第133話 作業開始②
「ふんふふ〜んだニャン♫」
建設現場を練り歩くのは守護者の型。
零の手作り飴を舐めながら、気分良く鼻歌を口ずさむ。
「ここも、オッケーニャンね」
型の仕事は物見櫓という名の監視塔造り。
ヤンと分担で執り行う内容も、既に設計書は完成、建設作業に移行しているのだが、型は見回るだけ手は動かさない。
それに会釈するのは、グラウスが連れてきた東部軍の一部の兵士。
「元気で宜しい──だニャン!」
建設作業をするにあたり、各守護者には東部軍の兵士が割り振られている。
つまりは暇を持て余し、飴を舐めている猫が、彼らの上司。自分が楽するために、増員させたとて文句は言えない。
そもそも、守護者が征服王の配下である以上、一般の兵士は逆らえない。
構造上、仕方ない事ではあるが、仕事の押し付けは良くない。
そう物申すのは、別地域を担当している半守護者のヤン。
「あれれ?もう終わったのかニャン?」
「まだに決まってるじゃないか、こっちも始まったばかりだよ」
型が紅蓮みたく敬語無しを許しているのは、緩い性格だからだ。
これが零や唯壊だったなら厳罰対応だったかもしれない。それくらいに守護者と半守護者には、まだ明確な違いが散見される。
組み分けは創造主であるジュンの決め事だが、判断は最良だったと言えよう。
「パワハラはしてないニャンよ」
「ぱわはら……というのはよく分かんないけどね、彼らは私らのような創りじゃないんだ。もう少し、手加減してほしいってことさ」
「ちゃんと休憩は取らせてるニャン」
「だけど、任せっきりはよくないね」
「面倒ニャンね」
「今は東部軍だけかもしれない──でも後々、ジルタフ軍も加勢の予定なんだ。あたしが辛口になるのも理解してほしいところさ」
「分かったニャン」
善処はする、というのを多分に含む言い方だが、雑務係が増えるのは好都合。
ぐうたら生活が確保できさえすれば良いのが、型の不変的価値観。
(それにしても、何で急にこんにゃ物を造ろうと───おかげで管理も面倒くさくなったニャン)
ネルフェールを管理する身としては、殺風景なままが良かったというのが本音。
(出来上がったら、運営諸共当面はポンコツに任すニャン。ニャーは、園内でぐうたらするニャンよ)
そのポンコツは現在、酷指導で窶れている様子というのを耳にしている型は、この組み分け相手がつくづく紅蓮でなかったことに安堵している。
相棒が鬼教官であったならば、ゆとりは無かったに違いない。
その経験は少し前、ポンコツ代表者を捕縛した際にしている。
(冗談が通じない上に、ニャーより強い同僚なんて厄介すぎるニャン)
ジュンの采配に感謝しつつも、建設作業は始まったばかり。
最低でも、計10個は監視塔を造る必要がある。分担しても5個。それに、警備システムの構築も考えないといけない。
仕事は山積み。
「あたしはもう行くけど半分は任してるからね、頼むよホント」
「アイアイニャー」
いつもの返事、適当さは性格の現れ。
(さて──っと、一度兵士は休憩させて……ニャーも休憩……お昼寝タイム開始ニャンよ!!)
猫に、ぐうたらは必須。
よって作業の進捗が、ヤンの地域より遅くなるのは言うまでもないこと。
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