第153話 シン VS 唯壊
創造主ジュンと守護者に東部軍などが手間暇かけて造った【DS園】は、ネルフェール国全域を使用した施設で間違い無い。
だが、南部地方はまだ仮設建物が多く残っている。
というのも、南部は帝国に近いのもあって、手広く手掛けられないのだ。帝国との友好条件にもあった、商人や民の行き来に課せられる関税は、承認の上廃止され、昔ながらの街道は綺麗に整備されつつある。
帝国との国境付近になる南部地方が再開発されていないのは、圧迫感を与えない意味でもある。
超巨大な施設があったら身構えるのは当たり前。【DS園】の入り口を一箇所しか造っていないのもあり、あまりにも大き過ぎれば、帝国の商人達は迂回を余儀なくされるし、交流すらしないと思ってしまうだろう。
ネルフェール国側に足を運ぶ回数が減れば、【DS園】の売り上げにも影響する。
ゆとりを持たせるのは至極当然。
そのゆとり区間である、ネルフェール国南部地方に戦いの場を移しているのは、守護者の唯壊。対するは、自身を四隊長の筆頭と名乗る男シンと、その部下リベル。
「まだなの?」
唯壊が移動してから、それなりに時間が経つ。しかし、一向に攻撃してこない。
あろうことか、リベルという者は、大口開けてずっと『あー』や『うー』としか言ってない。
(なんの時間これ?)
「申し訳ありませんね」
静寂空間を裂いたのはシン。袖から楔を数本出しては、プラプラとさせている。
「やる気になった?」
「えぇまあ、リベルは遅攻型なんですよ、ほら───」
指差されたリベルは吐血している。誰にも攻撃されてないのにだ。
「何の能力なの?」
シンは、最初にしたように、リベルの耳元で囁く。
「あー!うー!!」
「代償……ですかね」
「へぇ、それが何の役に立つの?」
『そうですね』と言いながら、リベルの後方に下がっていく。
「あなたの資料は読みました」
「でしょうね、童貞から聞いたんでしょ」
ゾビィーと対戦した経緯で、唯壊の能力は割れている。
「普通にやっても勝ち目はありません。ダメージを与えられるか、それすらも可能性は皆無でしょう」
淡々と分析し始める。
「だからこその彼です!」
リベルとやらは未だに、『あー!』と吠えながら吐血している。
「真実を話せば彼は能力者ではありません。が、この世界では珍しい特異な体質の持ち主でしてね。加えて改造も施しました。今現在、あなたたちの遊園地を破壊している怪獣君とは別の方法での改造ですよ」
「へぇー、そう、だから?」
色々面倒くさそうに答えた唯壊に対して、シンは上機嫌。
「いくら怪我しても、吐血しても、骨が折れても、心臓刺されても死なない存在!!痛覚遮断という改造で、彼は真なる者へと近づいたのです!!」
唯壊は溜め息つく。
「その退屈顔、一瞬で壊してあげましょう。さぁ、行くのです、リベル!」
「ウゥー!!」
落胆は、過去一大きいものになった。
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