昔から好きだったボクっ娘系ボーイッシュ美少女幼馴染にイケメン主人公系彼氏ができたらしいので、レ〇プした
「ね、ね!ボクさ、なんとなんと、彼氏が出来ましたーー!」
こいつの名前は霄 三海。
俺の幼馴染だ。そして俺の初恋の相手で、絶賛失恋中で、しかも片思いの相手から彼氏自慢されてて死にそうです(主にメンタルが)。
こいつに彼氏が出来たのはつい最近、と言うか昨日告白されてそのまま付き合うことにしたらしい。相手は高校の先輩でクッソイケメンで人気のサッカー部の部長をやってる男らしい。
しかも勉強もできて人柄もいいと来たもんだ。そんなイケメン完璧野郎から告白されたとなれば、その日に高校中に噂が広まるわけだ。
「知ってる」
「な、なんで!?ボク教えたっけ?」
「有名だよ、ゆーめー。お前の相手誰だかわかってんのかよ」
「?」
三海は俺が何を言っているのか分からないとでもいいたげに首を傾げる。そんな三海を横目に頬杖をつきながら俺は大きくため息をついた。
「早く告白しないと誰かに取られるぞ」「三海はああ見えて男子に人気だもんなぁ」「少しガサツなところもあるけどそこが可愛いんだよ」などなど俺の友達が色々と忠告してくれたことを思い出す。
俺は人生でこれほど後悔したことはない。もしもあの忠告を素直に聞いてもっと早く告白していれば俺がこいつの彼氏になれたのだろうか?
俺はそう思う度にため息が漏れてしまう。
「あ、またため息吐いてる。そんなにため息ばかり吐いてると不幸になっちゃうよ?」
「誰のせいだよ」
「?さっきっから今日の君へんだよ、何かあったの?」
俺の心配をする三海。こいつやっぱバカだろ。
そもそもなんで俺の部屋にいんだよ。昔からよく俺の部屋に来ては遊んだりゲームしたりしてたが、こいつには今彼氏がいる。
な・の・に、こいつは平気で俺の部屋にズカズカ入ってきては「どんな服がにあうかな!」「服褒めてくれるかなぁ」「デート楽しみだなぁ」「どこ行くんだろうね!」などと嬉しそうに笑う。
こいつの笑う姿は少し前まであんなに好きだったのに、今はこいつの笑顔が辛い。心臓がジクジクと痛む。
てか付き合ってすぐデートかよ。
「何もねぇよ」
「そう?··········あ、見て見て、この服とか可愛くないかな!」
するとまた別の服を見せてくる。真っ白なワンピースと麦わら帽子。俺には1度も見せない女の子服。
昔からこいつはスカートを一切履かない。こいつはジーパンやTシャツばっかで、男物の服ばかり着るもんだから、俺は一度もこいつの女服など見た事がない。
俺の方が先に好きになったと言うのに、それをあとから好きになった顔がいいだけのイケメンに取られるのだと思うと、また胸がジクジクと痛む。
「··········お前の彼氏ってどんなやつだよ」
「え?うーん··········わかんない!」
「あ?」
「だって今日初めて会ったばっかだし」
「なんだよ、お前面食いだったのかよ」
「めんくい?」
「イケメンなら誰でもいいってことだよ」
「な、なー!ボクはそんな軽い女じゃないよ!」
何怒ってんだよ。本当の事じゃねぇか。
だってどう考えても初めて会った男からの告白をOKするとか、相当の後先考えないバカか面食いくらいだろうが。
「もー!そんな酷いこと言うなら結婚式呼んであげないよ!!···············て、まだ結婚は早いかなぁ。えへへー」
「───っ!」
俺はこいつが彼氏と結婚する、と考えた途端、胸の中でなにかが切れた。
「え?───わぁ!?」
俺は三海の手を思いっきり引いてベッドに押し倒した。三海は何が起きているのか理解出来ていないらしく、目を丸くしてこちらを見ていた。
だがそんなこと知ったことか。男の部屋に入ってきて無防備なお前が悪い。
「んっ!?」
ふわりといい匂いのする柔らかくて小さな唇。
それに直接触れると、想像以上の気持ちよさに「あ、これ絶対やばい」と思い、一度顔を離すと、驚いて変な顔になってる三海を再び無視してまた再び唇が触れ合う。
「ん、むぅ··········ちゅ♡♡ やぁ♡·····やめてよォ」
