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禁術で呼んだ“理想の相手”は、人型魔獣の執着愛でした  作者: ChaCha


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眠れぬ夜を越えて、同じ顔で「おはよう」

昨夜――

布団に入ってから、まったく眠れなかった。


(なんであんな……

自然に取り分けちゃったんだろ……!)


思い出すたびに、


ルベルが固まった顔

低い声

“特別な意味”を匂わせた言葉


全部が胸に刺さって、

布団の中で転がりまわっていた。


(ルベルのあの反応……

ほんと、心臓に悪い……)


結局、

眠りにつけたのは空が白み始める頃だった。



朝。


階段を降りる足取りはふらふら。

意識は完全に寝不足。


(ねむ……い……)


寝癖のままキッチンへ向かうと――


ちょうど奥の部屋から出てきたのは、


同じく

目の下にうっすら影を作り、

髪が少し乱れ、

半分寝たような顔のルベルだった。


「……エレノア……?」


気まずい朝になるかと思った瞬間。


お互いの顔をよく見た途端、

二人の口から同時に出た。


「「……あっ」」


数秒、沈黙。


そして――


ぷっ


「……ふふっ」


「……ふ」


気づいたら、

同じタイミングで笑っていた。


あまりにも分かりやすい、

双方向の寝不足。


あまりにも昨日の名残がそのまま顔に出ている。


エレノアは、笑いながら胸を押さえた。


「……また同じ状態なんだね……」


ルベルも少し照れたように頷く。


「エレノアも眠れなかった……?」


「うん……ちょっとね……色々思い出して……」


ルベルは数秒だけ目をそらし、

極めて控えめに言った。


「……俺も。

色々……思い出して……」


互いに視線を合わせない。


けど、

笑ってしまう。


言葉にしなくても分かる。


(また……同じこと考えてたんだ……)


ふわりと魔力が揺れた。


昨日の“あの強い揺れ”じゃなくて、

もっと軽くて、

柔らかい揺れ。


眠そうな顔、

同じ気恥ずかしさ、

同じ胸の甘さ。


全部が重なって、

いつもより距離が近い朝になった。


ルベルが小さく囁く。


「……エレノアと同じ状態……

なんか……悪くない」


「っ……!?」


その一言で、

また胸が跳ねる。


でも今日は――

跳ねながらも“笑える”自分がいた。


(この関係……

すこしずつ変わってきてるんだな……)


眠たさで目は半分閉じているのに、

心だけはどこか温かく目覚めているようだった。




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