第144話 休園
満を持して開園した【DS園】は、その1週間後に休園を余儀なくされた。ネルフェール国に存在する唯一の園外建築物、モジャル家が何者かの手によって破壊されたからだ。
モジャルが共同運営者になるにあたり、これまで彼の地位と名誉を守ってきた実家は放棄。【DS園】内に居住するよう手続きが始められたばかりで、執事が必要な荷を定期的に運搬していたのだが、開園して数日後、滅茶苦茶に壊されているのを発見。地下に隠していた絵画や宝石の類は、持ち去られることなく粉々に砕かれており、その悲報をもう一人の共同運営者であるグラウスから守護者の零、征服王ジュンへと順に報告が回ってきたのだ。
共同運営によって、当初から連絡網の構築が課題に上がっていたが、問題なく伝達できているのは喜ばしいこと。
当然、破壊された家や財産は戻らないし、モジャルに哀れみすら感じ得ないのだが、破壊行為が警告を意味するのは手に取るように分かる。
次なる目標が【DS園】である可能性は十分にある。
破壊されてはならない。守護者含め、多くの者の手を借り、築き上げたのだ。折角という言葉以上に、破壊が起きれば虚しさと怒りが込み上げてくるだろう。
ゆえに、戦場は園内ではなく園外。
敵がどの方角から来るとしてもだ。国境付近で迎え撃つのが得策。
(まぁ、敵さんがどこの国からやって来るなんて考える必要もないくらいに知ってるんだけどね)
モジャルと東部軍兵士を避難させ、その東部軍を指揮するユージーンとアリサはルクツレムハ征服国全体の守り、古城には世理と博と籠畏を配置、砂漠地帯ジルタフはヤンとミズキが守り手となり、ネルフェール国より南側に位置する共和国と商国方面には夢有と紫燕に警護してもらうよう指示。
残りの守護者8名とジュンは、敵が襲来するであろう、一点を守り抜く。
ネルフェール国における東側の国境、その境界線の先には妖国グリムアステル。
無礼を働く輩に、組織【S】の者達が行く手を阻む。
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