第103話 這い寄る
蠢く闇の1つは、ネルを中心に据えたギルテの殲滅部隊。
ネルを守るのは、先の戦いで生存した老兵ギーラとコロッカス、生き残った戦争国家ネルフェールの軍も率いる。
幹部勢は、四隊長のマコトとルゥ。マコトは200人程度の部下を指揮する女隊長。
ルゥはユルグの叔父にあたる人物。能力系統は一緒だが上位互換の能力を有しており、マコトとは真逆で少数精鋭の隊を率いる。
他には、妖国グリムアステルと契約を結んでいる殺戮集団もいる。ここは四隊長の1人カイの部下、ユフォンが以前に所属していた所で、金さえ積めば女子供関係なしに殺める集団である。今回は、その副長率いる100人超が加勢となった。
ネルフェール軍も合わせることで、実に数千人以上の部隊となっているが、これだけでは終わらない。
全てを合わせれば、簡単に万を超える。ギルテを信望する者が多いという意味ではない。
「──さて、上手くいくかしら?」
「死ねば腐敗し、敵の足止めに使える。中途半端な効果でも利用価値はある。問題なかろう」
「ギルテ様の考えることは毎度突拍子もない──が、やる意義はある」
「意味もな。お主の血を混ぜているのだろう?」
「そう、ゾビィー殿の血との混合劇薬だ」
「上手くいった時は……ふふ、面白いことが起こる」
「それにしても良かったのか?」
「何?」
「一応、国民だろう?」
「そうね、だから?」
「いや、単なる興味だ。お前が、心底壊れていて嬉しいよ」
「何言ってるの?私は普通よ、ただ純愛なだけ」
「………」
ネルとマコトとルゥの会話に殺戮集団の者は介入しない、彼らが動くのは事が起きてからだ。
「征服王が管理者とやらを配備してなかったのは幸運ね」
「時間の問題かもしれんぞ」
「それでも問題ない。私たちの方がずっと早いわ」
「感染もな」
「この国全土に広まった時が開戦の狼煙ね」
「別動隊も動き始めたようだ」
「ギルテ様の言う、もう1つの策もあるしな」
「えぇそう、つまり私たちに負けはない。いいえ、負けてもいい。これがあの人の夢に繋がるのなら……」
蠢く闇は静かに這い寄る。
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