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とっても素敵だったから

作者: 梨鳥 
掲載日:2017/10/13

カブトムシの夏が終わりました

お腹を見せて六本の足を丸め

静かに終わりました

千円札と銀色の硬貨何枚かで

手に入りました

千円札と銀色の硬貨何枚かは

カブトムシの利益ではありません

もう二度と

カブトムシを飼いたくありません

あんなに立派な生きものの死姿を見るのは

エゴイストには堪えます

夏のあとに秋が来るとは、

こころに巧く出来たものです

そのうち冬が来て春が来て

また夏が来ると思うと

土を掘る手が虚しく遠く

芽のでないものを埋めるのは

合理的ではないような気もして

夏の喧騒とかいう幻想に溺れそう

千円札と銀色の硬貨何枚かを払って得た

罪悪感は きっと

夏に言い訳をする

『とっても素敵だったから』

秋にはまた目を背ける

『とっても素敵だったのに』

冬には思い出になって

春には忘れる

そして夏が来てまた言う

『とっても素敵だったから』

カブトムシ……

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