ドラゴも同じ。城はドラゴの容姿変貌の件であたふたしているだろうし、捕縛した序列第八位ゾビィーはドラゴの管理下になっている。妖国も、というのには無理がある。
序列第五位のシルフは何処かへ行ったという話で、助力はどこもかしも不可。統治者不在は免れない。
妖国の民に全任せ。いわば、放置プレイ。
内政もギルテと四隊長が執り行っていたようで、安定安寧を除けば、ほぼ独裁国家と変わりなかったらしい。
放置プレイに痺れきらすのはどちらかといった現状。ジュンにとっては、糞ほどに興味もない民であるのは否めないが、妖国は国として生活圏も娯楽も普通の国以上。デートスポットを確保するため、無下にはできないのである。
(はあぁぁぁ、めんどくさっ……どこかにいない者かしら?丁度いい、無害なひと)
深刻な状況ではない。いつかは訪れる問題だったとしてもだ。今は、ほかに問題がある。
「えっ………はぁ?どゆこと??」
紫燕からの報告。
共和国の代表者カンネの拉致問題。
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