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禁術で呼んだ“理想の相手”は、人型魔獣の執着愛でした  作者: ChaCha


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買い物スキル覚醒

商店へ入った瞬間、

店主の奥さんがぱっと振り返った。


「あら、エレノアちゃん。

今日は……お友だちと一緒なのね?」


(友……?)


エレノアが微妙に固まる横で、

ルベルは静かに会釈をした。


奥さんは一瞬だけ怯む。

だがすぐに、

“この村でエレノアが連れている人に悪い人はいない”理論で

落ち着きを取り戻した。


「今日は何を買うの?」


「えっと……塩とハーブと、お肉と……」


言い終わる前に。


「塩……こっち。

ハーブは……上の棚。

肉は……冷蔵箱」


ルベルは店内を

一回で把握してしまったらしい。


目にも留まらぬ速さで棚を見渡し、

商品を正確に位置づけ、

最短ルートで取りに行く。


「る、ルベル……?

初めて来たはずなのに……?」


「……見れば、わかる」


平然と言う。

でもその言葉に嘘はない。


従魔としての“把握能力”。

見たものを即座に記憶し、

必要な目的に合わせて最適化する本能。


それが“買い物”にも適用されてしまった。


奥さんは目を丸くしながら笑った。


「まぁ、仕事の早い子だこと……!

エレノアちゃん、良い人連れてきたわねぇ」


「い、いえ、その、あの、その人は……

友……で……家に……いえ、違……あの……」


エレノアの挙動不審がまた悪化した。


その横で、ルベルは商品を抱えながら並んだ。


「……これで全部。

あとは……パン、要る?」


「え、いる……! どうして分かっ――」


「昨日、少なくなってた」


完全に生活を把握している。


奥さんはその様子を見て、

うっとりしたように呟いた。


「……新婚さんみたいねぇ……」


「「ちがっ……!」」


二人の声が見事に揃った。


だが、

その反応がまた“新婚ぽい”と

奥さんの中で確信に変わった瞬間でもある。


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