151/151
68
「さぁて、皆集まってくれたねー」
場所は、トライデントのあるツムグの研究室。今は、キツネ島旅行の翌日、月曜日だ。
既に、ヒロインの人は揃っている。皆、表情が硬い。
いよいよ、審判の時。運命を決する日。彼女達がどんな決断をするかは、僕も先を見ていないのでわからない。
「みんな、無理にこのアホ兄貴に気遣う必要ないからね。元居た世界に帰るのがベストアンサーだから」
「ユエちゃん余計な事言わないで」
壁に背を預けて結末を見届ける妹に釘を刺しつつ、僕は部屋の中央に鎮座する三又の槍ことトライデントを引き抜く。
これを力を流す感覚で再び台座に突き刺すと、世界は変わる。
瞬間、現状と何も変わらないかもしれないし、何かが変わってるのかもしれないし、再び予想だにしない結果が待ち受けているのかもしれない。
僕が求める答えは――勿論現状維持である。
「みんな、いくよ」
僕は様々な想いを込め、トライデントを台座に突き刺した。
果たして、世界の答えは――。




