第141話 最終打ち合わせ
約1ヶ月の時を有して、【DS園】建設計画は成る。守護者を総出し、兵士や知識ある者、愚者の力を借り、各国へ披露する段階にまで至った。
この間に、以前茶会襲撃を企てた者らの元凶が現れなかったのは幸いと言えるだろう。運が良かったのか、将又向こうの計画の内かは定かではないが、邪魔されず完成に漕ぎ着けたことで、ジュンの機嫌も頗る良い。
「ふんふふーん♪」
スキップしながら入室したジュンは、待機していた零の横に座る。他の面子は、グラウスとモジャルだけ。
開園は実に明日、今日は最終調整及び打ち合わせ。
各国の招待は完了済み。征服完了した属国の代表者に加え、温泉屋敷のスズなど一部協力者も、お披露目会に参加する。帝国のドラゴは未だ長期不在のため代理のリカクが参加、更には敢えて妖国にも招待状を送っている。
妖国側が招待に応じるかどうか、その返答はまだ無い。
これまでの問題・争いに大きく関わっているのは重々承知であり、これが単なる煽りであるのは、向こうも当然に理解しているだろう。
この衝突を回避するでなく誘う行為に、大した意味は無い。何故なら、現実的に両国・組織に蟠りも、交流すらも無いからだ。つまり、これまでの事を水に流すかのような寛容な心持ちがあったというのでもない。
であれば、招待状を送る必要すら皆無なのだが、煽り構文と表していることからも分かるように、意味ではなく意図、これは〈いつで襲撃歓迎〉と言っているようなもの。
ジュンたち側の準備は万端なのだ。反対意見は保身に走るモジャルただ一人だったわけで、揉み消すのも造作無い。
要するに、この会議も単に注意事項の確認のみ。
「運営者挨拶は決まった?」
「えぇ、まぁ……それなりの内容にはなったかと思います」
「子豚さんは?」
「せめて名を言ってほしいだに……」
「何か言った?」
「いいえなにみょ!」
「そう───で、挨拶後は各国の代表者に愉しんでもらうわけだけど、彼らの教育の程はどうなのかしら?」
「兵士たちの接客はかなりの出来になったと自負しています。これも、スズ様たちの協力を得られたからでしょう。急な問題への対処は、経験を重ねる必要があるかと思いますが………」
「まぁ、イレギュラーの対処って難しいものね。クレーム対応は経験が物を言うって聞いたことあるし、何かあれば直ぐに上長へ報告するっていう連携の構築は大丈夫なのよね?」
「はい、問題御座いません」
返答したのは零。信頼における守護者が答えたのだから、ジュンも深くは聞かない。
「なら……あとは特にはないかしら?」
「おそらく、大丈夫かと思います」
「あ、あにょ辞退はまかりと───うっ!?」
シュルッという音と同時に、モジャルのだいぶ痩せた四肢がキツく締まる。机を挟むため、ジュンもグラウスにも見えはしないが、互いに理解はしている。
「何も御座いませんので、会議終了で宜しいかと思います」
笑顔の零に、苦顔のモジャル。対照的だが、誰も何も言わないのは、そういうこと。
「うん、じゃあ皆、明日は頑張って頂戴ね」
ドリームシークレットならぬデートスポットは、遂に明日開園する。
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