「···············そんな顔で言われても説得力ねぇよ」
なんつー顔してんだよ。
今の三海の顔は、顔を赤くして、目をトロンとさせながら尻目に涙をため、口は半開きになりながら、どこか物欲しそうな視線をこちらに向けていた。
要するにものすごく"誘っている"ような顔をしている。
そんな顔をして見つめられたら我慢出来るはずもなく、俺は三海の唇にかぶりつくように再び唇を奪う。
「ん!?んーッ!··········ん、ちゅ。ぇろっ、ちゅぅッ··········♡」
俺は無理矢理舌をねじ込むと、最初こそ足をばたつかせて抵抗するも、次第に抵抗をすることなく、抑えていた手のひらを、逆に握り返してきて、俗に聞く『ラブ握り』という形になりながら、今度は三海の方から俺の舌に自分の舌を絡ませながら、お互いの唾液を交換し合う。
「ぷはっ、何すんだよバカァ!!このアホ!ヘンタイ!強姦魔!!」
唇を離した途端、俺の胸板を何度もぽかぽかと殴るが、全く痛くない。痛くないはずなのだが、何故だろう。
俺は三海の幸せを奪ってしまっているという罪悪感に蝕まれた。
こいつの彼氏はイケメンで、成績優秀で、結構金持ちで、みんなから信頼されてて、将来そいつの両親の大手企業会社を継ぐ、未来も約束された、完璧を人間にしたような奴だ。
こいつと結婚できるなら、きっとこいつも幸せになるんだろうな。
俺なんかといるより、ずっとずっと幸せになれる。
なのに俺は、三海のその幸せを奪おうとしている。
「お前のことなんか大っ嫌い!!バカ!バカバカばーか!!!これじゃぁ浮気じゃんか!彼氏と別れなきゃじんかよー!」
「じゃぁ別れろよ」
「ほへぇ?」
「別れて俺と付き合えよ」
「なんで君に命令されなきゃいけない···············泣いてるの?」
なっさけねー。泣きながら好きな女に最高の彼氏と別れて最低な男と付き合えとか、情けないとかそういう以前にゴミ野郎じゃん。
「泣かないで。ごめんね、僕も流石に言いすぎたよ。ね?君のこと大っ嫌いなんて言ったの嘘だからさ。本当は君のこと大好きだよ」
「···············」(涙ボロボロ)
「わわっ!?なんでもっと泣くのさー!」
ホント俺って最低じゃねぇか。無理矢理押し倒して、キスして強姦未遂まがいなことして、なんでそんな優しく笑いかけてくれんだよ。なんで俺の涙を拭ってくれんだよ。
三海は泣いている俺の頬を撫でながら、俺よりはるかに小さくて細い指で涙を拭いながら、まるで子供をあやす母親のような、優しい笑みでこちらを見つめている。
「おまえが、好きなんだ」
「···············?僕も好きだよ!」
「違うんだ」
三海は俺の好きを絶対理解できてない。こいつにとって俺の好きは家族とか、兄弟とかの方の好きだ。俺の好きは異性や、恋や愛から来る好きだ。Loveの方の好きなんだよ。
だがこいつの好きは絶対likeの方だ。
「何が違うのさー」
「俺の好きはお前を嫁にしたいとか、結婚したいとかの好きなんだ」
「うん。僕も君のこと好きだし、君となら結婚してもいいよ」
「あぁ、だからお前の思ってる家族同士───Pardon?( 'ω')?」
俺は思わず先程までの罪悪感も、消え入りそうな小さな声もどこかにすっ飛んで、素っ頓狂な声で聞き返してしまった。
こいつ、今なんつった?
「だから、僕は君となら結婚してもいいって言ったんだよ!··········これ言うの結構恥ずかしいんだからな」
コイツ、オレガスキ。オレハ、コイツガスキ。
ボクニハナニモワカラナイ。
「···············なんで結婚してもいいくらい好きな男を差し置いて他の男と付き合ってんの?」
「え、だってこれがまだ恋かどうかわかんなかったし、友達も経験は大事って言うから」
「···············なら俺が付き合ってくれって言ったら付き合ってくれるのか?」
「うん。彼には悪いけど君の方が好きだし」
「馬鹿なのかてめぇは!?!?」
「なんでさ!?!?」
訳わかんねぇよ!!こいつは俺が好き、俺はこいつが好き。OK!?!?
「あ、もしもし?君のことより好きな人が君と別れて欲しいって言ってるから別れて」
『ぇ』
「お前何言ってんの!?」
いつの間にか持っていた携帯で現彼に電話をかけていた。
しかもド直球に別れてとか絶対怒ってるよ。俺絶対殺される。
「え、だって好きな人がいるのに好きでもない人と付き合うのは相手に失礼だよ」
(ド正論ッッッッ)
『それじゃぁ仕方ないよね』
(しかも相手は心までイケメンッッッッ)
「じゃあね」
『うん、好きな人と幸せになれるといいね』
そう言って三海は電話を切った。
「お前バカなの!?」
「なんでさっ!?」
「あんないい男逃がしちまったらほかの女に即取られんぞ!?」
「取られる?」
「お前の元彼が、他の女の子とイチャイチャして、キスしたり、デートしたり、そんなの嫌だろ!?」
「え、別に···············」
「お前の恋とはそんなものか!?!?」
「さっきっから君怖いよ!?」
「じゃぁ逆に俺がお前以外の女とさっきみたいにキスしてたらどう思うんだよ!!」
「え?君が女の子とキス?ないない、絶対ないって」
「失礼だなこの小娘!!」
「でも、君が僕以外の女の子とキスかぁ··········」
僕以外の女の子とキスして、こうやって押し倒して、手を握って、それで僕以外にこうやって「好き」って伝えるんだよね?大和が、僕以外に····················。
「!!」
「むぐっ!?」
「だめ!!ゼッッッッタイダメ!!」
「な、何が?」
「僕以外のことにこんなことしたら絶対だめだからね!!」
「イ、イエスマァム··········」
こ、怖ぇ。
俺は先程まで三海を押し倒していたのに、今では俺が押し倒されて、三海は鬼気迫る表情で俺を睨んでいた。
「いい!?絶対だからね。もしやったら君の顔の皮剥ぐからね!!」
「怖ぇよ!!」
いや怖ぇよ。てかどんだけ俺がほかの女とキスするの嫌なんだよ。
それじゃぁまるで
「俺がほかの女とキスするのに嫉妬してるみてぇじゃねぇか」
「·························ッ」
「え、図星?」
俺の言葉に、なにか反論する訳でもなく、下を俯いてその赤くなった顔を俺に見えないよう必死に隠しているが全く隠せてない。というか普通に可愛い。
あと俺の手を握る力が強くなっているのに気づいた俺は、それに答えるように、俺もう手を強く握り返してると、驚いたのかビクッと体が跳ねた。
「胸が···············」
「ん?」
三海が何かをつぶやくが声が小さくて聞き取れなかった。
「大和がほかの女の子とイチャイチャするって想像すると胸がズキズキして、モヤモヤして、心の中がぐちゃぐちゃになって、すごく怖くなったんだ。大和が僕以外の女の子のところ行っちゃうのが····················これが嫉妬?」
「知らん」
「そこは「それが嫉妬だよ」って言うところだよ」
「俺がそんな気の利いたセリフ言えるような男じゃねぇって知ってんだろ」
「確かに」
そう言って三海は俺の顔を見て笑う。
「僕さ、これが恋なのか少し自信がなかったんだ」
「と言うと?」
「でも確信した。これが恋なんだって」
「そうかよ」
「だから僕と付き合ってください」
「はい」
あ、なんか思ったよりあっさり。なんか実感わかねー。てかこれで俺が三海の彼氏なわけで、三海は俺の彼女って訳で、そんでもってこれからキスしたりエッチなこともし放題って事っすかねー!いや最高っすわー。
「何泣いてんのさ」
「泣いてねぇよ」
「泣いてるよ」
「うるせぇ。三海だって泣いてんじゃねぇか」
「あははー。ごめん。まさかこんなに君と付き合えることが嬉しいとは思わなくて。嬉しすぎて涙止まんない」
「奇遇だな。俺もだ」
そう言って三海は俺の手に自分の手を絡める。お互い涙で目の前が全く見えない。それでもかすかに見える景色は三海が嬉しそうに笑ってこちらを眺める姿。
「ねぇ、さっきのキスの続き、しよ?」
読んでいただきまして、まことにありがとうございます。
楽しんでいただけましたらとても嬉しいです。
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こちらの小説も最近書いてるので見てね
↓
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